まくらことば

                                   「しかし若いってのはいいもんだねぇ」
                   「幾つも変わらないでしょう?精々5つ位ですよ、
                  僕と先輩の差は」
                   「莫迦野郎!それが結構大きい差なんですよ。特に
                  回復力に於いてはね!」
                   でも僕が回復著しいのは若さの所為ではないとお互
                  い判っている。猫丸先輩の所為だ。現に今も先輩の両
                  手は僕の体の上を這い回って、尽き果てたと思った熱
                  を引出している。一番のポイントをわざと外して。
                   先輩自身だって、台詞とは裏腹にさっきから熱を持
                  ったままだ。普段こう言う欲とは一切無縁な顔をして
                  いるこの人が、僕の前では此処まで貪欲になる。
                   そう、こう言う関係はお互い全くの初めてだ。

                   「まさか、以前にも誰かと…?」
                   きっかけは忘れてしまった。でも、最初から先輩は
                  僕を受け入れてくれ、余りにも進行はなだらかだった。
                  こう言う一般的じゃない関係だから、初めてがどうの
                  などというつもりは無かった。一般的な関係ならとっ
                  くに経験済みだ。多分、この人も。
                   「そう思って貰えたなら、学習した甲斐もあったっ
                  てもんですね」
                   「学習…って、じゃ、本当に?」
                   「お前さんがこう言う意味で好いてくれてると感づ
                  いてからね…どうせ成就するならお互い気持ち良くな
                  らなきゃ」
                   邪気の無い笑顔の奥で…野性の目が光った様な気が
                  したのは、気の所為だろうか?
                   「その筋のサウナにも行ってみたし、資料にも結構
                  投資しましたよ。案外女性向の同人誌なんか良い資料
                  だったな。なんにせよ、自分が面白いと思ったら結構
                  のめり込めますね。文化人類学の周辺まで行っちゃっ
                  たから」
                   けらけらと笑いそうな感じで…時々首筋に噛み付き
                  ながら喋る。絶対わざとだ。僕の弱点の一つが首筋だ
                  ともう看破されてしまった。
                   「第一、こっちもお前さんに好意をもてなきゃ、受
                  け入れちゃいませんよ。でもね、」
                   言葉を区切って、意地悪く微笑むと…いきなり後ろ
                  に指が入る感覚。
                   「…っ!」
                   「でしょうが?莫迦モン!逸る気持ちは判るがせめ
                  て解すだけの余裕は持ち合わせなさい!こっちが今日
                  来るか今日来るかと半分期待して準備してなかったら
                  流血沙汰ですよ!こんなんで119番回すのは興褪め
                  でしょうが!」
                   「準備って…あの…解して…」
                   「出すものもきっちり始末しましたよ。お前さんだ
                  って引き抜いた途端おしぼりで拭くなんて余裕は無い
                  でしょうが」
                   そうお説教しながらも僕の中で指は動く。…体はし
                  っかり反応しているな。
                   「お前さんみたいなタイプにも誘われてね…でも
                  『挿れて下さい!』って泣きつかれちゃったよ。今す
                  ぐにとは言わないけど、良いですね?」
                   反論出来る筈無いでしょう?僕が先輩に。

                   そんな訳で、大体1回会う毎に2回ずつ役割交代を
                  して臨む。案外慣れてしまうと逆の立場も良いものだ。
                  何と言っても、猫丸先輩が普段見せない真剣な眼差し、
                  それを独り占めできる快感が、僕にとっては一番大きい。


                   《コメント》
                     初書きの猫丸先輩、です(汗)
                     読んだ記憶を頼りに書いては見たが…読んで
                     ないブランクは大きいみたいね。
                     又図書館に行っておかないと(買えよ!)
                     あ、お相手は八木沢君です。

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!