伝えたいことは

 左手は「敵」。右手は「友達」。
 じゃ、「友達以上」の気持ちは、どうやれば伝わるん
だろう。あの人に対して以上の気持ちを、ボクは彼に対
して抱いている。

 「柚之助、どうしたの?」
 あ、やだな。つい物思いに耽ってしまった。今日は久
し振りにリベ(種族名と紛らわしくなるから、省略愛称
にさせて貰った。ボクも「ユノ」でいーよと言ったんだ
けど律儀な彼はフルネームで呼んでくれる)とお買い物。
来週には「くりすますぱあてぃ」と言う行事があるそう
で、ボクもお呼ばれしてる。
 でも、まあ一時同居した間柄だし、何もせずに只待つ
だけも詰らないから今日はこうしてリベと一緒に買い物
をしてる。座木さんも一緒に来てくれる、と言ったのを
わざわざ断って。
 そう、二人になりたいから、わざと断って。

 多分、リベの事、好きなんだろうな、ボクは。
 友達として、って言うよりも…何て言えばいいのかな?
 多分、お坊さんがお稚児さんに対して言う「好き」だ
と思う。今の言葉で何て言うんだろ?零一さんにそれと
なく聞いたら真っ赤になって黙り込んでしまった。
 リベの事を考えるだけで…なんか体が熱くなる。自分
じゃ無いもう一人の自分が居るみたいな、変な感じ。
 昔、七糸様と居た頃。ボクを稚児だという人達に対し
て彼は笑って応えなかった。でも、其の時、安心したの
と同時に感じた幽かな胸の痛み。
 七糸様を稚児として受け入れたならば、判った感情な
んだろうか。

 「一寸、休んでいこうか」
 リベに促されて、町が見下ろせる公園の木陰のベンチ
に座る。この場所は好きだ。波動が合うんだろうな。
 夕陽に、リベの髪が光ってとても綺麗に見える。リベ
の見かけは確かに海の向こうの人達そのものだから、そ
れだけで新鮮で、何処かしら綺麗に見えるけど、今は何
時も以上に綺麗に見える。
 ドウシチャッタンダロウ、ぼくハ。

 「柚之助」
 「何?」
 「俺の事、好き?」
 「好き、だよ」
 「どう『好き』?」
 「どう…って」
 「戸惑ってるみたいだから」
 判ってたか。まあ、秋さんの弟子、だもんな。
 「多分、友達以上、だと思う」
 「安心した」
 掌が重なる。
 「俺もだもん」
 「本当?」
 「嘘言っても仕方ないでしょ?」
 「そうだね」
 掌からリベの熱が伝わる。でも、此処からどうしたら?
 「こう言う時には、どうしたら」
 「簡単だよ」
 リベの顔がボクの顔に近づいてきて。
 そして、唇が重なった。
 「ね、簡単でしょ?」
 そして、其の行為が「キス」と言うのだと、リベから教
わった。
《コメント》
薬屋初書きでしかもショタ!我ながらいい根性してます。
浮かんだものは仕方ないですね。この二人、好きなんだもん。
でも、ここでは最後まで書く気は起きませんでした。
微妙な恋愛を、この二人にはして欲しくって。

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