そのときはあなたが、連れて行ってそしてそっと   抱いて








いばらのなみだ










宇童さんが捕まったのだと言うことを知らされたのは、僕が目を覚ましたその二日後だった




最後まであの人は・・・・どうしてあんなにも自己犠牲心が強いのだろうか
今後のことを考えての行動なのだろうけど、でも、どうして


・・・・・・僕の、せいだ


負けなければ、僕さえ負けていなければこんなことにはならなかった。
宇童さんは優しすぎる
泣きたくないのに、それでも涙はこみあげてくるもので
僕は人知れず声をあげて泣いた。
今の僕には、泣く事しかできなかった


ごめんなさい、宇童さん
子供みたいに何度もそう、繰り返した


気付くとベッドに横たわっていて、泣き疲れて眠りについてしまった事は安易に予想が出来た
・・・どうにも格好悪い事だけど
顔を洗って鏡を見ると、情けないほどに目の周りが赤くなっていて
自分がどれだけ泣いたのかを思い知らされる。
ふぅ、と小さく溜息をつくとリビングから着信音が鳴り響く
部屋に戻りディスプレイを見やると


「・・・・・・左」


無視する理由も見当たらないので、通話ボタンをプッシュする


「・・・・・何?」
『あぁ、よかった。出てくれて』
「だから何」
『・・・・彼の事で伝えたい事があってね』
「っ!」
『ちゃんと今月中には帰ってこれるようだよ』
「・・・・ほんと?」
『あぁ、元々悪事を働いていた訳ではないからね』
「そ・・・・・っか・・・・・」
『・・・・・・・・ミツル君?』
「良かっ・・・・・」


泣くな泣くな泣くな僕!
自分に言い聞かせてもどうにもならなう事もあるわけで
今日の僕は涙腺がとても緩んでしまっているようだ


『・・・・・落ち着いたらこっちにおいで?みんな待っているから』


そう言った左の声はとても優しいもので。
僕は目頭をおさえて必死に絞り出した声で「うん」と言った。
それを確認するや否や、左はじゃあ。と言って電話を切ってしまった
・・・・声は震えていただろうか
でも左はきっと気付いてる。
だからこそ何も言わずに電話を切ったのだ
それは彼の優しさで、僕は自然と顔がほころびに満ちるのがわかった。




「良かった・・・・・・」


窓を開けて深呼吸、空を見上げて
共に空を飛べる日がくることを 僕は切に願う





















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やっぱり宇←ミツ←左的な話ですね・・・・
20041111












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