熱に浮かされたように呟かれている熱っぽい言葉が、僕の理性を浸食していく
「ミツル」
ただそう呼ばれているだけなのに
まるで淫媚な呪文のようで
お願いです、そんな風に呼んだりしないで おかしくなってしまうから
僕が僕でなくなってしまうようで、怖いんです
トロイメライ
「ん・・っ、あ」
「ここが良いのか」
ちゅく、と淫猥な音を立てて自身を弄んでやれば予想通りの
反応を返すミツルがアキラは愛しくて仕方がなった。
「ん、や・・やめ・・・っ・・・」
「やめて欲しいのか?それとも・・・やめないで、か?」
涙で濡れた目元に舌這わせるとびくりと身体を震わせ、
下肢を撫でて愛撫を再開すれば泣きそうな声が上がる
「宇童、さ・・・・っ・・」
僕は泣きそうな声をあげた。
・・・・否、泣いているのかもしれない
それに気付いたのか、宇童さんが僕の目元を優しく拭う
やめてください、そんな優しい手で。
それでも、それでもやめないでと思う僕はどうすればいいのだろうか
好きなんです、あなたが
心まで欲しがってはいけないと、割り切らなければいけないのに
どうすればいい?
まるで底なし沼に足をとられたように
どこまでも深く深く、沈んでゆく
まるで蜘蛛の巣に引っ掛かった蝶のように
もがけばもがく程にあなたへと堕ちてゆく
嗚呼、まるで螺旋階段をぐるぐるといつまでものぼるような
永遠の追いかけっこ
それに苦しんでいる僕がいて、それを楽しんでいる僕がいて
おかしくなってしまいそう
好きだと零せば関係が崩れると言うのに僕は、僕は・・・・
「好き、です・・・」
堪える事が出来なかった
どうしても堪える事が僕には、出来なかった
これ以上自分を押し殺す事が酷く辛くて
「・・・・ミツル」
「あ、の・・・何も、言わないでくださ・・・」
わかってますから、わかってますからと何度もこぼした
あなたを困らせる事しかできない僕でごめんなさい
どうか、最後の我儘を一つだけ
「キス、してくだ・・さ・・・」
泣きながらこんなことを言うなんて、情けないにも程がある
好きという言葉が、僕の脳内キャパシティをパンクさせる
好きで好きで好きで、たまらない
「ミツル・・・・」
名前を呼んで僕にくれたキスはとても優しくて、どうしようもなかった
「すき、です・・好きなんです・・・宇童さん・・・」
抱きつくのを躊躇う僕の腕を宇童さんはきつく掴んで抱き寄せてくれる
あたたかさにまた涙してしまいそうだった
どうしてそんな優しいのですか、思わせぶりな態度をとらないで
僕はばかだから、本気にしてしまう
「ごめんな・・・・・追い詰めて」
違います、あなたが謝る事じゃない
全て悪いのは僕じゃないか
「今はちゃんと愛しているとさえ言えない」
「・・・・・・」
「もう少しだけ、待っていてくれないか」
「そ・・んな、駄目です」
「・・・何故?」
「僕なんか選んだら・・だめです・」
あなたの言わんとしているその言葉は、僕が救われてもあのひとが哀しむから
「好きだミツル」
「うどうさん・・っ・・・・」
目をきつく瞑り頑なに拒むミツルがここまで苦しんでいるなんて
好きだといえば逆に苦しめてしまう。愛しいのに、その言葉すら―
自分は幸せになりたいと願っているはずなのに、誰かが傷つくことをおそれて。
どうか、自分ひとりが我慢すればいいだなんて思わないでくれないか
「我慢、するな・・・」
「・・・・・・」
「俺のせいだとしても」
ほらまたそうやって、そんな言葉をかけるから、愛しさがこみ上げてくる
愛しさの重圧に押しつぶされてしまいそうだ
「・・・・だれより、好きです」
あぁ、そしてまた。
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そしてまたループ。
書いてて楽しかった・・・(オイ)意味がわかりません、本当に。死
でもこういうのが好き。優しいミツルがすき。つぅか宇童さん酷い人!(お前が書いたんだろうが)
誰かを蹴落としてまで幸せになりたいとは思わないけれど体が心についていかない、
そんな感じもミツルとかいかがでしょう・・か・・・(そんなこと言われても)
20041027