長野の田舎町から遥々上京して五日目。
今日から俺は某私立高校の教師となる。
父さん、母さん、見守っててくれ!!(でもシスコン)
上京して早々ちょっとドラクエが忙しくて寝ていなかったら
見事に風邪を引き始業式を休んだ新米教師とか
そんなことはもう終わったことだから気にしない。気にさせない。
よし。癖毛も直したし、トイレに行っていざ出発!
行ってきます!俺の社会人生!自分の門出を祝おう俺!
駅のホームで電車を待つ。
同じ電車に乗るのであろう人々が階段からどんどん降りてくる。
こんなにいっぱいの人が乗れるのだろうか。
あぁ、憧れの満員電車。
男、潤。頑張ります。
「潤く〜ん!」
名を呼ばれた気がして振り返る。
いや、俺を知ってる奴がいるはずがない。俺は一人東京に乗り込んできた一匹狼だ。
「潤じゅ〜ん!!」
俺を知ってる奴がいるはずがない。俺は一人東京に乗り込んできた一匹狼だ。
「じゅんじゅん潤じゅ〜〜〜ん!!!!」
いるはずがない。アイツが!あんな奴が東京にいるはずはないのだ!!!
そうこう考えてる間に電車が着た。
人に押されるように社内に乗り込む。
ひぃぃぃぃ〜
マジで苦しい。目の前のおっさん体臭臭すぎ!!げー息までクセー!!
毎日こんなの乗ってんのかぁ。
大変なんだなー日本人。
「潤く〜ん!!!!」
………頼むから神様これ以上の意地悪はやめてください。
人だらけで身動きなんかこれっぽっちも取れないというのに
他人の迷惑顧みずデカイ声で人を呼ぶ。
そんな男、アイツしかいない。
「ジューーーン!!」
ここで俺が「よう!」とか声をかけたらアイツは俺のところまで来る気なのだろうか。
…怖すぎる。。。
でもこのままあの男が引くわけがない。
とりあえず次の駅まで我慢しよう。
次の駅で降りて彼を黙らせよう。
その時だった。
グガガガガガガガガガガーーー!!!!!
物凄い音がして車体が揺らいだ。
揺らいだと思ったら倒れた!!!
電車脱線事故勃発!!
ギャー!!!!!
隣にいた体臭臭いサラリーマンたちが倒れこんでくる。
く…苦しい!!!
誰かなんとかしろよこの状況!!
と思ってたら上にある窓から人が脱出し始めた。
脱出するのはいいが人を踏み台にするな!!
これ以上仰向けの俺にうつ伏せに乗っかってるおっさんの顔が近づいたら
ちゅ、ちゅぅ〜…してしまうことになる!
「潤君ーーー!!!!どこーーー!!??」
…お前は不死身か!!
とにかくこの唇と唇の合体しそうな状況から脱出したい俺。
「ここだぁ」
苦しくて申し訳程度の声しか出ない。
「いたぁ!」
…人間じゃねぇだろお前。
アイジは俺の腕を持つとな〜んも考えずに引っ張りあげた。
そのおかげで俺の上に乗っかっていたサラリーマン等がごろごろと動いた。
アイジには癖がある。
人の目を見る癖。
故に周りを見ない。
俺の目だけを見てる。
いい加減、革靴でサラリーマンのあそこ踏んでるのに気付け…。
とりあえずアイジのおかげで助かったのは事実。
「さんきゅー。マジで助かった。」
「もー勘弁してよ〜潤君に会う日は必ず災難が起こるんだもん」
そっくりそのまま返してやりたい言葉をサラリと言う。
そんなことよりも…だ。
なぜ、この大都会に(いや、何処にも)最も似合わない男が
東京の電車に乗っているのだうか。
「聞いて驚いて!俺、この近くの高校で先生やってんだ!」
「…今、なんと?」
「教師!がっこーの先生やってんの!」
「近くの高校で?」
「うん!!」
ごめんアイジ。
聞いて驚けなかった。
代わりに眩暈が…。
潤の苦悩は転職しないかぎりこれからも一生続くのでしょう。
続く
久々の更新〜こんなんで良いのか??
一応、リクなのでこれはお友達の戒蓮にトォ〜!!
貰ってやってくださいな。
最近気付いたこと→SMAPの夜空のムコウ。
最後の「もう明日がぁ待っているぅ」の部分。
「ボーナスがぁ待っているぅ」だと思ってました。
魅我より