「あ〜歴史担当します。アイジでぇす。え〜あ〜本日は〜お日柄もよく〜」
すでに新米さん達のご挨拶は終わって、あと一人だと生徒達はほっとしていたことだろう。
新米教師のご挨拶。
それは校長先生のなが〜いなが〜い呪いのようなありがたいお話のあと、
個々の先生達からのお話、生活指導があーだこーだ。
そんでもって10分の9の生徒には全く関係ないであろう生徒の悪さの報告なんかを話してやろうじゃないか的な態度のムカツク先生のお話。
そのあとのほんのちょっとの時間に行われるこの一時。
普通の新米さんなら生徒がずっと立たされ続けたことを考慮して
「みんな疲れているだろうから…」と早々に切り上げるが、
そんな常識をもろともしないこの男。
もう10分以上は喋り続けている。
しかもその中の8分は「え〜あ〜」だ!!
始めはその顔立ちのよさから女子生徒の黄声が上がっていたが
もう誰も喋らない。というか、話す気力もない。
そして校庭での朝礼のため日差しが照り付けている。
もう終わる、もう終わると思っているのに終わらない朝礼ほどダメージを受けるものはない。
生徒達は次々と倒れていく。
そんな中でもアイジの白い肌は日差しを反射しているから手におえない(ありえねー)
かわいそうな生徒達。逃げればいいのにと思ってしまうとこだが
アイジの見えない呪いで金縛りにあっているのだ。
「あ〜そういえばこの前〜長野の友達が〜あ、名前は潤君て言うんだけど〜」
誰も友達の名前なんか聞いちゃいないよ…と先生も含めその場にいた全員が思った時、
キーン コーン カーン コーン…
チャイムだ!
生徒達の顔が華やいだ。
チャイムといえば金八先生よろしく
「よ〜しみんな席につけ〜」とか、
「お前ら教室戻れー!」とかなんとか、、、
とりあえず教室に戻らなければいけないあの合図だ!
この時ばかりは天使の奏でるラッパの音のように聞こえたこのチャイム。
生徒達は心に刻み付けるだろう。
このチャイムの音を。一生の想い出だ(嫌だ)
みんな、アイジを見た。
アイジも話すのをやめて耳を澄ましてチャイムの音を聞いていた。
チャイムが鳴り終わる。
「チャイムか〜懐かしいな〜俺はね〜昔は結構ヤンチャでチャイムとか関係ないと思ってて気にも止めてなかったからこうやって聞くとは思わなくて…なんか不思議な気分だなぁ〜。
そうそう!昔はそれで先生達と鬼ごっこみたいなことしてて〜…」
生徒達の天使は、まだ降りてきそうにない。
微妙な作品になっちまった…。
バイト先で一人の時に思いついて一生懸命書いてました。
お、面白くね〜(ヲイ)