発火布
「クッソォォ〜〜〜ッ!!!ぜってェ汚いよ、 大佐の野郎--------ッ!!!」
全身を包帯で覆われ、病院のベッドに伏せているエドは大声を上げた。
「に、兄さん(汗) 病院で大きい声は・・・・・」
小さいナリのクセに声は異様にデカイ兄に、アタフタする弟のアルは思わず口走りそうになるが
“小さい”“チビ”等の言葉を吐いた者の行く末を嫌なほど見てきたアルはノドまで上がって来た言葉を
思わず飲み込んだ。
「両手使えるクセして、直前までそれを隠していやがって!男の勝負に汚ェマネしやがって!!(怒)」
眉間に皺をよらせ、忌々しそうに呟く兄を前に
“兄さんだって、更に汚い手使ってきたじゃないか”
と脳裏ちらつかせたアルだったが、それを吐く事により自ら人生にピリオドを打つ事に
なりかねないので、適当に相槌を打って話を流した。
「大体、あの大佐の炎なんてあの手袋のお陰なんだろ?あの手袋が無かったら
ただの女タラシ野郎じゃないか!!」
「ま、まぁ兄さん、落ち着いて」
興奮するエドにアルフォンスが近寄ろうとした時だった。
「「うわッ!!!」」
突然、エドのベッドの周りを囲むかの様に空中に一瞬、炎が舞い起こった。
「手袋では無い、これは発火布というものだ。
それに私の焔はこの発火布で創られるのでは無い!あくまで私の力あってこそ、なのだ。
この発火布は、いわば能力を増す効果の役目。私の力あってこそなのだよ。」
ひょっこり窓の外から顔を覗かせ、笑顔で指パッチン☆をする焔の錬金術師がいた。
「や、鋼の!」
満面の笑顔を浮かべて。
口をパクパクさせて言葉を失っているエドなんか気にもせずに。
「-------- のォォ〜!(怒) 殺す気か!!」
やっと言葉の出たエドだったが、何処かの芸人の様な言葉しか出てこない。
「・・・・大佐、こんにちは〜。 ふふふっ、なんだかんだ言って兄さんの事、心配してくれて
お見舞いに来てくれたんですよね、大佐?」
部下思いの上司の素敵な構図が浮かんだアルは、大佐にはにかんでみたが。
丁度そこへ・・・・・・・・・・・
「エド君〜〜〜? 調子はどう? 検温の時間よ〜」
20代前半の美しさの中に可愛さがあるまさに “白衣の天使” とも言える看護婦さんが
エドらの病室に入ってきた。
「やぁ、エミリア!君の調子はどうだい?相変わらず、可憐な中に可愛さのある小薔薇の様だv」
窓枠を片手で軽く支え、まるでハードルの如く軽々ヒラリと飛び越えると
アングリしているエルリック兄弟を通り過ぎ、看護婦の目の前までツカツカと迫り来ると
懐から小薔薇をスッと出した。
「-----で、いつが非番かな?」
ちゃっかり手帳を開き、スケジュール調整をしている大佐を前に頬を染め、上目遣いの看護婦。
この看護婦、どうやら満更でも無さそうだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・〜〜〜ッッ!!!(超・怒)
いい加減威しろ-------------------------------------------------------- !!!!!」
再び病室でエドの怒りの声が響いた。
身体をプルプルと震わせ、怒りがこみ上げるエドは別の意味でも絶対に賢者の石を
探し出さねば、と心に決めるのであった。
終.
+++ アトガキ +++
ヒ----------ッ!どこが「お題:発火布」なのか全く解らないモノになってしまいました(T_T)
この間の「焔vs.鋼」見てなんとなく思いつき。。。
大佐・・・大佐描くの難しいですYO・・・ちょっと描き違えると違う人になっちゃうし。
でも “焔の錬金術師”(炎出している)の大佐は描くの楽しくて好きですvv
同じ絵で雰囲気の違う絵を描いたのですが、書キ物の部屋へそれとなぁ〜く置いてあったり。。。
やっぱり葛葉はギャグセンス皆無。(シリアスなのも駄目だが)
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