



Ⅰ-ⅱ.続きの話





 「そんなもの読まなくても」
 「うん？」  
 「リチャードならいい王様になれると思うけどなー」  
 「、…………そう？」  
 「うん」  
 「……そう」  
 「…？」  
 「いや、…何て言ったらいいんだろう、いや、うん」  
 「リチャード？」  
 「…リチャード様なら素晴らしい王様になれますって」  
 「うん」  
 「色んな人に散々言われてきたけど」  
 「うん」  
 「今のが今まででいちばん嬉しい、かな」  
 「、そう？だって実際リチャードすげえがんばってるじゃん」  
 「うん。いや、うん、すごいよアスベル」  
 「？よく分かんないけど、とりあえず胸張っておくか」  
 「ぷっ。うん、胸を張っていいよ。君のおかげだ」  
 「えっへん」　  
 　  
 　  
 (アスベル、アスベル。本当に、君のおかげなんだ。  
 この先、誰にどんな風に『素晴らしい王様』って言われたって僕は耐えられる。  
 言われる度に、僕の中では全部君のになるんだ。  
 これってきっとすごいことだよ。)  
 　  
 　  
 「リチャード！ごめん！」  
 「、アスベル、どうしたの」  
 「昨日借りたこの本っ」  
 「もう読めたの？」  
 「読…む、読ん…、その、寝る前に読んでたら……よだれが」  
 「アスベル！！お前というヤツは…！」  
 「げえっ！父さん…っ！」  
 「申し訳ありませんリチャード様…！」  
 「いや、構わないんだ。アスベルはトクベツだから」  
 「リチャード…！」  
 「リチャード様…。寛大なご処置、痛み入ります。…が、」  
 「なっ何だよ！」  
 「リチャード様がお許しになったからといって、私も許すわけではないぞ」  
 「何でだよ！いいじゃんかリチャードが許してくれたんだから！」  
 「駄目だ！！さぁ、来い！」  
 「ぎゃー！リチャード！助けて！」  
 「リチャード様に助けを求めるな！」  
 「アスベル、がんばって」  
 「ええええっ！？」  
 「そこはほら。各ご家庭の教育方針があるから。僕が差し出がましい真似をするわけにはね」  
 「さすがのご配慮、重ね重ね感謝致します。さぁ早く来い！」  
 「いやだあぁぁぁあぁぁぁ…」  
 バタン  
 「ふふふ。さて１時間何をして過ごそうかな」  
  
  
  
  
 
/2010.03.01

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	「そんなもの読まなくても」
	「うん？」
	「リチャードならいい王様になれると思うけどなー」
	「、…………そう？」
	「うん」
	「……そう」
	「…？」
	「いや、…何て言ったらいいんだろう、いや、うん」
	「リチャード？」
	「…リチャード様なら素晴らしい王様になれますって」
	「うん」
	「色んな人に散々言われてきたけど」
	「うん」
	「今のが今まででいちばん嬉しい、かな」
	「、そう？だって実際リチャードすげえがんばってるじゃん」
	「うん。いや、うん、すごいよアスベル」
	「？よく分かんないけど、とりあえず胸張っておくか」
	「ぷっ。うん、胸を張っていいよ。君のおかげだ」
	「えっへん」


	(アスベル、アスベル。本当に、君のおかげなんだ。
	この先、誰にどんな風に『素晴らしい王様』って言われたって僕は耐えられる。
	言われる度に、僕の中では全部君のになるんだ。
	これってきっとすごいことだよ。)


	「リチャード！ごめん！」
	「、アスベル、どうしたの」
	「昨日借りたこの本っ」
	「もう読めたの？」
	「読…む、読ん…、その、寝る前に読んでたら……よだれが」
	「アスベル！！お前というヤツは…！」
	「げえっ！父さん…っ！」
	「申し訳ありませんリチャード様…！」
	「いや、構わないんだ。アスベルはトクベツだから」
	「リチャード…！」
	「リチャード様…。寛大なご処置、痛み入ります。…が、」
	「なっ何だよ！」
	「リチャード様がお許しになったからといって、私も許すわけではないぞ」
	「何でだよ！いいじゃんかリチャードが許してくれたんだから！」
	「駄目だ！！さぁ、来い！」
	「ぎゃー！リチャード！助けて！」
	「リチャード様に助けを求めるな！」
	「アスベル、がんばって」
	「ええええっ！？」
	「そこはほら。各ご家庭の教育方針があるから。僕が差し出がましい真似をするわけにはね」
	「さすがのご配慮、重ね重ね感謝致します。さぁ早く来い！」
	「いやだあぁぁぁあぁぁぁ…」
	バタン
	「ふふふ。さて１時間何をして過ごそうかな」





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