伊藤の言葉に浅倉はほんの少し頬を染めて、それでも怯むこと
なく微笑みを返す。
「当たり前でしょ」
 そう言って自分からシャツを床に落とすと伊藤の手を肌に導く。
「傍にいたら触れたいし、触れてほしいよ。伊藤くんが欲しい……
 好きなんだから」
「大ちゃん」
「ねぇ……ボクが欲しいって、言って」
 甘えるように言って頬を擦り寄せる浅倉を伊藤は乱暴にかき抱
いて柔らかなカーペットに押し倒した。
「欲しいよ……大ちゃんが、欲しい」
 そう言って伊藤は浅倉に口づけた。いつもより激しいキスに浅倉
も積極的に応える。何度も何度も唇を合わせながら、しかしその情
熱的なキスとは裏腹に、伊藤は焦らすようにシャツの上から浅倉の
肌を撫でていた。すでに敏感になっている肌は擦れる布の感触に
すら快感を覚え、そして物足りないと訴える。
「やだ……」
 無意識に漏れた言葉に伊藤はニヤリと笑う。
「何が嫌?」
「……」
「どうしてほしいの、大ちゃん?」
 ん?と首を傾げて聞くと恨みがましい目が見上げてくる。それでも
シャツの上から胸の先端を指先で刺激してやると、はっと息を飲ん
で緩く目を閉じた。そんな小さな仕草すら艶やかだ。
「どうしてほしいか言って?」
 意地悪な囁きに浅倉はゆるりと目を開けて伊藤を睨んだ。
「うそつき……」
「は?嘘?」
 その言葉に伊藤は目を見開いて浅倉を見おろした。いつ嘘なんか
ついたのだろう?
「さっき、ボクが欲しいって言ったくせに」
「言ったけど……嘘なんかじゃないよ」
「嘘だよ。だって全然触れてくれない」
 伊藤は浅倉の言葉に驚いて、そして苦笑した。
「かなわないよ、大ちゃんには」
 触って、とか。して、とか。理性のあるうちはそういう可愛いセリフは
言いたくないらしい。どんなに求めていても、求められなければ嫌な
のだ、彼は。それが彼なりの自尊心。もちろん伊藤はそれを知ってい
るし、この行為によってその自尊心を無意識に捨て去る姿を見るのが
好きだった。それは自分にしか見せない姿だから。
「うそつきは、きらい」
「嫌いは困るなあ」
 伊藤はくすくすと笑って啄むようなキスをした。
「うそつきじゃないって証明しなきゃだね」
 伊藤が軽く口づけると先をねだるように細い腕が首に回された。誘わ
れるままに深く唇を合わせて舌で口内を犯す。そして慣れた手つきで
着衣を乱して、素肌に手を這わせた。すでに熱く火照る体は軽く撫で
るだけでも跳ね上がる。
「今日は敏感だね?」
「……いつもは不感症みたいな言い方やめてくれる?」
「不感症だなんてとんでもない。いつだって敏感だよねぇ」
 ニヤニヤ笑う伊藤に浅倉はうっすらと染まる頬を背けた。
「ボクのせいじゃないもん」
「あ、俺がそうしてるんだよね」
「他にいないじゃない、こんなヘンタイ」
 照れ隠しのその言葉がたまらなく可愛くて、伊藤は小さな体をぎゅっ
と抱き締めて頬にキスをした。そして唇を少しずつ下に移動させる。頬
から首筋へ、そして熟れた胸の尖りへ。
「あ……っ、ん……」
 思わず漏れた甘い声を恥じらうかのように唇を噛み締める仕草。
「声、出さないの?」
 からかうように言うと浅倉は軽く睨みつけてきた。こんな可愛い表情
をするから、からかいたくなるのだ。伊藤は微かに笑って、再びその胸
に唇を戻す。舌先でその先端を弄び、時折歯を立ててやると噛んだ唇
が解けて甘やかに吐息を紡ぎ出す。舌で肌を愛しながら手を下肢に伸
ばして今にも欲を放ちそうな浅倉自身を包み込む。
「あっ、いや……」
軽く手を上下させると腕に爪を立てられた。
「何が嫌なの?コレはイキたそうなのに?」
 そう言って再び手を動かすと浅倉は身を捩って嫌がった。
「何、どうしたの?」
 その抵抗にわずかな本気を感じて伊藤は動きを止める。浅倉は頬を
紅潮させて、瞳を欲情に濡らして見上げてきた。その艶は体の中心を
ダイレクトに刺激する。
「ボクだけはいやだからね……」
「ん?」
「一緒に、イこう?」
 目尻を艶やかに染めながら甘えるような上目遣い。それが強烈な武
器になると知ってやっている確信犯。伊藤は確実に自分の中が熱くな
るのを感じながら、それでもわざと低く耳に囁いた。
「どうしてほしい?」
「……意地悪……」
 浅倉は悔しそうに呟くと突然上半身を起こした。何事かと驚く伊藤を押
し倒してその腰を跨ぐ。
「えっ……ちょ、ちょっと待った!」
「やだ。伊藤くんはいやなの?」
「違うよ。そうじゃなくて、大ちゃんが無理でしょ」
 まだ自分を受け入れる箇所には指すら触れていない。いくら繰り返して
きた行為とはいえ、全く慣らしていない状態では無理がある。
「一緒に気持ちよくならなきゃ意味ないでしょ?」
 伊藤は優しく宥めるように言って上半身を起こした。
「大ちゃん、ちょっと腰上げて」
 そう言って伊藤は膝立ちになる浅倉の腰を片手で抱き寄せて、もう片
方の手で双丘を割る。
「……大胆に誘ったくせに緊張してんの?」
 きつく締まるそこに、伊藤はくすりと笑って意地悪く言った。浅倉は頬を
染めて少し唇を尖らせると拗ねたような口調で答える。
「久しぶりなんだから、仕方ないでしょ」
 伊藤はくすくすと笑いながら目の前にさらけだされた胸に口づけた。
「じゃあ寂しい思いをさせた体をいっぱい慰めてあげなきゃだね、俺」
「体だけじゃないもん」
「……大ちゃん?」
「心だって、寂しかったんだから……」
 ぽつりと呟かれた言葉に伊藤は目を見開き、そして柔らかいキスをす
る。
「俺もだよ。俺も寂しかった」
「……ホントに?」
「うん。だから、大ちゃん……」
「い……っ」
 突然埋め込まれた指に浅倉の背がしなる。
「今夜は、俺のものに……」
 侵入した指の痛みに眉を顰める浅倉の頬を柔らかく撫でて口づける。
何度も唇を合わせて、舌をからめて、そうやって想いを繋ぐ。紅く色づい
た胸の突起が誘っているようで、口に含むと果実よりも甘い声が滲む。
伊藤は確実な快楽を与えながら内部の指を静かに動かした。
「まだ痛む?」
 その言葉に浅倉はゆるゆると首を振る。それを確認して、中を探る指
を増やした。そして最も感じる箇所を爪で引っかけるように刺激してやる
と、快楽を知らせるように指を受け入れている入り口が締まる。
「イイ?」
「う、ん……イイ……けど」
「けど?聞き捨てならないな」
「あぁっ」
 ぐっと押し潰すように指先に力を込めると浅倉は全身を震わせた。
「やめ……て……」
「なんで?気持ちよさそうだけど?」
 伊藤の言葉に浅倉は何度も首を振った。
「違う……も……指は、いや」
「指が嫌なら、何が欲しいの?」
 ねぇ?と耳たぶに唇を寄せて囁くと、その頬がはっきりと染まる。




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