しめ縄

九月十五日。
今日は僕の大好きなはたけカカシ君のお誕生日。
プレゼントはばっちり用意したし、あとはカカシ君にあうだけなんだけど・・・。
あっ、いたっ!
「カカシく〜ん!!」
きちんと上忍の服をまとい口布をしているカカシ君めがけてもうダッシュする。カカシ君は一度ちらりと僕のほうをふりむいただけで、僕のことをむししてすたすた歩き始めていた。
「カカシく〜ん!!」
もう一度カカシ君を呼ぶけれど今度はみむきもしない。仕方がないので走る速さを少し速くして追いかける。
カカシ君は歩いているからすぐ追いつくだろう。と、思ったときだった。
「ふぎっ・・・・。」
僕は小石につまづいてこけてしまった。突然のことだったので受け身もとれず、顔面を思いっきしうってしまった。
「いててて・・・。」
座り込んだまま鼻をさする。
う〜、いたいよぉ・・・・。

と、その時すっと手甲をはめた手が僕のほうに差し出された。
「カ、カカシ君!」
「どんくさいですね、先生は。ほら、オレにつかまって下さい。」
「うんっ。」
カカシ君のきゃしゃな手をぎゅっと握って立ち上がる。
「ありがとう、カカシ君っ!」
ついでにカカシ君を抱き締める。いちいち赤くなるカカシ君がすごくかわいい。
「ちょっ、どさくさにまぎれて抱きつかないでくださいっ!」
赤くなったまま文句を言うカカシ君がこれまたかわいい。
かわいらしいカカシ君のお願いなので仕方なく抱きつくのをやめる。
「・・・めずらしいですね、先生がオレのこと素直に離してくれるだなんて。いつもは頼んでも離してくれるどころか・・・無理矢理キスしてくるじゃないですか・・。」
カカシ君が少し伏し目がちに僕に言う。
「だって、かわいいカカシ君見てるとついついキスしたくなるんだもん。」
仕方ないじゃない?、と付け足しながらカカシ君に言う。
「オレがカカシ君を素直に離したのもかわいいカカシ君のおねがいだし、今日はカカシ君の誕生日でしょう?他の日だったらはなしたりしないよんっ。」
にこっ、と笑いながら言うとカカシ君の顔が赤くなる。
う〜ん、やっぱりカカシ君はかわいいなっ。
もう一度抱き締めたくなっちゃう・・。
でもカカシ君に怒られるのはイヤだしやめておこう。
そうだっ!
このプレゼントを渡したらきっとカカシ君喜んでくれるからプレゼントをわたそう。
そう思いついた僕は後ろ手にかくしていた紙袋の中からカカシ君へのプレゼントをガサゴソとだす。
「はい、カカシ君。これをきみの誕生日プレゼントっ。愛をこめてつくったんだっ。」
にまあと笑いつつプレゼントをカカシ君に差し出す。
「は?何ですか、これは・・・。」
あり?喜んでくれてない・・・。
ていうかむしろ引いてるっ!!
でもでも、次の言葉を言ったらカカシ君は絶対喜ぶはずっ!!
「何って僕とおそろいのしめ縄だよ。僕とカカシ君が離れ離れになりませんようにって、祈りながらつくったんだっ。」
はい、どうぞ、と僕は手に持っていたしめ縄をカカシ君の首にかけてあげる。
「・・・先生・・・。」
ほらほら、感動して言葉もでなくなっちゃってるっ。
「何無駄なものつくってるんですかっ・・・!」
「えっ?感動してたんじゃなくて怒ってたの?カカシ君?」
はあ、と大きく一つカカシ君がため息をつく。
「怒ってますっ!!こんなものつくるんだったらちゃんと火影の仕事してくださいっ!!」
ひ、ひえ〜。カカシ君が目を逆三角にして怒ってる〜!!
「どうせ、これつくってるあいだ、さぼってたでしょう?仕事。」
とんとん、と首にかかったしめ縄を指しながらカカシ君が言う。
な、なんでそんなことを知ってるんだ、カカシ君・・・。
「今日たまたま火影の部屋のぞいたら、書類ですごいことになってましたよっ。ほんとにこんな怪しげなものつくるヒマがあったらちゃんと仕事してくださいっ!」
カカシ君が腰に手をあてて僕を叱る・・・。
「む、無駄なものとかこんなものとかあやしげなものとか・・・ひどいしゃないか、カカシ君・・・。」
僕は、愛をこめてつくったしめ縄を『無駄なもの』とか『怪しげなもの』とカカシ君に言われて、少しショボンとしながら言う。
「せっかく、カカシ君が喜ぶと思ってつくったのに・・・。」
消え入りそうな声でボソッと僕が言うと
「・・・すみません。言い過ぎました・・・。」
と、カカシ君が謝ってきた。
「そんなつらそうな顔しないでよ、カカシ君・・・。」
つらそうな表情のカカシ君を思わずぎゅっと強く抱き締める。
「僕のほうこそゴメンね・・・。きちんと仕事しなくて・・・。これからはちゃんとするからねっ。」
カカシ君を抱き締めたまま、カカシ君に向かって言う。
あっ、また赤くなってるっ。かわいいなっ。
「・・・ちゃんと仕事するんですか?」
カカシ君が照れたまま、うさんくさそうに僕に言う。
「うんっ、ちゃんとするっ。約束するっ。約束やぶったら焼くなり煮るなりカカシ君の好きにしていいよ。」
にぃっ、と笑いながら言うと、カカシ君のの顔がもっと赤くなった。
首とか目まで赤くなってるっ。
カカシ君は僕の笑顔に弱いんだよねっ。
にこにこと笑いつつ、カカシ君を抱き締めたまま色々と考えていると、僕の頭の中にものすごく良いアイデアが浮かんできた。
「ねぇ、カカシ君、僕、ちゃんと仕事するからさっ、カカシ君も約束してくれない?」
「何をですか・・・?」
カカシ君が僕を怪しい人のように見ながら言う。
「これをずっとつけるってこと。」
カカシ君の首にかかっているしめ縄を指しながら、にぱっと笑いつつ答える。 「な、何バカなこと言ってるんですかっ!!」
カカシ君が真っ赤になりながら言う。
「そんなこと恥ずかしくてできませんよっ!!」
「え〜?恥ずかしい?」
僕は子供みたいにカカシ君の顔の下から首を傾けて聞いてみる。
「恥ずかしいですよ・・・。」
カカシ君は僕から目をそらしながら答えた。
ふむ・・・。カカシ君が恥ずかしいなら仕方ないなあ。
「それじゃあ、コレしても怒らないって約束してネッ。」
「は?、何す・・・」

カカシ君が言いおわる前にカカシ君の口布を下げて軽くキスをする。

「っ〜//////」
僕が口を離すとカカシ君が赤くなりながら僕をにらんできた。
「怒らない約束でしょう?」
笑顔つきでカカシ君に言う。
やっぱりカカシ君、かわいいなあ。怒っても、照れてもっ。
ぎゅっと、愛をこめて、もう一度カカシ君も抱き締める。
しめ縄同士がぶつかって、まるでキスをしているみたいだった。

+コメント+
初!!ナルトの小説でございます。
何かもう・・・・。
四カカだなんて・・・・。
ちとマイナーっぽかったですね・・・。
でも、私はこのふたり結構すきなのです。
みなさんにも好きになって欲しいと言う思いを込めて書きました。
なので好きになっていただけたらうれしいです。


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