マジックの憂うつ

 
衝動のままに耳朶を甘噛し輪郭に沿って舌を這わすと、シンタローが逃げるように頭を振った。
「やめろ・・・って!」
いつもの強い声ではない、滅多に聞くことがないか細い声を発しながらシンタローが身を捩る。
ゾクン!と今度は大きい衝撃がマジックの体内を奮わせた。
パッと体を起こし、そのままシンタローを抱え込むとベッドへ引きずり込む。
今までとは逆の体勢、シンタローをベッドに押さえ込み覆いかぶさった。
驚きに目を見開いたシンタローの顔を眺めながら、ゆっくりと体を重ねる。
そして再び辿りついた耳朶に舌を這わせた。
「!?!?」
声にならない叫びをあげて、シンタローの体が弓なりに仰け反る。
「耳が感じるんだ、シンちゃん」
自分の問いかけた内容に、マジックは興奮する。
くすぐったいということは、言葉を変えれば敏感だということ。
立派な成人男子に成長したシンタローの性感帯になっていたとしても不思議ではない。
幾つになっても愛しく可愛く感じていた我が子だったが、性的に成長していることを特に意識したことはなかった。
だが、自分の体の下で自分の愛撫に反応しているシンタローを見て、それをリアルに感じてマジックは欲情した。
全体重をかけて身動きできないようにしてから、そっと唇を重ねてみる。
マウスツーマウスでキスしたことはあるが、それは幼児の頃の話だ。
柔らかく小さかった唇が、弾力のあるすべらかなものに変わっている。
驚愕に見開かれた黒い瞳を覗き込みながら、マジックは顎を掴み口を開かせると遠慮なく舌を差し入れた。
「!?!?」
呪縛から解かれたように硬直していたシンタローの体が渾身の力を持って抵抗してくる。
だが、体格にも体勢にも利があるマジックはびくともしない。
逃げる舌を絡めとり、口蓋を舐めあげながら、唾液を啜りあげる。
熱い口内と、柔らかい舌の感触、そして口内を弄るたびにビクビクと反応する体。
思う存分、自ら持ち得る最高のテクニックをシンタローに施す。
喉の奥から小さい悲鳴があがるが、それはマジックの口内に吸収されて外に漏れることはない。
ただ荒い息と唾液が絡む音が響く。
抵抗する力が弱弱しくなったのを感じて、マジックは片手をシンタローの胸に這わせた。
服のうえからゆっくりと滑らせていると小さい突起が指先に触れた。
それを人差し指と中指の間に挟み柔々と刺激を与えると、柔らかかった感触が硬さを増していく。
「ン・・・!!」
シンタローが小さく呻き抵抗するように顔を左右に振るが、マジックは唇は離さず口内を犯し続ける。
手の中で硬くなる乳首、塞いだ唇からもれる官能的な喘ぎ。
マジックは自分の股間が硬くなっていくのを感じた。
シンタローの体に喰らいつき、この体の中も外も滅茶苦茶に愛撫して、すべてを自分の物としたい。
すでに獲物は腕の中にいる。この衝動を抑えることはもうマジックには出来なかった。
ゆっくりと舌を抜き、シンタローの口の端から流れ落ちる唾液を舐めとる。
生理的なものなのか快楽によるものなのか涙で潤んだシンタローの目を、真正面から覗き込む。
「シンタロー」
名前を呼ぶとぼんやりとした黒い瞳に意思の力が戻ってくる。
だが、それが完全に戻る前にすべてを始めなければならない。
「お前を濡らしてあげるよ」
「・・・おや・・・じ?」
「ホラ、これで」
重なった股間を、硬くなった己の欲望を、シンタローにグイと押し付ける。
「なっ!?」
マジックの状況をようやく理解したシンタローの顔に驚愕の表情が浮かぶ。
「お前のと、私ので・・・シンちゃんの中も外もドロドロにしてあげる。たっぷり濡らしてあげるよ」
「やっ、やめろっ!」
「逃がさないよ、シンちゃん。お前の身も心も私のものだ」
「いやだ!!とうさん、やめろ!!!!」
「一緒に夜明けのコーヒーを飲もうね?」
優しく囁きかけながらも、マジックはシンタローの衣服に手をかけ一気に破り捨てた。
シンタローの叫びと服が引き裂かれる音が部屋中に響き渡った。




「はっ!」
マジックの目がパッと開く。
目の前に広がるのは薄暗い天井。
心臓がバクバクと体内で鳴り響き、全身に汗をびっしょりかいている。
「わ、私は!?」
ガバリと起き上がり、周りを見渡す。
自分の部屋のベッドの上。部屋の中にはどこにも人の気配はない。
勿論、横にシンタローがいるはずもなく。
「夢・・・か」
ほうっ、とマジックは体の奥底から安堵の溜息をついた。
シンタローを失った頃の夢をみていたことも、目覚めたそこにシンタローがいたことも、すべて夢。
「いくら私でもシンタローを犯そうとするはず・・・」
そう呟いたが、それを自分の耳で聞いた瞬間、夢の中の自分の行動が鮮明に思い出された。
自分の最愛の息子を性的対象として抱く。
そんなことは今まで一度も考えたことはない。
それなのに、そんな夢をみてしまったということはどういうことなのか。
いくら血が繋がっていなかったとはいえ、長年その成長を見守ってきた息子なのだ。
だが、夢の中の自分はシンタローに欲情し、すべてを奪おうとした。
「ゆ、夢だ、夢!夢に特別な意味はない!!!」
頭をぶんぶん振って、夢の内容とぐるぐると回りだしそうな思考を振り払う。
「・・・シャワーでも浴びて頭を冷やそう」
立ち上がろうとしたマジックは、そこでようやく自分の状況に気がついた。
すっかりと臨戦状態になっている股間。
サアッと血の気が引く。自分自身がもう信じられない。
マジックはガクリと床に崩れ落ちると、両手を床について小さく呟いた。
「・・・シンちゃん、助けて」
自分の息子に欲情する己を信じられず、己に絶望を感じながら、そのままの体勢でマジックは固まり、朝を迎えたのだった。




燃え尽きたように真っ白になったマジックがシンタローに発見されるまで、あと数時間。


 
 
 
 

 
■あとがき■

マジシンスキーとしてふたりがいつデキタかは
ひとそれそれMY設定があると思います。

私の場合は南国のあと、パプワ島から帰ってきてからです。

南国の前だと「本当の父子」と認識していたはずです。
その時点で恋愛感情が湧くのは無理かなと思うし
無理に奪っちゃったvというのはかなり萌えるシュチュですが
実子をヤっちゃうほどマジックは鬼畜じゃないと思うのですよ。
意外と家族思いだったりするし(笑)

もしヤっちゃったとした場合、
シンタローは絶対にマジックを許さないだろうし
南国のときのように子供の反抗期みたいな態度にならないと思うし
和解すら無理だと思います。

ということで、MY設定は南国のあと。
そして自覚するのもその頃。

で、今回はパパに自覚が芽生えはじめた
って感じで書いてみました。
・・・あの変態歌『マジックの憂うつ』を元に(笑)






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