【 Night of White Day 】
 
 
 
 

 
なんでこんなことになっているのか。
BJは霞みそうな意識の中で考える。
少しでも気を抜くとすべて持って行かれ、何を考えていたのかさえも忘れてしまいそうだ。
ぐっと目を瞑り、外界からの刺激を閉ざして、思考することに集中する。

バレンタインのお返しだといってキリコが突然訪ねて来た。
相手はもちろんBJじゃなく、手作りチョコレートを宅配で送ったピノコである。
見るからに女の子が喜びそうな綺麗にラッピングされたそれは、美味しそうなクッキーと紅茶の詰め合わせ。
それに小さな花束つきである。
受け取ったピノコは大喜びでキリコを家の中に招き入れた。
もちろんBJだってホワイトディのことは覚えていた。ちゃんとお返しのお菓子も用意して渡した。
だが、場慣れしたキリコには完全に負けた。
少し悔しさを感じながら、いつもの如くキリコを追い返そうとしたBJだったが、ホワイトディの主役、ピノコの意志が家主の意志よりも強かった。
クッキーを食べながらお茶をして、のんびり過ごして、そのあげく夕食にまで参加したキリコは、BJの無言の抗議を無視して酒まで飲んだ。
酒を飲んだ、という時点でキリコの目的はただひとつ。
飲めば、車では帰れない。じゃあ、泊まればいい。ということになる。
単純なピノコはキリコの思う通りに行動し、発言した。タクシーで帰れというBJの意見はまたもや却下された。
キリコにとって「泊まる」は「セックスする」と同義語だ。
それがわかるからこそ阻止したかったのだが、結局BJはキリコに全敗した。
その証拠に。

「何を・・・考えてる?」
問いかける声と共に強く突き上げられて、思考に閉じた意識が外界へ引きずり出される。
「あっ!?」
目を大きく開いて仰け反ったBJの喉元をキリコがベロリと舐め上げる。
「随分、余裕があるじゃないか」
キリコは躯を起こすとズルリと性器をBJから引き抜いた。
巨大なものが抜けていく排出感にBJの下肢がビクビクと痙攣する。
「なに、を・・・」
ふたりとも勃起したままで、まだイっていない。
BJは胸を大きく上下させながら、今まで圧し掛かっていた男をみあげる。
「キスチョコのお返しに奉仕してるのに、俺はまだまだ努力が足りないみないだな」
ニヤリと笑って、キリコは弛緩しているBJの腕を掴み引き起こす。
ぐったりと力が抜けた躯は軽くはないはずなのに、キリコはいとも簡単にBJの躯をうつ伏せにした。
腰をぐいっと引き、膝を立てさせる。
獣の体位で腰を高くあげさせられたBJはキリコがなにをするのか理解し、すぐさま逃げようとした。
が、既に遅し。
ぐいっと塗れた先端が後門に触れたかと思うと、一気に捻りこんできた。
「ああぁぁぁっ!!」
たまらずBJは仰け反りながら叫んだ。
すでに一度は挿入済みで柔らかく解れ開いていたとはいえ、挿入の衝撃は慣れるものではない。
硬く反り返った大きな性器が閉じた肉壁を押し開きながら最奥まで貫いた。
差し出された尻肉にキリコの陰毛とぶるりとしたふたつの果実が当たる。
BJの躯が落ち着くのを待つように、ずっくりと根元まで差し込んだ状態でキリコは動きを止めた。
「はぁ、はぁ」というBJの荒い息が少しづつ落ち着いてくる。
異物になれた後門の締め付ける力が弱まり、キリコの性器を包んでザワザワと蠢きだした。
「いやらしいケツだな」
小さく笑って、キリコは腰をゆっくりと前後に振り出した。
ズリリと引き出しては、じりじりと押し込む。
内壁に側面を擦られる快感を楽しみながら、緩やかな動きを繰り返す。
「こっちの方が動きやすいからな。じっくりと愉しませてやるよ」
そう宣言すると突然、爆発したかのように腰を激しく降りはじめる。
先端近くまで引き抜いては、一気に根元まで貫く。
内壁を余すところなく摩擦され、絶え間なく最奥をズンズンと突き上げられ、BJの思考力はあっという間に掻き消された。
「あっ、あっ、や、やめっ」
シーツに皺を寄せながら躯が前へずりあがりそうになるが、腰をがっしり掴まれ固定され、衝撃はBJの体内にすべて吸収される。
体内を掻き回される快楽。
尻から脳髄まで電流のような快感が何度も何度も駆け上がる。
「やめろって?こんなにしてどの口が言う」
キリコの躯がBJの背に覆いかぶさる。
腰は激しくスイングしたまま片手を前に回し、ぶるぶると揺れるBJの性器を握りこんだ。
腹につきそうなほど反り返ったソレは先走りをたっぶりと流し、すでにぐちょぐちょに濡れている。
精液の滑りをそのままに、握った手を上下させると、キリコを咥え込んだ後門がギュリュッと締まった。
「うあっ、ぁ、あぁっ」
体内と性器を同時に摩擦され、いっきにBJの躯は絶頂に向かう。
獣のように背後から男に犯されて喘ぎ悶えるBJの姿は、キリコの欲望を直撃する。
今キリコが抱え込んでいるのはがっしりとした男の躯。
喘ぐ声も低く呻きに近い、女のもつ色香を含む甘い声と全然違うのに。
どんな女の声よりも、どんな女の柔らかい躯よりも、BJはキリコからいとも簡単に欲望を引きずり出す。
セックスの主導権を持っているのは自分のはずなのに、支配しているような支配されているような表現しようのない感覚を、キリコはBJを抱く度に感じるのだ。
相手はすでに悶え快楽に喘いでいるのに、どうしても負けるもんかという気持ちが湧き上がる。
征服する興奮、絞りとるように締め付けれる快楽に、キリコは夢中になって腰を振る。
ふたりの躯をゾクゾクとした快感が駆け上がる。擦られ続けている性器がビクビクと痙攣する。
強烈に絞りあげ、絞りあげられ。
深くまで貫き、貫かれ。
下肢から全身に向けて凝縮された快感が放出される。
「はっ、あぁぁっ!!」
「くっ、うっ」
弾けたのはほぼ同時だった。
ぐっさりと咥え込んだものを締め付けながら、BJはキリコの手の中で射精し、締め付けながらも蠕動するBJの肉襞の奥底にキリコは射精した。
腰を揺らし全液を注ぎ込みながら、BJの性器を根元から扱きあげ一滴残らず吐き出させる。
キリコはぐったりとベットに沈んだBJの上半身を引き寄せ顔を振り向かせると、荒い息を吐く唇ふたつをぴったりと合わせた。
どちらともなく、舌を差し出し、絡み合わせる。
クチュクチュと唾液を交換する音が部屋に響き渡る。
強烈に躯を駆け巡っていた快感が引くまで唇を貪り合う。
「はぁ」
離れたBJの唇から深い溜息が洩れた。
「気持ちよかったか?」
「・・・もう、抜け」
いままで快楽に悶えてたのに、返ってくる言葉はつれない。
キリコはクスクスと笑いながらBJごと躯を起こし、そのままベットに座り込んだ。
腰に片手をまわされていたBJは勢いのままキリコの上に座ることになった。
「う、あっ!」
自らの体重の重みで繋がりが更に深くなる。
射精したばかりのはずのはずなのにキリコの性器は堅く、未だ半勃ち状態だ。
腰をあげようとするBJの躯に両腕を回し、萎えた性器を弄りながらツンと立った乳首を指先で転がす。
「はっ、キリコ、やめろっ」
串刺しにされた状態では上にしか逃げられないのに肩にはキリコの顎が乗り、上に動くのを阻止する。
キリコの腰が律動をはじめた。
痛いほど深くまで差し込まれた性器が蠢き、躯の表面にも愛撫が加えられている。
射精し敏感になった躯はあっという間に与えられる刺激に反応する。
手の中でBJの性器が育っていくのを楽しみながら、キリコはBJの耳に甘く低い声を注ぎ込む。
「俺のホワイトディはお返しは終わってないぜ?たっぷり愉しませてやるからな」
「ば、ばかやろっ」
「口が悪いなぁ。ま、すぐに喘ぎしか吐けなくしてやるよ」
キリコはニヤリと笑うと、手と腰の動きの速度をあげた。

夜はまだまだ長い。

 
 
 
 
 

    
 
 
   
 ■あとがき■
ただ単に、無性にキリジャエロが書きたくなっただけ。
キリコの愛の表現はハードです。(笑)
ホワイトディのお返しがこれならば
きっと来年はBJからチョコレートを貰えないでしょう。

あ、でもそのときは
キリコはバレンタインにBJにチョコをやって
ホワイトディに強制徴収(注:エロ)をするのかも。
どっちにしても結果は同じなのか・・・(笑)
 
 
 
 

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