【 New Year Kiss (2) 】
 
 
 
 

 
ディープキス。
それもそうとう激しい。
うっと襲い来るであろう吐き気と嫌悪感に備えようとしたBJだが、まったく嫌悪感が湧かないことに気がついた。
それどころか回された腕も、絡む舌も、体を包む香りもすべてが安堵感を与えてくる。
BJは目を瞑ると相手の舌に自らの舌を絡ませ、積極的にキスに応えはじめた。

パンッ!!
終了を告げるクラッカーの音のあと、照明がパッと点く。
いきなりの明るさに瞬きをして目を慣らし前をみると、一歩離れたところにキリコが立っていた。
心底不機嫌そうな顔をしている。
「なんで抵抗しない」
低い声で責めるようにBJを睨みつける。
暗闇で突然キスを仕掛けてきたのはキリコ自身なのに、BJがあまり抵抗せず誰だかわからない相手に簡単に応えたことに腹を立てているのだ。
そんなキリコの様子をみてBJはクスリと笑った。
その笑いが気に障ったらしい。
隻眼を益々鋭くさせてキリコが呻くように「なにを笑う」と吐き捨てる。
BJは堪らず声をあげて笑った。
銀髪の男の険悪な様子に、心配げな視線を送っていたバーテンダーがBJの笑い声を聞いて、ほっと安心したような表情を浮かべて他の客への酒を作り始める。
「隠したいならワンパターンなテクをどうにかしろ」
笑いながら言われた言葉に、文句を続けようとしていたキリコの唇が開いたままとまった。
一瞬何を言われているかわからず眉間に皺が寄せるが、悪戯気な瞳をしたBJが薄く唇をあけ舌をチロリと動かしたのをみて、ようやく言われてことを理解した。
成程、と納得して不機嫌さを引っ込めたキリコに今度はBJが問う。
「お前さん、なんでここにいるんだ?」
「何を言ってる。ここは俺の気に入りの店だ」
そういえば、そうだった。
この店にBJを連れてきたのは、やはりそのとき偶然に会ったキリコだった。
すっかり気に入って何度も通っていたのですっかり忘れていた。
「ああ、そうだったな」
「ちょっと飲もうと来てみたら偶然好みなシャンがいた。だからずっと隙を狙ってたんだ」
「いつ来たんだ?」
「20分くらい前かな?」
「声もかけずにずっと俺をみてたのか。お前さん、阿呆だな」
呆れたようにBJが言った。
今度はキリコがニヤリと笑う。
「なあ、続きしないか」
「は?続き?」
意味がわからず聞き返すBJの唇を指の先でそっと触れる。
目を見開き、あっ、と気がついた表情を浮かべたBJは一歩引いて、キリコの指先から逃れる。
微かに顔が赤い。こんなところで何をするんだ、といった目でキリコを睨む。
キスはしたくせに何を今更。
そう思いながらも、キリコは体を傾けてBJの耳元へ顔を寄せコソリと囁いた。
「俺のホテルに来いよ、ヒメハジメしようぜ」
「・・・変な日本語を知ってるな」
プッと噴出して呆れたようにBJは笑った。
偶然こんなところで会ったのも何かの縁だろう。
それに久しぶりの逢瀬。
断る理由はない。
さっきの久々のキスは、灯火程度ではあるがそれなりに体に火をつけたことだし。
「ま、いいか。あと数日暇だしな」
「俺はいい暇つぶしになると思うぜ?」
ふたりは笑い合いながら支払いを済ませると、連れ立ってバーを後にした。

「ブラックジャック、とりあえずお前さんのホテルを引き払いに行こうか」
「なんでだ?」
「決まってるだろう?2日間、たっぷり楽しむためさ」
腰から腿にかけてスルリと撫でてキリコは応える。
なにか言ってやろうとキリコをみたBJだったが、隻眼に浮かぶいやらしいまでの欲情の色をみて、ゾクリとした感覚が体を貫いた。
キリコの興奮にBJの体と感情が引き摺られていく。
「・・・ちゃんと楽しめるんだろうな」
「任せろ」

その言葉の通り、2日間ホテルに引きこもったふたりは愉しく情熱的な時間を満喫したのだった。

 
 
 
 

    
 
 
   
 ■あとがき■
年末年始のキリジャ。
暗闇でいきなりのチュウ

キリコに「ヒメハジメ」
と言わせたかっただけだったり(笑)

一年の計は元旦にあり
という言葉の通り、元旦からヤリまくったであろう彼らが
今年一年(うちは無理なので他サイト様で)ヤリまくることを願いつつ
あけましておめでとうございました!<過去形
 

 
 

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