ミステリー。神秘的、謎、不可思議、なこと。
世の中には多種多様なミステリーに溢れている。
「そんなことはないね。だいたいのことは突きつめればたいしたことじゃない。ホントのミステリーってのは、」
「女とか、不二子だとか言うなよ」
酒を片手に高らかに語っていたルパンを遮って、次元は言った。
グッと詰まったところをみると、そういう結論に持っていこうとしていたのだろう。
ファラオの呪いだの幽霊に憑かれただの、色々な経験をしているくせに、頑固として認めようとしないのはある意味感心する。
こっちさえ巻き込まなければ勝手にしてくれと思うが、嫌でも巻き込まれるのだから、少しは現実を見て欲しいものだ。
ルパンの結論は肯定できないが、ネタがばれればミステリーはミステリーでなくなるというのは納得できる。
そう次元が言うと、機嫌を直したルパンがそうだろうそうだろうと、次元の肩をバンバン叩いた。
例えば。
あの昔ながらの和服、袴のしくみはどうなっているのだとか。
あの褌袴でどうやって排泄するのかとか。
とくに便所事情に関しては不思議で仕方なかったが、実際見てみれば成程と思ったし、今ではただの日常だ。
「そんなのと一緒にすんな!」
今度はルパンがつっこむ番だが、結局はただの酔っ払い。
そのうちガハハと笑って、馬鹿馬鹿しいミステリー談義に花が咲いた。
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