■69■

 
 
 
 
 

【J-SIDE】

思いもよらなかった、偶然の再会。
久々に感じる相手の存在や匂いに一気に欲情した。
そのことを隠すことは一切せず、ホテルに連れ込んだ。
だが一方的ではないはず。
少々戸惑った表情や態度はとったものの、抵抗せずについてきたのだ、嫌なはずはない。
その証拠に。
「今日はなにも用意してねぇんだ。痛いのは嫌だろう?咥えて濡らしてくれよ」
そう言いながら服を脱ぎベッドに横たわると、黙って着物を脱いで覆いかぶさってきた。
とっさに体を上下逆にさせると、意図を読み取ったのだろう、顔を朱に染めたものの抵抗はせず、素直に股間に顔を埋めた。

先端を舐められ吸われ、久々の五右エ門の口内の感触と、それ以上に積極的な態度に興奮が高まる。
思わず腰を突き上げて喉を突くと、苦しそうに一瞬呻いたものの、すぐに上下に頭を振り始めた。
じゅぼじゅぼという音の通りに、生暖かい口内を己のモノが出入りしている。
しゃぶられ擦られる気持ちよさに小さく喘ぎながら、このままじゃまずいと五右エ門の尻を掴んで引き下げ、その双丘を大きく広げた。
目の前に晒されたソコはねぶるような視線を感じたのか、誘うように淫らにひくつきはじめる。
堪らなかった。
早く中に入って思う存分、擦って突いてその感触と締め付けを味わたい。
乾いた場所に舌を這わせ、柔らかくほぐしながら唾液を注ぎ込む。
無意識なのか腰が揺れて蠢く様が堪らなく情欲を誘う。
溢れ出した五右エ門自身の先走りを拭い、指先にたっぷりと絡ますと、唾液でしとどに濡れたソコへゆっくりと差し込んでいく。
鼻に抜けた喘ぎを洩らした五右エ門からの愛撫が更に激しくなった。
ハヤクハヤクと逸る体と心をなけなしの理性で押しとどめながら、繋がるための準備を続ける。

もう理性はあまり持ちそうにない。
 
 
 
 
 
 

【G-SIDE】

思いがけない偶然の再会。
衝動のままにホテルへ転がりこんだはいいが、何も準備していないと次元は言った。
もちろん五右エ門が持っているはずもない。
かといって行為を中断するなんていうことはできない相談だ。
それならば現状でどうにかするしかない。

すぐにでも欲しいと体は疼くが、実際には久しぶりすぎる菊門は固く窄んでいる。
そんな状態での無理な挿入はお互い苦痛しか生まない。
だから先走りと唾液で肉棒をたっぷりと濡らす必要がある。
同じく窄んだ菊門も柔らかくほぐさなければいけないのだ。

ベッドに上向きになった次元の上に覆いかぶさり、五右エ門は己の中に受け入れるべく準備を始めた。

支えがなくとも凶悪にそそり勃つ肉棒。
根本を指先でつまみ、ゆっくりと先端を咥えると馴染んだ味が口内に広がった。
ぞくぞくとした興奮が背筋を駆け上がる。
認めたくはないが、ずっとこれが欲しかった。
こんな己が嫌で修行に出たはずなのに、ようやく浅ましい欲望を抑えこめたと思っていたのに、再会すれば元の木阿弥だ。
括れを唇で刺激しながら先端を舌先で穿るとくぷりと先走りが溢れ出す。
根本に置いた指をゆっくりと上下に動かして側面を擦ってやると、腰が大きく揺れた。
あっと思う間もなく、激しい突き上げが来た。
喉の奥まで犯されて反射的に嘔吐感が湧きあがるが、動かずそれをやり過ごす。
口内を埋め尽くした肉棒がヒクヒクと蠢いているのを感じる。
「たっぷりと濡らしてくれよ」
下方から聞こえる声は荒い息にまみれている。
欲情した男の声。それが五右エ門の欲望を煽る。
口を窄めながらゆっくりと頭を上下させると、小さい吐息が聞こえてきた。
次元が感じている。
そう思っただけで体内の熱が一気に上昇した。
舌を絡ませながら頭の動きを早くすれば、じゅぽじゅぽといやらしい水音が響き渡る。
溢れる唾液も先走りも呑み込むことはせず、肉棒に塗りつけるように垂れ流す。
たっぷりと塗らすことが口淫の目的だからだ。

髭と息が尻にあたっているが刺激はまだない。しかし、厭らしい視線を感じる。
次元に見られているのだ。普通なら誰にも晒さない、己ですら見たことのない場所を。
触れられていないのに自然にヒクヒクと動いた。
欲しがり、誘うように蠢く己の菊門が、淫らだと感じて五右エ門は羞恥した。
それを隠すように咥えた肉棒を強く吸い上げると、小さいうめき声のあとにぬるりとしたものが菊門に触れた
「ん」
鼻から抜けた息は己のものとはいえ厭らしさを充分に含んでいた。
そう思ったと同時に、舌の動きが大胆に複雑になった。
指で尻肉が広げられ限界まで広がされた入口を舌が嘗めほぐされていく。
挿入の期待、内部を擦り上げられる予感に、ゾクンと腸内に快感が走る。
それは形として肉棒にも現れ、五右エ門の反り返った先端から先走りが流れだす。
唾液塗れの舌で愛撫を加えられながら、先端を指先がぬるぬる滑っているのを感じる。
感じる2箇所を同時に攻められ、腰から爪先にかけて甘い痺れが広がっていく。
もっとと先をねだって腰が蠢くのをどうしてもとめられない。
そんな淫らな動きに応えるように、唾液でしとどに濡れた菊門へ次元の指がゆっくりと沈みはじめた。
舌で解され唾液を注ぎ込まれた場所は、精液をたっぷり絡ませた指を嬉々として飲み込んでいく。
やっと与えられた犯される快感に、唇から自然に喘ぎ声が漏れていく。
だが、まだ足りない。
欲しいのはそんな細いものではなく、今、己の口の中に収まっている太くて硬い肉棒だ。
ハヤクハヤクと逸る体と心をなけなしの理性で押しとどめながら、コレが欲しいと早く貫いてくれと、五右エ門は口淫を強めることで訴えた。
 
 
 
 
 
 

■SIX-NINE■

 
 
 
■あとがき■

テーマが『69』なので、挿入なしでココで終了(笑)

【J-SIDE】は去年の6月9日に日記で掲載したものです。
実は最初に書いたのは【G-SIDE】の方だったんですけど、
日記に載せるには長くなってしまったため、
途中で書くのをやめてザクザク削って短くして視点を変えたのが【J-SIDE】なのでした。
そーいや【G-SIDE】放置してたなーということを思い出したので
加筆修正して今年UPです(^_^)





 

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