■でぃーぷきす■
 
 
 
 

五右エ門は久々にルパンからの呼び出しに応じ、指定されたアジトへ向かった。
いつものペースで歩いているつもりだったが、気がせいでいたのか思ったより早く着いた。
玄関脇の駐車スペースにフィアットが停まっているのを見て、五右エ門は肩を落とし小さく溜息をついた。
予定の日よりも3日も早く着いたのだが、すでにルパンは来ているらしい。
(別に来るのは当日でも良いではないか。せっかく早めに来たというのに無駄になった)
呼び出した当人がその場所にすでにいることは別段おかしくもなんともないが、完全に逆恨み気味な五右エ門は心の中でブツクサと文句を言った。
以前、何度か使ったアジトである。勝手は知っている。
玄関のノブを回すと抵抗は一切無くドアは開いた。
泥棒のくせに、いや泥棒だからか?それにしても少し無用心ではないだろうか。
五右エ門は一応鍵をしめ、廊下を抜けリビングのドアをあけた。
「おっ、五右エ門ちゃん。久しぶり」
コーヒー片手にソファーに座ったルパンが振り向き、満面の笑みで迎える。
その肩越しに黒い男が「よう」と手を挙げた。
「息災か」
「息災、息災」
あいているソファーに五右エ門も腰を降ろす。
「随分早かったな。まだ3日前だぜ?次元もさっき着いたんだ」
「修行がちょうどひと段落ついたからな」
早く来た本当の理由を悟られるわけにはいかないと五右エ門はいつもの澄ました表情で答えた。
「そんなに楽しみだった?」
その言葉に一瞬ギクリとするが、それを表には出さないでルパンを横目で見る。
だが、ルパンの表情は裏があるようには見えない。その証拠に。
「まぁ、久々の大きい仕事だからね〜、腕が鳴るだろ?期待は裏切らないぜ♪」
嬉しそうに楽しそうにルパンは立ち上がると、部屋の奥へ行きゴソゴソ探りだした。
背を向けたルパンから目を逸らし、次元の方を見ると視線が合った。
「久しぶりだな」
「うむ」
「せっかく早く来たのによう。やっぱアジトじゃ駄目だな」
意味深な目つきで次元がニヤリと笑う。
五右エ門はゆっくり瞬きすることで、それに同意を示した。
「これ、これ!今度はお宝はさ」
ルパンがうきうき声で本やら地図やらを抱えて戻ってきた。
五右エ門が着いたばかりで茶の一杯も飲んでいないというのに、仕事の説明を始めようとしているらしい。
そんなに大物なのか、と思うとやっぱり腕が鳴る。
と。そのとき。腕ではなく、ピリリリと携帯の呼び出し音が鳴った。
「なんだよ、いいとこなのにさ〜」
ちょっと不機嫌そうな顔をして、ルパンは資料をテーブルの上に落とし携帯を取り出した。
「あv」
ディスプレイを見た瞬間、ルパンの顔がパァァァと明るくなった。
「あ、ハイハイ、俺様、ルパン三世でーす」
表情と声色で相手を察するのは簡単だった。
今から大仕事に取り掛かろうというこのタイミングで不二子からの電話。
これが何を意味するか、わからない相棒ふたりではない。
「おい」
「ルパン」
険のある声にルパンがアチャァという表情を浮かべた。
「あの女絡みなのか、ルパン!?」
責めるようにソファーから立ち上がったふたりに背を向けて、ルパンは携帯片手に廊下へそそくさと逃げていった。
ドアの向こうから弾んだ声がもれ聞こえてくる。
次元はドアへ向かうと少し開いていた扉をわざとらしく音を立てて閉め、鍵をかけた。
振り返るとすでにそこには五右エ門がいた。

無言でお互いの後頭部に手をまわし、そのまま思いっきり引き寄せ合う。
歯がぶつかりそうな勢いで唇が重なる。
一切の遠慮はない。軽い駆け引きをするつもりもない。
最初から大きく口をあけ、舌を絡ませる。
久しぶりの感触、久しぶりの味に、ふたりともあっという間に夢中になった。
互いの体をきつく抱きしめて、息をするのも忘れて貪りあう。
クチュクチュと音をたてながら、角度を変えてはディープキスを繰り返す。
引き込み、引き込まれ。舐めて、舐められて。噛んで、噛まれて。
息苦しさと快感。相手の体の感触と湧き上がってくる歓び。
いろいろなものが交じり溶け合い頭がクラクラとしてくる。

ガチャガチャとノブを回す音。次いでドンドンとドアを叩く音でふたりは我に返った。
「おい、開けろよ」
ドアの向こうでルパンが喚いている。
名残惜しいが、今はここでやめなくてはならないらしい。
舌を抜き、繋がった唾液を舐め取り、視線を絡ませながらもう一度チュッと触れ合うだけのキスをした。
カシャカシャという金属音がする。こういうときのルパンの万能さが恨めしい。
ピーンという音をとともに鍵があいた。
「締め出すってどういうことだよ」
仏頂面のルパンが唇を尖らせながら入ってきた。
そんなルパンに、ソファーに寝そべった次元は帽子の下から鋭い視線を投げた。
「今の電話はなんだ」
うっと少し怯んだところで、ソファーの上に胡坐をかいた五右エ門がジロリと睨み付ける。
「ちゃんと説明して貰おうか」
ふたりの機嫌の悪さに、さすがにルパンもマズイと感じたらしい。シドロモドロに説明を始める。

ルパンの言い訳を聞き流しながら、抱き合うのは当分お預けだなぁとふたりは心の中で溜息をついた。
 
 
 

  

■DEEP KISS■
 

    
 
 
  
 ■あとがぎ■

シバフ犬さんの『べろちゅう』を拝見し、
それに添えられた
「再会の歓びはストレートに。」
という言葉をみて、ウヲーと萌えて書いちゃいました。

久々の再会でつい理性を飛ばして
激しく求め合っちゃうジゲゴエ
ってイイですよね!?!?

 
 
 

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