■秘めはじめ■
 
 
 
 

ふと目を覚ますと見慣れない天井。
アジトをちょくちょく移動する身としては見慣れた天井の方が少ないのだが、それでも見慣れないと思ったのはそれがどうみても和室の天井だったからだ。
ああ、そうだ。
酒にどっぷりと浸かった頭で思い出す。
年末の一仕事を終わらせたあとルパンが突然、「日本で正月を迎えたい」と言い出したのだ。
五右エ門はここ数ヶ月仕事に加わっていなかったから最後くらいは仲間水入らずでパーといこう!とルパンは次元を引き摺って日本の五右エ門のアジトに意気揚々と乗り込んだ。
仲間水入らずなどただの言い訳で本当は不二子にドタキャンされたせいで予定がポッカリ空いたルパンの暇つぶしの気紛れだということを次元は知っていたが、久々に五右エ門と会えるのなら依存はなかった。
電話一本で10時間後には押しかけてきた仲間に呆れつつも、五右エ門は年越し蕎麦を作って待っていてくれた。
持ち込んだ洋酒と用意されていた日本酒のチャンポンでドンチャン騒ぎの末、よろよろになってどうにか布団に潜り込んだのだ。
木造家屋の居間は夜を明かすには寒すぎるのが難点で各自与えられた部屋へ戻らなければいけなかったが、すでに敷かれた布団でぬくぬく眠るのは仕事で疲れた体には気持ちがよかった。
朝までぐっすり眠ってもいい状況だったのにぽっかりと目が覚めたのが少し不思議だが、暖かい布団に包まれてもう一眠りと寝返りをうとうとして気がついた。
布団が重い。いや体が重い。というより、足元に何かがいる。
それは布団と次元の間に在り、じわじわと足元から這い上がってくる。
この真冬の、それも年明けにまさか化け物か、と次元は硬直した。
確かにこのアジトは何が出てもおかしくないほどの古さではあるが、新年早々出なくてもいいではないか。
体はピクリとも動かず、だが怖いもの見たさなのか盛り上がっている布団から目が離せない。
凝視するそこからぬぅぅと現れた白い顔は、化け物などではなく見覚えのある人物だった。
「・・・五右エ門」
「なんだ」
「・・・なんだ、じゃねぇよ」
緊張から解き放たれた体からドッと汗が吹き出る。
次元はホォーーと大きく溜息をつき、ぐったりと体から力を抜いた。
体の表面をサワサワと蠢く指の感触。
確実な意図を持って動く掌は、するりと胸を撫で脇を滑り股間を包み込んだ。
「お、おいっ」
その動きは完全に性的意味を持っていて、次元の体を昂らせようと蠢いている。
「しっ、隣のルパンに聞こえるぞ」
含み笑いの返事のあと、赤い舌がペロリと乳首を舐めた。
信じられなかった。まさか五右エ門が夜這いをかけてくるなんて。
眠っているときから嬲られていたのだろう、衣服が緩められた次元の体はすっかりと欲情の兆しを見せていた。
いや、はっきりいって兆しどころじゃない。
肌の上を滑る五右エ門もすでに衣服を着ていないらしく、スベスベとした素肌が全身を滑っていく。
太腿に押し付けられた性器は硬く勃起していて、ぬるぬるとした液をこすり付けてくる。
あげくに体を揺らす五右エ門の腹の下で次元の性器は揉みくちゃにされて、その刺激で更に硬く大きく育っていく。
たまらねぇ。
次元が手を伸ばすと、指が絡められ敷布にそのまま押し付けられる。
「五右エ門ッ」
触れられないもどかしさについ焦れた声が出る。
「だからルパンに聞こえるといっておるのに。静かにせぬか」
ぬるりと舌が唇を舐め、口内に押し入ってくる。
次元はそれを嬉々として受け入れた。唯一自由になる舌で五右エ門の舌をじっくりと味わう。
クチュクチュという唾液の音が荒い息使いに交じる。
股間を重ねた五右エ門が腰を大きくスイングさせ、2本の性器がゴリゴリと擦れあうのが堪らなく気持ちいい。
次元も突き上げるように腰を動かし、自らも五右エ門を刺激する。
合わさった股間がぬるぬるしている。ツツッと一筋、交じり合った先走りが腰を流れていくのがわかる。
五右エ門に圧し掛かられて全体重で敷布に押し付けられているという体勢、そして主導権を握られているという状況。
すぐにでも突き入れたい衝動と共に、いつもと違うシュチュエーションが更に次元を興奮させた。
だがこのままじゃ生殺しである。次元はもっと先に進みたかった。
口内を積極的に蠢く舌を強く噛むと、痛みに驚いたのか五右エ門の顔が離れた。
欲情に蕩けた目にほんの少し咎めるような色が浮いたが、次元の欲情しきった表情を見て、その色はすぐに消えた。
そして唇に淫靡な笑みが浮かび上がった。
「欲しいか、次元?」
体を上にずらし、次元の体に跨ると反り返った性器に後門を擦りつけながら五右エ門が問いかける。
いやらしい微笑み、いやらしい言葉、いやらしい仕草。
堪らず次元は腰を突き上げた。的確に校門を刺したが、溢れた先走りでぬるりと逸れる。
「あっ」
五右エ門の体が軽く反り返る。目の前に晒された白い喉に次元は歯を立てた。
「ああ」
体を震わせ喘ぐ声。
「ルパンに聞こえるんだろ?」
喉を舐めながら意地悪く囁くと、絡んだ指がするりと解かれた。
反り返った性器に指が触れて支えた、と感じた瞬間、襲いかかった強い快感に次元は仰け反り声をあげた。
「うっあああっ!」
ずっくりと根元まで熱くて狭い肉壁に包み込まれている。
五右エ門は声を殺して低い嬌声を漏らしたあと、「秘めるのだ、次元」と囁いた。
絡み付いてくる肉壁がキュキュと絞られ、咥え込んだ性器を緩くきつく締め付ける。
「無理・・・だろ、そりゃ」
息を止め快楽をやり過ごそうとしながら、次元は吐息に塗れた声で答える。
ドクンドクンと己の性器が脈打っているのを感じる。
「一年の計は元旦にあり。秘め、始めだ」
「・・・そうか。じゃあ、おまえもちゃんと・・・秘めろよ」
次元はそう言うと、すでに自由になっていた両手で五右エ門の腰を掴み、大きく腰で突き上げ始めた。
「!!!!」
五右エ門の唇から言葉にならない嬌声があがった。
「ルパンに気がつかれる・・・だろ?」
ぐちゃぐちゃに後門を掻き混ぜ突きつつ意地悪く言うと、五右エ門の情欲に染まった目が次元を見下ろした。
端から唾液を垂らしながら、唇が小さい笑いの形を作った。と同時に。
五右エ門自ら大きく体を上下に揺らしはじめる。
抜けそうなほど引き抜いては、奥底まで咥え込む。上下運動で得られる激しく強い摩擦。
噛み締めた唇から思わず喘ぎが漏れる。
腰を中心にして快感が全身を駆け巡る。気持ちよくって頭がイカレそうだ。
ふたり分の喘ぎと交わる濡れた音だけが聞こえ、熱い体も蕩けた脳もどうにかなってしまいそうだった。




朝の日差しに次元は目を覚ました。
しばらくぼんやりしたあとに、昨夜のことを思い出しガバッと身を起こす。
「五右エ門!?」
布団のうえにもどこにも、激しい一夜を共にしたはずの相手はいない。
この和室にいるのは自分ひとりだ。
「夢・・・だったのか?」
辺りを見回したあと、寒さにぶるりと身を震わせた。そして気がつく。
服を着ていない、どころか全裸だ。そして腹と股間にたっぷりとぬめった感触。
「現実・・・か」
そう思うと、体中に飲酒のせいではない倦怠感と、下肢に甘い快感の名残がある。
快感の余韻で夜這いにきた五右エ門の言動が脳内によみがえってくるが、頭を振ってそれを追い払う。
思い出してしまったら、相手がここにいないというのにまた欲情してしまいそうだったからだ。
「ヒメハジメ、か」
次元は苦笑しながら呟くと昨夜の後始末をして衣服に袖を通し、五右エ門が御節を用意しているのだろう、食べ物の匂いが漂う居間へ向かった。
 
 
 

  

■HIMEHAJIME■
 

    
 
 
  
 ■あとがぎ■

年が明ければお約束のネタ
『ひめはじめ』
でした。・・・漢字は違うけど(^^;)

新年早々夜這いをかける五右エ門のお話でした。
ずっと次元と会わずに修行していて
きっと欲求不満だったんでしょうねぇv

今回は五右エ門に主導権を取らせる!
ということを念頭に置いて書いたら
ちょっとリバちっくな感じになっちゃいました(笑)
でも挿入されているのはちゃんと五右エ門ですのでv


 
 
 

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