■そのとき侍は■
 
 
 

 
しまった、と思ったときは遅かった。
攻撃してきた戦闘ヘリに飛び移って、敵のアジトを見つけたあと切り捨ててやろうと考えていたのに。
目の前に立ちはだかる操縦者の顔を見て、驚きに一瞬隙が出来てしまった。
その隙を見逃さなかった男にあっという間にスタンガンを押し付けられ、五右エ門は床に崩れ落ちた。

ふ、と意識が覚醒する。
何度も危ない橋を渡ってきた五右エ門はぼんやりすることなく、瞬時に自分に起こった出来事を思い出し同時に人の気配がないことを知覚して、咄嗟に体を起こした。
いや、起こそうとした。
跳ね起きるはずの体はまだ床に転がったままで、そこでようやく五右エ門は自分が拘束されていることに気がつく。
敵に捕まったのだから当たり前といえば当たり前のこと。
五右エ門は小さく舌打ちしながら状況を確認する。
自分を拘束しているのは鎖や金属器具ではなく、単純な荒縄だった。
だが腕ごと体を強力に縛り上げられている。
手首も一緒に後手に縛られていて、結び目を確認するとかなり固い。外せないことはないが時間はかかりそうだ。
次に置かれている場所を確認する。
あたりを見渡すと、銃やバズーカ、手榴弾、あらゆる銃器類が大量に散乱している。
五右エ門もまるで荷物の一部のように、その中に転がされていたのだ。
鼻を突く金属の匂いが充満したそこは、五右エ門が張り付いてきた戦闘ヘリの中のようだった。
そこまで把握して疑問が湧き上がる。
捕まったのなら上層部に差し出されて、それなりの場所に拘束されるのが普通である。
それなのに五右エ門は捕まったときと同じヘリの中にいるのだ。
なぜだ。
眉間に皺を寄せ、現状のもつ意味と脱出方法について考えだす。
だがそれらが形をとるまえに、人の気配がしてヘリのドアが開いた。
乗り込んで来たのはさっきの男だ。
ゴーグルを外したその顔はやはり見間違えではなくルパンにそっくりだった。
最近、ルパンの名を語り仕事をするものが多い。なぜかルパンはそれを黙認しているが、この男もそういう男のひとりなんだろう。
だが。
と五右エ門は男の目をみて眉を潜めた。
見た目はそっくりなのに醸し出す雰囲気が、特に目の色がまったく違う。
これはまるで気狂いの一歩手前だ、と五右エ門は心の中で思った。

男は五右エ門が目を覚ましたことに気がついて、ニヤニヤしながら近づいてきた。
「あんた、知ってるよ、ルパンの仲間の石川五右エ門だよな」
五右エ門の肩を蹴り仰向けに転がすと、真上から顔を覗き込んできた。
「ふーん、間近でみると結構美人じゃん」 
ヒャーハハッと続く笑い声には品も理性も感じられなく、五右エ門は嫌悪で微かに顔を歪めた。
合わせ目を両手で掴まれて、一瞬殴られるのかと五右エ門は身構えた。
しかし拳は降ってこず、代わりに着物の前をぐいと肌蹴られる。
「!?」
縄でしっかりと縛りあげられているから脱がされることはなかったが、肩と胸があらわになる。
「すっげー、真っ白で綺麗な肌じゃん。女みてぇ」
女みたいと言われて五右エ門はムッとするが男は気にせず肌を撫で回し、なにかに気がついたような表情を浮かべた。
「あっ、あんたもしかしてやつらの女?」
かけられた言葉の意味がわからず、五右エ門は肌を弄られる嫌悪感を一瞬忘れる。
この体のどこをみれば女だという結論が導き出されるのかわからない。
「女の代わりには充分なりそうだよな」
そう言うと、男は下品な笑いを浮かべたまま五右エ門の体に圧し掛かり、胸元へ顔を落とした。
「!?」
五右エ門の体が大きく跳ね上がる。
べろりと乳輪ごと舐められたと知覚した次の瞬間には咥えられた。
「や、やめろっ!」
信じられない行為に、五右エ門は暴れるが上から圧し掛かる男は微動だにしない。
まるで女にするように、まるで赤子が母の乳をはむように、男は五右エ門の乳首に吸い付く。
根元を歯で噛みながら、先端を舌ぜんたいでベロベロと舐める。
くちゅくちゅと音を立て嘗め回しては、痛いくらいに吸引することを繰り返す。
胸が男の唾液で濡れ体を伝い落ちていく感覚に五右エ門は全身に鳥肌を立てた。
「うめぇ。やっぱりやつらにもやられちゃってるんだろ?ヒヒヒッ」
乳首から口を離し、いたぶるような下世話な言葉を投げかけると、再び胸や首筋に吸い付いてくる。
吸い付いて痕をつけては、唾液を滴らせ舐めながら移動し、また吸い付く、ということを繰り返す。
男の言う「やつら」というのがルパンと次元をさしていることは疑いようがない。
男は五右エ門に辱めを与えながら、ルパン達の慰めものになっているのだろう、と言っているのだ。
耐え難い屈辱に体が震える。
だが、縛られ自由のきかない体を更に押さえつけられて組み伏せられ抵抗ができない。
声を出せば、男の劣情にますます油を注ぎかねないと五右エ門は唇を噛んで耐えた。
這い回る男の舌が手が、気持ち悪くて吐きそうだ。
快感などまったく感じない体は悪寒に震え、全身鳥肌が立つ。
そんな五右エ門の状態に気がついた男が顔をあげ、真正面から顔を覗き込んできた。
「ノリが悪りいなぁ。鳥肌なんて立ててないでよ、ここをおったてろよ!」
少し不機嫌そうな声色で、だがニヤケタ表情を浮かべ、男は五右エ門の股間を片手で握り込んだ。
「う、あっ!?」
体を貫く痛みに、抑えていた声が漏れる。
「いい表情だぜぇ。もっと啼けよ、ヒヒ」
ぐにぐにと乱暴に揉まれて苦痛にもがく五右エ門を男は楽しげに見つめる。
「俺はさ、ルパンになりたかったんだ」
今までの甲高かった声が嘘だったかのように、男は低い声で話はじめた。
刺激に耐えながら男の顔をみると、そこにはルパンがいた。
狂気もなにもなく、ただひたすら何かを求める、高みを求めて自由に生きようとする男の顔だった。
「だけど無理だった。俺はルパンにはなれねぇ。それがよくわかった。無駄な夢を見ちまったぜ」
男の豹変に五右エ門は戸惑う。
未だ五右エ門を抑え付け股間を揉みしごいているが、男の目には正気の色があった。
今なら話が通じるかもしれない。
とにかくやめさせなければ。
咄嗟に五右エ門はそう思い、口を開こうとした。
が。
「だけどよ、あいつのものを一個でも盗めたらそりゃもうけもんだぜーーー!」
男は仰け反り甲高い声で叫ぶと、五右エ門の開いた唇に喰らいついた。
「んん!?」
無防備に開いた口の中に男の唾液と舌が入り込んでくる。
今まで以上の嫌悪感に五右エ門が必死に暴れると、油断していたのか男の体は跳ね、ズルリと横に滑った。
男の手からようやく逃れた五右エ門が荒い息を吐きながら顔をあげると、男はゆらりと立ち上がりニヤリと笑った。
「じっくり可愛がってやるからよぉ。いつもあいつらにヤられてるときみたいに善がり狂え」
前のボタンをはずし男は上着を脱ぐ。
そしてズボンのホックをはずしジジジとゆっくりとチャックを下ろした。
どうやって逃げるか必死に算段を練っている五右エ門に、男がゲヒた笑いを浮かべゆっくりと近づいてくる。
そのとき。
ピーピーピーと警告音が鳴り響いた。
ヘリの中ではない、外からだ。
男は急いで無線に飛びつきスイッチを入れると、出撃を指示する命令が響き渡った。
「お楽しみは後からだ」
男は服を着込み、五右エ門に猿轡を噛ませてヘリの奥へ押し込めると操縦席に座った。
その背中をみながら五右エ門はほっと一息つき、硬直した体から力を抜いた。
きっと、ルパンや次元が侵入したのだろう。助かったと心底思う。
当面は貞操の危機から間逃れたようだ。
命の危機より性質が悪いとぶるりと身を震わせながらも、一瞬正気に戻った男の目が忘れられない。
だが、いまは自由になることが最優先だ、と五右エ門は頭を振り雑念を払いながら固い縄の結び目をときはじめた。
 
 
 
 
 

■SONOATOKAGOEHA■
   

    
 
 
   
 ■あとがき■
『そのとき彼は』『そのあと彼らは』の補足的な話です。
ルパンモドキに捕まってしまった五右エ門ですが
OVAを観た方にはおわかりのようにもの凄いセクシーでした!
あんな姿を前にしてナニもしないはずないよネ!?
という腐れ妄想の結果がコレです。

あまりエロくはないですけど
相手が次元じゃないので隠してみました。
実は管理人は大のジゲゴエスキーですが
基本は五右エ門総受け思考なので・・・
すみません♪

ちなみに男は言ったことは半分だけ当たってます。
日頃から次元にヤられてヨガってる五右エ門なのです。
ルパンは却下。<結局ジゲゴエスキー

 
 

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