■必需品■
 
 
 
 

意外と手こずった大仕事を成功させて、みんな機嫌が良かった。
ルパンはお宝を持ってホクホクと出かけていったが、きちんと三等分した自分の取り分をどうしようがそれは本人の勝手。
好きに騙されてればいいさ、と自分たちに被害が及ばない今回は相棒ふたりはルパンの行動に口をはさまない。
夜も更けたが仕事の高揚感が残っていて眠れそうもない五右エ門は、自室でひとりゆっくりと日本酒を傾けていた。
コン
「いいか」
一回ノックされるのと声がかかるのは同時だった。
気配から五右エ門が起きていることは次元にはお見通しだ。
「ああ」
小さく答えるとすぐにドアが開いた。
さっきまでは機嫌がよさそうにしていたのに、今の次元は眉間に皺を寄せている。
「どうした?」
「ちょっとこれをみてくれ」
五右エ門の真ん前にドカリと胡坐をかきながら、次元は間にバサリと写真の束を放り投げやった。
「なんだ、これは?」
「せっかくの機会だったから撮ってみたんだけどよ」
出来が悪かったのか不満そうに次元は口を尖らした。
なにが写っているのか。
五右エ門は酒を横に置いて写真の束を手にとる。
そして、ビキリと固まった。
「今回の仕事でおまえに変装したからさ」
1枚指で挟みヒラヒラさせながら次元はハァーと息を吐き出す。
その溜息を聞きながら、溜息をつきたいのは拙者の方だと心の中で五右エ門は突っ込んだ。
口に出して言わないのはショックが大きくて口が動かないからだ。
「やっぱ本物じゃないと駄目だわ。ぜんぜん色気ってもんがない」
なんだそれは。そんなものはいらん!!とまた心の中で五右エ門は突っ込む。
「で、ものは相談なんだけどよ」
大きなショックをとりあえず通り抜けた五右エ門の硬直した体に少しずつ自由が戻ってくる。
指先がピクピクとふるえだす。
「おまえ、被写体になってくんね?」
次元の愚かとしか言えない言葉に五右エ門の堪忍袋の尾が切れた。
五右エ門自身、自分のコメカミの血管が切れる音が確かに聞こえた。
「だれがそんなことをするかーーーーーーーーーー!!!!!」
斬鉄剣を抜刀した五右エ門が次元に切りつける中、次元扮する五右エ門のイヤーンな姿が写った沢山の写真が空に舞う。
「修行に何ヶ月も行っているお前を待つ俺の身にもなれ!!」
素早い動きで白刃から逃れた次元が抗議するように叫ぶ。
だが、五右エ門も負けてはいられない。
「そんな写真を何に使うつもりだ!?」
「言わねぇでもわかってんだろーが!ナニだよ、ナニ!」



仕事が大成功だったその夜、疲れた体を休める暇もなくはじまった次元と五右エ門の痴話げんかは、不二子にしてやられたルパンがしょんぼりと帰宅するまで続けられたのだった。

 
 
 
 
 

■HITSUJUHIN■
   

    
 
 
   
 ■あとがき■

『悪戯』の後日談。
次元がいつも以上にオバカさんになっております。
ゴメンなさい(^^)

私としては次元扮する五右エ門写真でも
イヤーンな写真なら是非とも欲しいです♪



 
 
 

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