■クレイジー・セックス■
 
 
 
 

ベットの上で絡み合う躯。
よつんばいで高く掲げられた尻を後ろから貫かれ、うつ伏せになった男はシーツを握り締め絶え間なく喘いでいる。
既に躯には力が入っておらず、崩れ落ちずにいるのは深く突き刺さった男根と腰を支える腕の力によるものだった。
グチュグチュといういやらしい水音。
本来濡れるはずのない場所は何度も注がれた精液でまるで女のように濡れて滴らせていた。
荒い息の合間、ようやく五右エ門は言葉を紡いだ。
「そ、そんな・・・に激しくするなッ・・・もっ・・・とゆっ・・・くり!」
切羽詰った懇願の色を載せた声。
シーツに押し付けられた、息も絶え絶えといった横顔を次元は目を細めてみつめる。
「たの・・・む」
「なんで」
根元までグッサリと突き刺しては引き抜くといった動きを続けながら、次元は問いかけた。
こんな気持ちがいいことをそうそうやめる気はない。
絡みつく内襞は抜くときも貫くときも男根に蠕動を与え、強烈な快感を与えてくれる。
何度イッってもすぐに勃起してしまうほどの気持ちよさだ。
「じげっ、」
名を呼ぶ声は泣き声に近い。
日頃、ストイックで滅多なことで動じることのない冷静な侍が身悶え弱弱しく懇願する姿は、征服欲を刺激しもっと貶めたいという気持ちを湧き上がらせるなんて五右エ門は知らないのだろう。
「だからなんでだよ、理由をいえよ」
腰を回転させながら捻り貫くように突き上げる。
声にならない嬌声を発して、白い背中が反りあがった。
休みなく続く交わりに五右エ門の躯が限界に近いことを次元は気がついていた。
だが、そう簡単にやめるつもりはない。
まあ、五右エ門がいつもなら絶対言わないようないやらしい言葉を吐くのなら別だが。
それを聞けるのなら、引き換えにこの快楽をそろそろ手放してやってもいい。
「・・・」
だが、唇を噛み締めた五右エ門は答えない。
あの時代がかった言葉しか吐かない唇が淫語を紡いだらと想像して、背筋にゾクゾクとした快感が駆け上がるのを次元は感じた。
「理由を言えねえのなら、その頼みは聞けねえな」
抜ける寸前まで引き抜き、すぐに全体重をかけて突き上げる。
パンと肌が打ち合う音がして、組み敷いた躯がシーツに皺を寄せながらずりあがった。
「くはっ」
シーツを握る手に力が入る。
指先は血の気を失って真っ白になっているのをみると相当握り締めているのだろう。
遠慮なくズンズンと突き上げる。
亀頭が最奥を突く度に壁にぶちあたるような衝撃が次元の躯に戻ってくる。
この刺激がまた堪らない。
同じ衝撃はきっと五右エ門の躯も脳天まで貫いているはずだ。
「気持ち・・・いいだろ?」
躯がずりあがらないように、突き上げの衝撃をすべて尻で受け止めるようにと、腰をがっちり固定して何度も何度も突き上げる。
泡だった精液を溢れさせながら男根に犯されている後門は限界まで押し広げられて襞がすっかりとなくなっている。
こんな小さな孔なのに限界まで口を広げ男根を咥え込む。
その様子を眺めながら、咥え込まれているのが自分の男根であることを今更ながら自覚し、どうしようもないほどの興奮を覚えた。
その興奮が腰の動きに比例する。
リズミカルだった動きが、予想不可能なほどの乱打に変わる。
五右エ門がとうとう悲鳴をあげた。
「や、めっ!!」
完全に泣き声だ。髪を振り乱して頭を横に振り続ける。
腰が弱弱しく逃げようとするが、弛緩した躯に逃げる力は残っていない。
「だからなんでだよ」
「・・・あ、頭がっ・・・おかしくなる!!!」
その言葉がズンとした重みを持って次元の腰にキタ。
思ったようないやらしい淫語ではなかった。だが、それ以上に興奮する、頭の血が沸き立つような言葉だった。
さっきまで五右エ門の言葉と引き換えにそろそろセックスをやめてやってもいいと思っていたことなど、すっかり頭の中から消え去ってしまった。
願い通りに次元の動きが止まり、五右エ門は荒い息の中、ホっとして躯中の力を弱めた。
そんな素直な反応をみて次元の顔に深い笑みが広がる。
「そんなこと言われたら」
なんで、わからないんだろうなぁ、こいつは。ホント、可愛い奴だよ。
言葉に出さない代わりに汗に塗れた背筋を指先でなぞり、軽く尻を撫でる。
再び腰を掴み弛緩した躯を引き寄せると、次元はゆっくりと掻き回しはじめた。
ピクンと白い躯が震える。
再び動きだしたとはいえ望みとおりのゆっくりしたそれに五右エ門は安心したように次元に身を任せた。
だが、続いて来た衝撃に目を見張り仰け反る。
「やめられるはずねぇじゃないか。ホラ、狂っちまえ。オレのマラでよ」
今まで以上に激しく深い突き上げ。
擦りあげるスピードもさっきとは比にならないほどの早さ。
「アアア!!」
喉の奥から悲鳴が迸る。
それは苦痛ではなく淫らな快感の色に染まった声色だった。
突き上げる度に、細腰を思いっきり引き寄せ結合を深くする。
貫き、貫かれる衝撃と摩擦は今までにないほどのものだ。
狂ったように悶える五右エ門の躯が痙攣するが、構わず力強い動きで揺さぶり続ける。
乱れる髪が汗に塗れた躯に張り付いているのが、ひどく淫らにみえて興奮する。
喘ぎのために開かれっぱなしの唇から唾液が流れ落ちる様はますます次元の情欲を煽った。
「最高の・・・褒め言葉ありがとうよ」
乱れろ、啼け、そして狂え。
俺とのセックスで頭をおかしくして俺の下で悶え狂えばいい。


既に自分が白い躯に、五右エ門とのセックスに気を狂わされていることに次元は気がつかないまま、
息を荒げ快感に呻きながら、組み敷いた男を貪欲に貪り続けた。

 
 
 
 
 

■CRAZY SEX■
   

    
 
 
   
 ■あとがき■
ただヤってるだけーv

ちなみに題名はコッチが正しいです。
更新履歴やノベルトップにそのものズバリ!書くのは躊躇いがあったので
そっちには「ラヴ」を使いましたが
この話の内容はラヴじゃなくセッ○スだろ?
と思ったので、この頁だけ正しい題名にしてみたのでした(笑)


 

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