■夢十夜 〜第二夜〜■
 
 
 

 
「五右エ門」
呼ばれて目をあけると目の前に次元の顔。
あまりにも近すぎて驚くが、逃げるのもおかしいかと五右エ門は動かず見つめ返した。
次元はそんな様子をみて、クククと愉しそうに笑うが躯は引かない。
瞑想中で思考がとんだのか、今どこにいてこんな状況になっているかわからない。
目で周りをチラリとみてここがアジトであることを思い出した。
古びたソファーのうえ、手には斬鉄剣を握り胡坐をかいている。
次元はにじりよるように躯を摺り寄せていた。
「なんだ?」
微動だにせず問うと、次元はまた喉の奥でおかしそうに笑う。
返事をせず笑うだけの男に五右エ門は少し苛苛して睨みつけた。
「聞いてはいたがちゃんとお前のままだな」
「?」
言っている意味がわからない。
次元が手を振るといつの間に彼の手に移っていたのか、斬鉄剣は投げられ空をきり次元の背後、遠くへと落ちた。
五右エ門は驚き手を伸ばし腰を浮かすが、意思に反して躯は後ろへと倒れた。
見上げると次元が覆いかぶさっている。
「なにをするっ」
怒りを含んだ声で非難するが、すぐに声を封じられた。
次元の唇によって。
思考が止まる。なにが起こったのか理解できない。
硬直した躯を全体重をかけて押さえ込んだ次元が、五右エ門の顎をつかみ強制的に口を開かせた。
ぬるりとした熱く太い塊が侵入する。
苦い煙草の味が広がる。
閉じることが出来ない口内を好き勝手に動きまわりはじめる。
手で躯を押しかえそうとしてもウエイトの差と押さえ込みのポイントを抑えているのかびくりとも動かない。
歯列を、口蓋を舐められ、舌が絡んでくる。
ビリビリとした感覚。
流し込まれる唾液が気持ちが悪い。
ふたり分の唾液が溢れて唇の端から流れ落ちていく感触。
舐められ吸われ甘噛みされて、巧みな動きに五右エ門の意識は霞む。
躯が感覚が次元に引きずられていく。
新鮮な空気が流れ込むのを感じて、ようやく唇が離れたことに気がついた。
息は荒く、視界がぼんやりとしている。
唇の端を拭われて、指先の力強さにはっと五右エ門の意識が覚醒した。
目の前には満足気な男の顔。
「思った以上に色っぽいな」
そう言われてカッと頭に血がのぼる。
「なにを考えているのだおぬし!!」
 
 
 
叫んだその声で五右エ門は目を覚ました。
 
 
 
 
 

■YUMEJUUYA-DAINIYA-■
   

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