■無自覚の獣■
 
 
 
 

 
やりてぇ
特別な理由はない。ただそう思うだけだ。
単なる興味なのか、ただの肉欲なのか。
自分でもよくわからないが抑えきれない衝動が突然湧きあがる。
清廉な気を放つ孤高の剣士。
あの男を組み敷いて貫いて、乱れるさまを堪能したい。
征服欲、肉欲、獣欲。
この感情と衝動になんという名をつければいいかわからない。

体毛は薄い。
肌は白く木目細やかだ。
髪は細くも軟らかくもはないがサラサラとしている。
スッと伸びた柳眉。
切れ長の目、それを縁取る長い睫。
薄くて形のよい唇。

こう並べるとまるで女のようだが、あいつは女的ではない。

刺さりそうなほど鋭い眼差し。
少し低めの声。
骨ばった手と長い指。
細身だが鍛えられた筋肉でおおわれた堅い躯。
身長も数センチであるが俺よりも高い。

どこをとっても男なのにどうしたわけかどの要素も俺に欲望を湧き上がらせる。
俺にヤられて泣き喚くあいつの姿がみたい。

苦痛や快楽にゆがむ顔。
喘ぐ声。
揺さぶられ仰け反る肢体。
汗と精液にまみれた躯。
白い肌には赤いキスマークがきっと映えるだろう。

ふたりきりでいるときは帽子の下からこっそり眺めながらいつの間にかそんなことを考えている。

突然襲い掛かって。
着物を破り捨てて。
白い両足を抱え上げ。
やつの中に俺のモノをぶち込む。
突いて揺すって掻き混ぜて。
奥の奥に精液を吐き出したい。

なぜだ。
俺はなんであいつをみるとどうしようもなく犯したくなるんだ。
やつは男で大切な仲間だ。
命を預けて命を預かって共に駆け抜ける大事な相棒なのに。
なんでこんな感情を抱くのか。
なんでこんなに躯が昂るのか。
わからない、全然わからない。

獣のようにあいつを貪る妄想。
我に返って自己嫌悪して気持ちも気分も悪くなるのに、何度も同じことを繰り返す。
欲望が妄想が止まらない。
このままでは現実と妄想の区別がつかなくなってしまいそうで怖い。
そう思うのに。
妄想が現実になったとき。
あいつの声は甘いだろうか。
あいつの躯は具合がいいだろうか。
あいつは俺の愛撫でソソリ立たせイクだろうか。
そんなことを考えて、また自己嫌悪に陥る。

単なる興味なのか、ただの肉欲なのか。
本当にわからない。
どうすればこの獣のような欲から逃げられるのだろう。
一度でも抱けば満足してこの衝動から開放されるのだろうか。

やりてぇ
あいつをやりてぇ

特別な理由はない。ただそう思うだけ。
この感情と衝動になんという名をつければいいかわからない。
 
 
 
 
 

■MUJIKAKUNOKEMONO■
   

    
 
 
   
 ■あとがき■
五右エ門を好きな次元。
でも男は恋愛対象じゃないので気がつかない、自覚できない。
心より躯が反応してしまい、意味がわからず戸惑いまくり。
って、感じ。(笑)
 
 
 
 

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