【注意】
 
ルパン三世yの23話『強い女はルパンを招く』より。
ネタバレあり。というか、アジトネタ一部捏造。

 
 
 
 

 
 
■杉の湯へようこそ■
 
 
 
 

 
日本の某県の某町の某銭湯。
此処は数あるルパンのアジトのひとつである。

いつ敵襲があるかわからないヤクザな商売をしているルパンにとってこのアジトはなかなか都合が良かった。
銭湯の客ということは普通目的は風呂である。
風呂に入るからには裸にならなければならない。
裸なら余計な武器など持つことは出来ない。
そんなもの持っていたら私は敵ですよ、と自ら宣言しているようなものだ。
かといって銭湯なのにいつまでも服を着たまま徘徊すればこれまた怪しさ倍増だ。
入り口、脱衣所、浴室内。
すべてにこっそりと隠しカメラをしかけているから客すべてをモニターで確認することができる。
アジトとしてこんなに条件の良い場所はないもんだ、とルパンは思うのだ。
「なに言ってるんだ、ただ単に女の裸を覗き見したいだけのお前の趣味だろうが」
と口の悪い相棒のひとりは言うが、まあそれは否定しない。
侵入者も見つけやすい、おまけにボヨヨンちゃんたちの裸も見放題とくれば一石二鳥の最高のアジトなのだ。

アジト自体は銭湯の地下にある。
脱衣所にあるトイレに入り、レバーを大1回小3回に続けて捻ればトイレごと地下に運ばれるといった仕組みだ。
入り口は女性用トイレと男性用トイレのふたつ。
自分達だけなら男性用だけで良かったのだが、不二子のために女性用トイレからも地下に降りられるようにした。
愛する不二子のための心遣いである。
それなのに。
「じゃーねvルパンvv」と不二子が去ったあとモニターから流れてきたのは。
『うわーー』
『女だー!』
『えーん、見られたーお母さーん』
『見たくないわよ、そんなの!!』
という叫び。
美女の登場に慌てる裸の男どもと痴女扱いされて憮然とする不二子の姿。
「不二子ちゃんったら、出口間違えたのね」
パニックる男どもと正々堂々と出て行く不二子をみて、ルパンはフヒヒと笑った。

だから、その数日後。
ルパンはちょーっとした悪戯心を出した。
次元と五右エ門がアジトから銭湯の男性用トイレに戻るとき、ボタンをぽちっと押したのだ。
クールなガンマンと言われている次元と。
腕は立つが女にてんで弱い五右エ門。
このふたりが女用脱衣所に出たらさてどうするのか。
男湯にでた不二子は見事なくらい正々堂々としていた。流石男を手玉にとりまくる女である。
あっぱれ、ある意味漢らしいと言ってもいいくらいだ。
で、やつらならどうなる?
ホンの悪戯心、そんな気まぐれで次元と五右エ門は女湯に送り込まれたのだった。

『キャーーー!!』
『いやー男よ男ー!!ヒゲよヒゲ!!』
『チカンよー』
ふたりに気がついた裸の女達は体を隠しながらもあらん限りの声で叫んだ。
『ご、誤解でござる』
『五右エ門逃げろっ』
慌てふためくふたりの様子にルパンはウヒヒと笑い出す。
目元を腕で覆って顔を逸らし女体から視線をはずす五右エ門の顔は真っ赤だ。
次元も両手で投げられてくる物をブロックしながら焦っりまくっている。
予想どおりといえば予想どおりだが、だからといって面白くないわけではない。
あとはふたりが脱兎の如く逃げ出す姿を拝見するだけなのだが。
女というものは痴漢に容赦ないというか、集団になるとそれなりの力を持つ。
モップを持って入り口近くを固める勇気のある女も登場だ。
果たしてこいつらここから無事に逃げ出すことができるのか?
ルパンがニヤニヤとしながらモニターをみつめていると。
『待って!!』
甲高い女の大きな声が響いた。
逃げようとしているふたりを止めたのではない。
叫び攻撃を仕掛ける女たちを止める声だった。
タオルを体に巻いたひとりの女が、ずいと女達と男達の間に立った。
『貴方達気持はわかるけど場所を選ばなければいけないわ』
聖母の微笑みである。
その微笑も言葉もやぱり女達でなく男達に向けられている。
ポカンとした女達。それ以上にポカンとした間抜け顔を晒している男達。
『どういうこと?』
ことの展開が理解できずざわめきだす女達の耳元になにやら囁く数人の女。
どうも止めに入った女の友達らしい。
『まあ!』
『いや、そんなっ』
『そうなの?』
『だってそうとしか・・・』
『そういえば、そうよね』
『ふたり一緒なんて不自然よ。そう考えれば確かに』
『いやん、はじめて見ちゃった』
『ということは、和服を着た方が・・・ふふ』
ザワザワと囁く声が広がり、最後には女達の顔はすべて好奇と自愛に満ちた表情に変わった。
『なんだ?』
『どういうことでござる?』
ふたりが顔を近づけてヒソヒソと囁きあうと、キャーーという黄色い悲鳴が響き渡る。
吃驚してお互いの腕を掴み、体を寄せるとまたまた悲鳴が響く。
『これ使って』
ひとりの女が進み出て、なにやらチケットのようなものを差し出した。
状況についていけない次元が恐る恐るそれを受け取る。
『割引券なの。ここは全自動制で誰もいないから・・・男同士でも入れると思うわ』
キャッと顔を覆い走りさる女を見つめたままの次元は未だにわかっていない。
『トイレなんか駄目よ。ちゃんとしたところで・・・ね?』
そう言うとふたりの背を出入り口の方へと押した。
逃がすまいとそこに立っていたはずの女があっさりと扉をあける。
『狭い方が燃えるのかもv』
『いつ人が来るかわからない、シチュエーションとか?』
ヒソヒソ、キャッキャとはしゃぐ女達を背に、次元と五右エ門は扉の外に押し出された。


フヒャーヒャッヒャ!!!
誰よりいち早く女達の言動の意味に気がついたルパンが腹を抱えて笑い転げる。
バンバンッ!
「いやぁ、いいねぇ!サイコーー!!」
手が痛くなるくらい机を叩きながら狂ったように笑い続けるルパンの目に外で佇むふたりの男の姿が映る。
五右エ門は未だ状況を把握できていないようでポカンとしているが、流石に次元は気がついたようだ。
『なっ、なっ』
顔を真っ赤にして、手にした割引券をブルブルと握り締めている。
『どういうことだ・・・次元?』
覗き込んでくる五右エ門をみつめて次元はガックリと肩を落とした。
『ひでぇ、冗談だ・・・』
小さな声だったが高性能の集音機は次元の声をきっちりとルパンに届けた。
五右エ門はよく聞き取れなかったのか首を傾げている。

「どー説明すんのかな、次元ちゃんは♪」
期待を込めた目でルパンはモニターごしのふたりをみつめる。
トイレの個室に篭っていた男ふたり。
痴漢というレッテルを外してまで彼女たちが妄想したこと。
それを五右エ門にどう説明するのか。
どんな誤解を受けたか知れば羞恥のあまり切腹しかねない男である。
『いや、俺もよくわかんねぇ』
次元は帽子のツバを軽くさげながら弱弱しく呟いた。
『なんだったのだ』
『とにかく痴漢の疑いが解けたことは間違えねぇよ』
『そう・・・なのか?』
『そうなんだよ』
まだ納得いかない表情の五右エ門だったが、あらぬ疑いが解けたらしいということと、女湯から無事脱出できたことで安心したらしい。
よくわからないという次元をそれ以上問いただすことはなかった。
『さて、行くか』
『ああ』
『ま、せっかくの好意だから使わねぇとな』
次元が手の中の割引券をクシャっとポケットに捻じ込みニヤリと笑う。
『なんだ?』
『まあ、いいじゃねぇか。夜は長いし楽しまねぇと』
『なに言っておる。酒なんぞ飲んでいる場合か。仕事の準備をせねばなるまい』
『大丈夫だって!一日くらい延びたところでなーんも問題ねぇよ』
五右エ門の肩を組み、銭湯に背を向けて繁華街の方へ歩きだす。
わけのわからぬままだが五右エ門は素直に次元と共に歩き出した。

「えー!?なになに!?シケ込んじゃうわけーー!?」

転んでもただでは起きない男、次元大介。
棚からぼた餅とばかり、恋人と熱い夜を過ごすべく紹介されたホテルに五右エ門をいざなう。
当の五右エ門はよくわかってないらしいが、結局最後には次元の希望通りになるだろう。

「なんだよ、それーー!!」

アジトで寂しいひとり寝を強いられているルパンは、楽しさ一転。
悔しさにキイィと地団駄を踏んだのだった。
 
 
 
 
 

■SUGINOYUHEYOUKOSO■
   

    
 
 
   
 ■あとがき■
Yル23話『強い女はルパンを招く』
アジトネタを一部改ざん(笑)
 
女湯とはいえ男ふたりが一緒にトイレから出てくる姿に萌え。
イヤン、トイレで男ふたり何ヤってたのーーーvv
と思う、腐女子はどこにもいると思います♪
・・・少なくともココにひとり(^^;)
 
 
 
 

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