■触れてもいい?■


しんしんと降り続ける雪。
雪に覆われた外は静まり返ってなにひとつ音を立てない。
ときどき屋根や枝に積もった雪がばさりと落ちる音がするだけ。
窓辺に座り外を眺めるフロドの体がブルリと震える。
夜も更け暖炉の火も弱まり、外気が冷たさを携えて家の中に忍び込んでくる。

「フロド」

呼ばれて振り向くと優しい笑みを浮かべたエルフがいつの間にか側に立っていた。
足音もなく気配もなく。
まるで初めからずっとそこにいたような錯覚を覚える。

「寒くない?」
「・・・少し」

指先がひんやりとしているのがわかる。
足元も少しづつ冷え始めている。

「ね、触れてもいい?」

レゴラスの問いかけに、ほんのりと頬を染めてフロドは頷いた。
大きな掌に両手を包まれる。
じんわりとした温かさが伝わってくるような気がする。
一定の体温を保つエルフの体は年中ひんやりとしているから、フロドの冷えた体を温めきるほどのではない。
ちょっと考えたあとレゴラスは、ヒョイと軽い体を持ち上げて抱きしめたまま自分が窓辺に座った。

「これなら少しは温かいよね」

背後から覆いかぶさるように抱き込まれて暖かさを感じる。
元々エルフよりホビットの方が体温が高い。
ぽかぽかとしてくるはずはないのだけど、あることに気がついたフロドの体温が一気に上昇した。
カッと顔も体も焼けるように熱くなる。
耳まで赤くしたフロドの横顔をみて、レゴラスがクスリと笑った。

「な、なんで・・・」
「だって窓辺に座るフロドがすごく綺麗で色っぽかったから」
「なっ」

顔を少しあげてジロリとレゴラスを睨みつける。
綺麗だの色っぽいの、男の自分にそんな形容をされちょっとムカッときたのだったが、意味ありげにニッコリと微笑まれて、ドキンとフロドの胸が鳴った。
レゴラスの方が「綺麗」で「色っぽい」。
男のレゴラスにそう思った自分はもう怒る資格はないのだと、フロドが顔を反らすと、レゴラスが誇示するように腰を摺り寄せてきた。

「!!」

双丘に当たる大きく堅い感触。
覚えこまされた、それに貫かれる感覚が体中に沸き起こり、フロドはまたブルリと体を震わせた。
寒さからではないその震えにレゴラスはすぐ気づき、掌をそろりと腕の中の体に這わし始める。
もどかしいほどのゆっくりとした優しい愛撫が続く。
思わずねだるようにフロドが体をくねらせると、すらりとした指先が服のボタンにかかった。

「ねぇ、直接触れても・・・いい?」

コクりと頷くフロドは首まで紅く染まっていて、レゴラスの劣情を益々誘った。
服のボタンを外し胸を掌で撫でる。
指先で尖った乳首を摘むと「あぁ」と小さい喘ぎ声がする。
スボンの上から股間に触れて既に大きく膨らんでいるのを確認したレゴラスの
「体の中も外も・・・全部触れてもいいよね?」
という欲情の篭った甘い囁きに、フロドはコクコクと小さく頷いた。

 
 
 

 

   
  
 ■あとがき■
クリスマスっぽいのを書こう!!
と思って書き始めたのに・・・
なぜかレゴラスがただのセクハラエルフになってしまった。
クリスマス台無し!(笑)


   

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