■恋人の証明(8)■
 
 
 
勃起する性器をフロドの小さな手が優しく包み込んだ。
輪郭をなぞり下から上へと擦りあげる。
先走りが溢れヌルヌルとてかるソレを愛し気にみつめたあと、フロドはそっとその先端に口付けた。

「ぁっ」

驚きと快感を含むレゴラスの甘い声。
その声を聞いてフロドの背筋にゾクゾクとした快感が走った。
自分の行為がレゴラスに快楽を与えているのだ。

先端に捻じ込むように舌で先端を舐める。
溢れる先走りの苦味が甘い。

「フ、ロドッ」

吐息で名を呼ばれチラリと視線をあげると、上半身を起こしたレゴラスがフロドをみつめていた。
その美貌は驚きの表情を乗せていたがそれ以上に欲情に染まっている。

レゴラスの反応をみながら、舌を這わす。
括れをなぞり裏筋を舐め上げると、ビクリと性器が震え硬さを増した。
拙い愛撫にも敏感に反応してくれるソレが愛しく、嬉しい。

口をあけると躊躇いなく喉の奥まで性器を咥えこんだ。
余りの大きさに苦しさを感じるが気にならない。
スッポリと収まった性器を舌先で愛撫することは無理だった。
舌を動かすだけの空間が口内にはないのだ。

それならば、とフロドは頭を前後に動かし始めた。

レゴラスの先走りとフロドの唾液がグチュグチュと嫌らしい水音を立てる。
勃起した性器がフロドの口を出入りしている。
下半身への快感と、目に映るフロドの行為。
それはレゴラスの理性を溶かすのに充分だった。

「ん、っ」

自然に腰が揺れる。
もっと滅茶苦茶に腰を突き上げたい衝動がレゴラスを襲うが、フロドからの愛撫に身を委ねる。
拙いと言っていい口淫。
だがそれは今まで感じたどんな快楽も凌駕するほど深い快感をレゴラスに与えた。

先端は熱い口内に迎えられ。
茎や根元、袋にまで小さな手や指先が刺激を与えてくる。

亀頭はキュッキュと吸引されている。
先走りと唾液で濡れた茎を遅く早く上下に擦りあげられる。
ずっしりとした袋も手中に収め柔やわと揉まれる。
股間のすべてをフロドに愛され痺れるような快感が躯全体に広がっていく。

精液が込み上げてくる。
出口を求めて躯中を快楽が駆け巡る。
フロドの中に、すべてを注ぎ込みたい。
そんな野生の欲望を果たすべく、レゴラスは股間で揺れる黒髪に指を絡めて引き寄せた。
先端が狭い喉を突く。
ズンという衝撃は全身を縦に貫き、脳天で弾けた。
同時に性器も弾け射精をはじめる。

フロドは口内に注がれる精液を戸惑うことなく嚥下した。
喉を通って胃に流れ込む感覚に夢中になる。
レゴラスの快楽の証、それも自分の与えた愛撫によって得たもの。
それを体内に取り込むことが嬉しく同時に躯が昂ぶってくる。

一滴残らず飲み干すと、フロドは名残惜しそうに性器から口を離した。




唇の端から垂れる精液の混じる唾液。
上気した肌はピンク色に染まり、蒼い瞳はトロンとして半分閉じられている。
だが、その表情は彩かしく欲情と満足に染まった笑みを浮かべていた。

「フロド」

たまらなくなったレゴラスは腕を伸ばすとフロドを引き寄せた。
小さい躯はぐらりと傾いてレゴラスの胸の中へ倒れ込む。

「あっ」

倒れた衝撃で我にかえったのか、フロドが小さく叫んだ。
ぐるりと体勢を入れ替えて覆いかぶさりながらフロドの顔を覗き込む。
大きく見開いた蒼い瞳は驚きの色を乗せていた。
だが次の瞬間、顔は真赤に染まった。
改めて自分のした行為に驚き、そして羞恥に襲われたのだろう。
そんなフロドが心底愛らしく可愛いと思う。

「フロド」

甘く囁くレゴラスの声にフロドはギュッと瞳を閉じた。
その瞼に優しい唇が降りる。
頬や額、顔のあらゆるところに口付けの雨が降る。
最後に啄ばむように唇に口付けられて、フロドはおずおずと瞳を開いた。

目の前にあるのは幸せそうな満面の笑みを浮かべた美貌。
その美しさにフロドはついみとれてしまった。

「凄く嬉しいよ、フロド」

さっきまでは恥かしいだけだったのに。
レゴラスの顔と言葉を聞いて、嬉しさと喜びが込み上げてくる。
両手を伸ばしレゴラスの首に廻すとギュッとしがみついた。
応えるようにレゴラスも抱き返す。

「愛してるよ、フロド」
「僕も心から愛しています」

愛しい人の感触と香り、そして甘い声。
それは再び躯を昂ぶらせるのに充分なものだった。

どちらとも知れず、互いの躯に手を伸ばしゆっくりとその肌を愛しはじめる。
今このときに繋がり会えないのが心底残念だった。

「次・・・には、必ず」
「うん、苦しませないように・・・特製の媚薬を用意しておくよ」

くすくす、と笑い合いながら、再びふたりは快楽の湖に落ちていき。
そして、ミナス・ティリス最後の夜はゆっくりと過ぎていくのだった。

 
 
 
 
 

(9)へ
 

   
  
 ■なかがき■
おぅおぅ、ようやく長かった「ミナス・ティリス編」終わりました。
実はココまでがプロローグみたいなものだったり(^^;)

「恋人の証明」で実際に書きたいのは
(1)で拉致ッた後の話なんですよね(笑)
過去の話が長すぎました・・・
これからの本編より長かったのかも!
というか、ホントに書くのか本編!?(爆)
   
   

戻る


 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!