「あん、あんあん、あぁん」
僕は、こうやって毎日、かつて部下だった藤田のペニスでおまんこを突かれ、何度も何度も絶頂を迎えている。
「あはぁんん・・・きもちいい・・・ですぅ・・・」
「そうか、ポチ、またイカせてやるからな、それ!」

その言葉を合図に、藤田は腰を早く振り出す。ただ早いだけではない。
僕の、アソコの、奥に、一突きするたびに当たるのだ・・・
「いやぁ・・・あん・・・あん・・・あっ!」
藤田様がイくまでにはまだまだかかる。僕のおまんこの中は、男が「気持ちよくて、長持ちする」ように出来てるのだという。
しかしそれを幸せに感じるほど、僕はペットとしての自分に順応してしまってはいなかった。

「くすくす。かわいいポチ。ほぉら、ご褒美あげるわ。お手!」
「はぁい・・・あぁん・・・」
心は順応していなくても、差し出された、もとは僕の妻だったルミの手に、僕は右手を差し出してしまう。
ペットであることを喜んで受け入れてはいないが、その反面官能に逆らうことは出来なかった。

僕を女に勝手に変えた上に、監禁までして「ペット」という名の性奴隷として扱っているこの二人を、
警察に突き出せば、たとえ男には戻れなくとも、人間らしい生活を取り戻し、
かつてのように己の才覚ひとつでのし上がっていくことが出来る自信はあった。

「あはは。ほら、ごほうびよ。なめなさい。」
「あはぁ・・・はい・・・ルミさまぁ・・・」
ルミは、正常位で突かれる僕の顔の上にまたがって、僕にクンニをさせる。
飼い主であるルミのクリトリスを舌で探し当て、丁寧になめる僕。
僕が、上と下の口を両方使って、二人の飼い主の下半身に快楽を与えている間、
飼い主たちは、僕を「気持ちよい敷物」のように扱って濃厚なキスを交わしている。
人間らしいキスを。きっと、恋人である彼らにとって、至福のひと時なのだろう。

これほどの屈辱から、逃げ出すことは出来る。
きっと、逃げ出そうと本気で思えば何とかなる。
そして、ふたりを警察に突き出せば・・・
でも、一度は妻として迎えた女と、親友であり、部下として最も信頼した男に対して、そこまでは出来ない。

僕に唯一残された人間らしい「感情」が、その「優しさ」ゆえに僕を再び「人間」に戻すことを阻んでいるのは、なんという皮肉だろう。
しかし・・・それが二人に対する僕の優しさだけではなく、正直なところ、このペットとしての生活を失いたくないからではないか・・・と、
もし聞かれたら、僕はうなずいてしまうかもしれない。

それほど、ペットとなった僕に、毎日望みもしないのに与えられる快楽はすさまじかった・・・

僕が、いったい何ヶ月前まで男だったのかは、もうわからない。

窓のない、時計もないこの部屋で、飼われているこの僕は、もうずっと、人間らしいことを何一つしていなかった。
いや、自分で用を足し、始末をし、あるいは四つんばいのままシャワーを浴びて体を綺麗にすることくらいはしていた。

でも、それは僕のためというよりも、ふたりの飼い主が、
僕をおもちゃにして遊ぶときに「くさいなんていや」だからだったといっていいだろう。
ベッドはあるものの、それはセックス用。そのときにしか使えない。

普段は両手、両足を鉄の輪でつながれ、短い鎖がついて、
右手と左手、右足と左足の間にはひんやりと冷たく重い鉄の棒がつながっている。
床が柔らかいからいいものの、僕はその棒を持ち上げて立つことが出来ず、四つんばいでしか動けない。

足を閉じることは出来ず、両手もくっつかない。
食事も、手がほとんど届かず当然ハシやフォークなど使わせてもらえるはずもなく、
このスタイルを保つようにカロリー計算された食事を、犬のように口をつかって食べることを余儀なくされている。

食べなければ、餓死することも出来るのに?
そんなことはない。
口から栄養をとらなくとも、飼い主たちは僕に点滴で栄養をあたえ、同じようにペットとしておもちゃ扱いすることが出来る。
それに、僕はまだ最後の手段を残している。
逃げればいいのだ。難しいことではあるが。そんな抵抗は、無駄なことだ。

そう、僕は、この部屋に監禁されてから、ペットとして生活させられている。
言葉をしゃべり、セックスするためのペットだが、いわば「犬」なのだ。
「ポチ」という名前を与えられ、一日三度皿にのって与えられる食事がなければ、時間の感覚もない生活だった。

人間でないペットには、当然のことだが、尻尾がなければいけない。
ふたりの飼い主にもてあそばれているとき以外、僕のおまんこには、常に「尻尾」が差し込まれている。
フトモモで固定されたベルトで、自力で抜くことは出来ない。
そして、それは僕が動くことをエネルギーに変えて動くバイブレーターだった。

「あはぁ・・・ん」
普段、食事は口だけでは運べない鉄の食器に乗って同じ場所に出される。
そして、水を飲もうとおもうと、それはその場所から離れたところにあるバケツまで動かなければならない。
そんなこんなで、僕はかなり動かなければならない。
そして、四つんばいで一歩歩くごとに、バイブレーターは振動し、ポチのおまんこから全身に快楽が走るのだ。

「あは・・・あん・・・あぁん・・・」
水が飲みたいから歩いているのか、気持ちよくなりたいから歩いているのか、自分でもわからなくなることがある。
そして、水を飲んだ後には、むしろ自分から四つんばいのまま意味もなく歩き回ってしまう・・・

「あぁん、あぁん、あん、あん」
早く動けば動くほど、性器から伸びた「尻尾」の根は激しく動く。
それを求めて、僕は体力の許す限り、重い鉄の棒を2本ひきずりながら四つんばいで早く動く。走る。
「はぁ、はぁ・・・」
イってしまうころ、体力も尽きる。息が荒れているのは、絶頂のせいか、つかれのせいか・・・

********

僕は、その数ヶ月前まで、大富豪だった。

25歳にして、巨万の富を手にした。
一昔前、IT産業の長者が、ふた昔前、地上げやら資産の転売でバブルに溺れた人間たちが手にしたように、
今年、27歳だった僕は新しい産業をうまく利用して数百億、それもドル換算で、という財産を手にしていた。

ずっとあこがれていた女も手に入った。そして20億円の豪邸を新築して、その家に移り住んだ一ヵ月後のことだった。

「もう、金儲けはいいや。君と一緒にゆっくり暮らしたい」
そうおもった僕は、妻にそう打ち明けた。
今までは運が良かったけど、どこかで引かないと、このまま財産が増え続けるはずもない。
そして、引き時のように思えたのだ。あとは、今あるお金で一生遊んで暮らせる、と。

もちろん本当に一生遊ぶつもりはなかった。とりあえず少し休みたかっただけなのだ。
「そうだね。がんばったもんね。明日からは私のペットになったつもりで、ゆっくり休んでね」
優しい妻の言葉に、僕はおどけて「わん、わん」となくまねをして、彼女の胸に飛び込んだ。
それが、僕にとってヒトとして最後の一日になった。

翌朝、いや、実際はもっと何日かたっていたのだろう。僕はこの部屋で目を覚ました。

「おはよう、ポチ」
妻の顔が目の前に現れた。
「昨日の続き? 朝っぱらか・・・あれ・・・」

まず、声が女の声になっていることに気づいた。
「ふじたさん、ポチおきたよ」
僕の部下で、会社の重役でもあり僕より4つ年上の藤田が、トランクス一丁で現れた。
それとほぼ同時に、僕は自分の胸が膨らんでいることに気がついた。

「ルミおまえ・・・」
僕はがばっと起き上がって、女の声で問い詰める。
それでも、まず先に口をついたのは、自分が女になってしまったことではなく、
藤田と妻がこういう関係にある、ということに対するショックだった。

「あらぁ、ポチ・・・自分が誰だか忘れちゃったの?」
ルミが人差し指である方向を指差す。そこには鏡があって、ふたりの女を映し出している。
一人は、よく知っている僕の妻、ルミだ。
そして、もう一人・・・長く美しい黒髪をなびかせ、均整の取れた美しく白い肌の上半身を持つ、
美少女がベッドの上で体を起こして・・・そして、それが鏡で・・・これは・・・僕?

「あらあら、どうしたの、ポチ? 今日ははじめて私たちとエッチをする日でしょ。そんなに緊張するの?」
「な・・・なにをいうんだ、僕は・・・君の夫・・・じゃないか」

ルミはそう僕が言うのを聞くと、あきれたような顔でこう答える。
「なにを言ってるのかしら、ポチ? あなたは私と藤田さんのペットじゃない。
だいいち、今あなたが言った私の夫は、死んでしまったのよ。ほら、これ、ニュースにもなった」
そういって、僕の死が一面で伝えられた新聞を僕に見せた。
「こ、これは・・・」
「ほおら、ポチ、いいこね。お手!」

「な・・・なにを・・・」
まだ、状況が飲み込めない僕。これは夢なのか?
「夢じゃないわよ」
そういって、僕の頬をつねるルミ。この方法が夢でないことを確かめるのに有効かどうかはわからない。
だが、説得力はあった。
「夢じゃない・・・」

僕は自分のほどよくふくらんだ胸を触りながら、そう言った。
そんな僕の姿を見て、ルミがわらって言う。

「ポチ、自分の体が大好きみたいね。今日から、エッチすることを覚えたらもっと好きになるわよ」
「ほら、まずはポチのことを気持ちよくしてやる。ここがポチのおまんこ、というんだ」
飼い主、と名乗るふたりのうち一人、藤田が、僕の下半身にかかっていた布団を取ると、足を開いて、女性器に触る。

「あっ・・・」
ぼくは、粘膜で出来ている敏感な部分をはじめて触られ、快感とも痛みともつかぬ感覚に、声がでてしまう。
「ふふ、いきなり声が出たな。これからいくらでも出るぞ・・・」
そういって、僕の割れ目を優しくなぞる。

「あぁん・・・」
僕の口からは自然と、気持ちよくてあえぎ声が漏れてしまった。
「ポチ、さすがはセックス用哀願ペットだ。濡れやすいし、感じやすいな」

セックス用哀願ペット? なんだそれは?
僕は心の中でやはりこれは夢なのではないかと再び思い始めた。
「ポチは人間とセックスするために作られた愛玩種なんだよ。だから、こんなに濡れやすいんだね」

ルミが僕の耳元でささやく。
「もう、人間としての暮らしにつかれたんでしょ?
だから、これからは私たちがかわいがってあげる。あなたはペットなの」

「ふざけるな! 俺は・・・」
バシッ、顔にこぶしが飛んできて、華奢な体の僕は、ベッドの下に吹っ飛んだ。

「うぁっ!」
痛みよりも、部下だった男に吹き飛ばされたことの悔しさが先にたった。
そして、その男が上から命令口調で僕に向かって話す。
「おまえ、ペットのくせに口のきき方も知らないようだな。
これからそんなことを言ったり、飼い主に逆らったりしたらどうなるか、教えてやる」
「ふざけるな・・・」
僕は立ち上がって、歩き出す。そのとき、はじめて女の体で歩いた。
胸が膨らんでいて、体を支える足が細い。
どうやったかは今でもわからないが、ふたりは僕のことを完全な女に作り変えたことを理解した。
しかし、その戸惑いを見せず歩く。少しふらついていたが、しっかり歩けることを確かめるように。
そして、そのときが、それから今までの僕にとって最後の直立歩行となった。

ベッドに座り、裸になった妻の腰に手を回している藤田を見て、僕は怒りが頂点に達して女の体のまま殴りかかった。

「ルミから手をはなせ!」
夫として、妻のそんな姿を見れば、誰でもそんな反応をする。
僕は、体を女にされても、心は男のままだったのだろう。
「ふ。無駄なことを」

藤田は殴りかかった僕の右手を軽々と片手で受け止める。
僕は残った左手も藤田の顔に向けて殴りつけたが、それも同じように片手で受け止められた。
「あらぁ、ペットなのに、ご主人様に殴りかかるなんて、いけない子ね。ポチ。お仕置きしてあげるわ」

両手に力をかけて、何とか藤田から逃れようとする僕。
しかし、上下左右にわずかには動いても、両手は手首を握られたまま。

「あっ・・・」
こんどはルミの手が、僕の股間に伸びる。
「ふふふ。体は正直ね。いやがってるふりをしても、こんなに濡れちゃってる」
ぐちょ、ぐちょ、と水の音が聞こえる、紛れもなく自分の股間から。
「あ・・・あは・・・」

体は正直なのだ。そして心とは関係なく反応してしまう。
「ねえ、あなた。はやく入れてあげて。痛くても自分の立場を教えてあげたほうが後々のためよ」
「そうだな。ペットのためにこれ以上の前戯はいらないな・・・」

そういうと、僕をベッドに押し倒した。
トランクスを脱ごうとして僕の手をはなした。その瞬間僕はもう一度藤田の顔をめがけて殴りかかった。
「あきらめの悪いやつめ! ルミ、この手を持ってろ!」

またも軽々と受け止められた僕の手はルミにゆだねられた。
「はは。ポチ。ご主人様に逆らわないようにこれをつけてあげるね」
「やめ・・・ろ・・・」
そういうとルミは、僕の両手に皮のわっかをはめて、ベッドのどこかにつないだ。
この大きなベッドには、どうやら僕の手をつなぐための金具がついているらしい。
僕は両手をつながれて動くことが出来ない。

「さぁ、入れるぞ。力を抜け」
「いやだ、いやだ!ふざけんな、やめろ!」
足をバタバタさせて、それでも僕は抵抗する。
しかし、力がないからその足も藤田の両手で軽々と押さえられ、足を開かれてしまった。
「いや・・・・だ・・・・」
口だけで抵抗するも、仰向けになった僕の視線には、
ほどよく膨らんだ胸の頂上でぴん、と立った乳首、その向こうには、
藤田が僕の両足を持って、チンポをいきり立たせて僕の股間に押し付けようとする姿があった。

「あ・・・・いやだ・・・」
藤田は、そうやって抵抗する僕の股間の、とろとろとよだれが流れ出ている部分を見つけると、そこにチンポを押し当てて、入れようとする。
「あぁ・・・あぁ・・・あー!」

僕は痛みに叫ぶ。
めり、めり、びり、と音を立てながら、僕の女性器に男がはいってきた。
「いてぇ!・・・やめろ、やめろぉ!」
涙を流して男言葉で、しかし女の声で叫ぶ僕。しかし、男は容赦なく奥深くまで入り込む。

「うるさいんだよ!」
男の手が僕を殴る。僕は、抵抗が無駄なことをまたも知らされる。そのあとは、泣くしかなかった。
「あぁ・・・あ・・・」
前進に走る感覚は、痛みしかなかった。
痛みが、股間に走ると、悲鳴を上げるしかない。それほどの痛み。

「全部入ったぞ」
体の中まで進入する痛みが終わりを告げて、僕は安堵のため息をつく。
「はぁん・・・」
「これからもっと気持ちよくしてやるからな」
「あ・・・あぁ・・・いやだぁ・・・」
男がゆっくりと動き出す。

男のモノが、僕のおまんこの内側をすりつける感覚を、しっかりと感じる。
なんという痛み。しかし逃げることが出来ない。僕は体をえびぞりにしてのけぞらせ、痛みから逃げようとする。
逃げないように、後ろからルミが僕の体をベッドに押さえつける。

「あぁ・・・いやぁ・・・」
才覚ひとつで信じがたいほどの金を稼ぎ、ようやく手に入れた女がハダカで僕に微笑みかけている。
豊満な胸、細くくびれた腰。ようやく手に入れた最高の女だった。
それなのに、それさえも奪われてしまったのか・・・

ルミは、痛みに悲鳴を上げ続ける僕に語りかける。
「ポチ。よかったね。これでご主人様のペットよ。うれしいでしょ」
「あぁ・・・あ・・・」

僕は反抗したいが、それだけの余裕がないほど痛みが続く。
「ポチぃ。忘れたみたいだからもう一回説明してあげる。実はね。あたし、結婚してたんだ」
「あぁ・・・はぁん・・・・」

その説明は、もちろんはじめて聞くものだった。夫だった僕と今の僕を完全に別物扱いしてしゃべるルミ。
「でもね、他に好きな人が居たの。それが藤田さん」
「あぁん・・・はぁ・・・」
「それなのに、あたしの夫ってば、それまでほったらかしだったのに、突然、明日からあたしのそばでゆっくりするなんていうのよ。ふざけんなって感じで しょ」
僕のことを・・・話している・・・

「いやぁ・・・はぁ・・・」
「だから、夫には消えてもらったの。幸い、遺産が腐るほどあって、税金を払っても死ぬまで遊んで暮らせるの。あなたにちんちんを入れてる藤田さんとね」

「はぁ・・・はぁん・・・」
「くすくす。気持ちよくなってきたみたいね。
まぁ、もともと慰謝料狙いの結婚だったし、こうしてペットとして私のそばにいられるだけでも、幸せとおもってよ」

ルミの言うとおり、痛みは少しずつ、快感に変わってきた。
男として、自分がどうして殺されたかを説明され、男としての屈辱を与えられて、しかも、望んでいない快楽をも与えられる。
そんなことはない。気持ちよくなんかない、と自分に言い聞かせる。

「うう・・・やめろ・・・・」
「あはは。そんなにとろけきった声で、うつろな目で、なにを言うの? 冗談でしょ?
ペットなんだから素直に気持ちよくなってなさい」
そういうと、ルミは僕の左胸をむんず、ともむ。
「あはぁ・・・あぁん・・・」

「あなたはあたしを自分のものにして、閉じ込めようとした。でもあたしは逃げ出した。
あたしはペットじゃないもの。エサだけ与えておけばいいものじゃない。でもこれからはあなたがペットになる番よ」

両方の胸をゆっくりと優しくもむルミ。そこからまた快感を感じてしまう。おまんこからも快楽は続く。
「はぁん・・・」
「それでね、私達は夫が作ったこの家で一緒に暮らすことにしたの。
こんな広い家でふたりじゃさびしいから、お前をペットとして飼ってあげる。セックスするためのペットとしてね」

セックスするためのペット・・・そんな・・・
「よろこびなさい。この人ね、絶倫なの。
それに、ペットとしてのあなたが、いつもお金を持って、すごく優秀で、
いやらしいほどすごかったあなたが、こうやってペットとして私たちの足元にはいつくばるのは見てても最高の気分よ」

「ルミのお金で、働きもせず、手伝いもしなくても、この部屋の中で食事を与えられ、ペットとしてかわいがられる。
幸せじゃないか。なんか文句あるか、コラ?」
「あぁん・・・はぁん・・・」
すでに、快楽が体中に押し寄せるようになって、返事が言葉にならない。
ふざけるな、やめろ、と叫びたいのに、体がそれを許さない。

「あぁん・・・いやぁん・・・はぁ・・・」
男が僕の中に大量の精液を発射して、地獄のような苦しみと、天国のような快楽は同時に終わりを告げた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
疲れからか、屈辱からか、快楽に浸っていたいからか、とにかく僕は動けなかった。

「ポチ。今日はお疲れさま、はじめてだからこれくらいで勘弁してあげる。明日またね。
食事は一日三度出してあげるから。水はあっちね」
そういうと、ベッドから落として強引に床に転がし、僕の両手と両足を、ひんやりと冷たく重い鉄の棒につないで、ふたりはハダカのまま外に出て行った。

「や、やめてくれぇ・・・」
ようやく口にすることの出来た僕の言葉に耳もくれず、二人は窓もない、ベッドと鏡しかないこの部屋を出て行った。
きゅーっ、ばたん、とドアの閉まる音が、外の世界と僕を永遠に分け隔ててしまう気がした。

「いやだぁ・・・ちくしょ・・・ぉ」
そう、おもっていると、すぐにドアがもう一度開いた。
やっぱり、これは夢だったのか! そんなかすかな希望をふたりはすぐに打ち消した。

「ごめんごめん。忘れてたわぁ。ペットなのに尻尾がなくちゃ、おかしいよね」
そういうと、四つんばいで何とか動こうとする僕の背後に回って、
さっき受け止めた精液がどろどろと流れ出ようとしている僕のヴァギナに、「しっぽ」を突き刺した。

「あぁん・・・はぁ・・・」
奥まで太いものを突き刺されて、僕はまたも官能に満ちた喘ぎ声をあげてしまった。
「いやだぁ・・・」

理性で、そう悲鳴を上げる。気持ちよくなんかない。そう言い聞かせるように。
しかし、そんな僕の願いに反して、希望を打ち砕くようにおまんこから全身に快楽が走っていく。
「いやなの?そんなはずないよねぇ」
いたずらっぽい目つきで僕を見つめるルミ。

「はぁ・・・あぁん・・・」
「ふふ。いいでしょう。その尻尾。あなたが動くとそれに反応して動くから、頑張って運動してね」

この、望まない快楽から何とか逃れようと四つんばいのまま尻を振ると、
それに反応して「しっぽ」の根の部分──人間のペニスの形をした──は、うねうねと僕の体の中で動き回る。
「じゃ、また明日。明日はあたしも気持ちよくしてもらうから。その体、存分に楽しんでね」

ルミは、その「しっぽ」を僕が自力で抜くことの出来ないように、両大腿にベルトをつけて、しっかりと固定して、鍵をつけて。
トイレは自力で出来るように。最低限の尊厳を与えられて、しかしそれに何の意味があっただろう。

「あぁ・・・あぁん・・・」

罵声を浴びせる代わりに喘ぎ声を聞かれたまま、二人は再びドアを閉めた。間違いなく外の世界との隔絶のときだった。
そして、ふと鏡の向こうに、ハダカで四つんばいのまま、尻尾のついたお尻を振りながら、
快楽にとろけきった顔でよがり狂う、自分の姿が見えることに気づいた。

大きな目に、長い髪がかかって、艶っぽい顔で喘ぐ美少女。
真っ白だった肌は興奮からか火照って赤みをおび、下向きの乳首は勃起し、
首を振ると口に髪が入って・・・その髪を噛みながら何とか喘ぐのを止めようとして、
それでもすぐに声が出てしまう。
なさけない姿。これが自分・・・そんな・・・

目を背けても、快楽は止まらない。
僕は快楽から何とか逃げようとして腰を振っているのか、官能を望んで腰を振っているのか、自分でもわからなくなっていた。
屈辱と官能が僕の体の中、心を無視して戦っていた。
いや、快楽を求める体と、屈辱を嫌う心の戦いなのかもしれない。

ただ、尻を振るよりも、四本の足で鉄の棒を引きずって歩いたときの方が尻尾の根はよく動く、と自分が気づくのに、ほとんど時間はかからなかった。
自分の顔を見たくないから、鏡に背を向けて歩き始めたときに、それに気づいた。
そして、何歩か快楽に溺れながら歩くと、その先には別の鏡があり、
またも僕は快楽に喘ぐだけの「メス」となった自分を見せ付けられてしまった。

******

その日から、何日がたったのかはわからない。
僕はハダカのまま寝てもいいように、温度も湿度も酸素の量もコントロールされたこの部屋で、ペットとしての毎日をすごしている。

「あぁん・・・はぁん・・・」
一日中、快楽を求めて動き回る以外にすることのない毎日。
しかし、まだ僕はかすかな希望をもって、生きつづける。

「男として、いや、女でもいい、せめて人間として、もう一度人間らしい生活に戻ってやる・・・」
一日一度は、そうやってつぶやく。
希望を口で言葉にして発するだけでもかすかに動く股間のバイブレーターが、
その決意をあざ笑うように僕を官能の海に沈めてしまう、その前に・・・
何とか毎日自分が人間であることを忘れないように・・・

「あぁん、あぁん、あはぁ」
一旦官能が始まってしまうと体が止まってくれない。
そうして快楽に自らの身を沈めていこうとする。
だいたい、そうやって上と下の口の両方からよだれを出して喘いでいる真っ最中に、ふたりの飼い主は、前触れもなくドアを開ける。

「おはよう。ポチ。今日もよろしくね」
時間に関係なく、「おはよう」といってルミと藤田がこの部屋に入ってくる。
ペットとして快楽に喘ぎ狂う姿を見られ、毎日のように、僕は顔を背ける。

逃げようとして歩き出す。そして。それがエネルギーとなり、バイブを動かして、新しい快楽をつくる。
さらに快楽に溺れきった顔で、僕は喘ぎ声をあげてしまう。

逃げようとしてもすぐに飼い主に捕まる僕。
鍵を外し、ベルトで固定されている、しっぽを抜く。
安心からか、それとも快楽を中断された悲しみからか、僕の口から艶を帯びたため息がでる。

「あぁん・・・」
一日中、僕の全身を股間から快楽で支配している「しっぽ」が抜かれる。
尻尾はふたりの飼い主の代理として、一日中僕を快楽にしずめ続ける。
食事中でも、排泄中でも、睡眠中でも、関係なく。

そして、本物の飼い主がその「しっぽ」をぬいたとき、本来の、セックスのためのおもちゃとしてのペット、
ポチの「おつとめ」が今日も始まろうとしていた。


 終


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