「あぁ……はぁん」
嬌声を上げながら由美子は腰を振っていた。
快感を隠そうともせず、淫らに吐息を吐き、それを昇華したかのような喘ぎ声を放つ。
そんな彼女の蜜壷を味わい尽くすように、俺は自らのペニスを彼女の腰に突き入れていた。
奥まで彼女の中をかき回し、ピストン運動を繰り返す。
彼女の丸い腰に俺は自らの欲望を全力でつきいれ、
彼女はそれに精一杯の『オンナ』を感じようと、陸に打ち上げられた魚のように体をくねらせ腰を振る。
やがて、彼女は俺にしがみつき、そのままビクビクッと痙攣した。
「あぁぁぁぁっ……」
それとともに根元まで入った俺の肉棒は彼女の膣に締め付けられて、そのまま精液をぶちこんだ。

「……これが最後の中だし、か」
横に彼女を寝かせてひとりごちる。
俺が男としてセックスするのも由美子が女としてセックスするのも今夜が最後なのだ。

完全なTS処置が簡単且つ安価で為されるようになってから、ひとつの事実が判明した。
TS処置によって女性化した男性の不妊率がゼロであるという事実。
おりから人工維持のため腐心していた政府がある法律を施行した。
結婚後一定期間を経過して子供が出来ない夫婦に強制的に「不妊治療」を施行させる。
俺はその哀れな対象者だった。
明日、俺は男でなくなり、由美子は女でなくなってしまう。

かくして俺たちは今夜最後のセックスを味わいつくしたのだ。

  ◇◆◇

翌日。

TS処置を受けるために俺たちは病院に向かった。
「あたし、どんな姿になっても文雄君のこと好きだよ」
「俺も、由美子がどんな姿になっても愛してみせる」
俺たちは手を取り合って最後のキスをした後、それぞれの病室へ向かった。

処置自体はあっけなく終わった。

病室に横たわる俺の視界には、見たくなくても見えてしまうくらいの見事な乳房があった。
まだしばらく自由な行動を許されていないが、股間のものもなくなっているはずだ。
「俺のこれ、けっこうでかいよな」
いまだに女になった現実を心のどこかで受け入れられないまま、場違いな想念を浮かべた。
誰も見ていない。俺のだし。そっと俺は自分の胸を触ってみた。
弾力のある手触りとともに、胸からは触られているという独特の感触が伝わった。
何度も触っていると、その感覚の中に、どこか淫らなものが芽生え始め……はじかれたように手を離した。

「俺、女の子なんだ」

さっきかすかに感じた淫らな感覚。これが俺に女になった覚悟を促しているようだった。
怖かった。
瞳から熱い涙が出てきた。

  ◇◆◇

「これ、着なきゃ駄目か」
目の前にあるブラジャー。ショーツを見てため息をつく俺。
「これからは男の下着や服を着るわけにはいきませんからね。せっかくそんなに綺麗な胸をしてるのですから、しっかりケアしないと」
『講師』役の女はそう言うが、そう言われてもまったく嬉しくない。
今の俺はシャツを羽織っただけの姿で、歩いていると胸の重みと揺れる感覚が知覚できて、どうしようもない心境になってしまうというのに。
かくしてブラジャーを身につけ、ショーツをはく。
ブラジャーで四苦八苦するのは予想が出来ていたが、参ったのはショーツだった。
ぴっちりと腰を包み込むショーツの感触は、男のシンボルを失って丸みを帯びた腰をいやがうえにも感じさせたからだ。
それを皮切りに、俺は女性としてのレクチャーを受けるようになった。

スカートなどの女物の服の着方、化粧の仕方、しぐさや言葉遣い。すべて自分の体を実験台に行うそれは、俺の外見を完璧な女性に変えつつあった。
しかし、自分が完全な女性の姿になればなるほど、心の中でそれを嫌悪している自分がいる。
俺は、女の子じゃない、かわいこちゃんじゃない。

ひらひらと自分の膝で存在をアピールするスカートと、前方にくっきりと突き出す形のよい胸を見ながら、自分の「女」を否定して自分を保つ日々が続いた。
ガチャ
トイレに入る。
しゃがんでしなきゃいけないのを改めて自分に言い聞かせながらショーツを下ろし、しゃがみこむ。
「由美子、今頃どうしているだろうか」
ちょろちょろと股間を伝う感覚から気を紛らわせたくてつい場違いなことを考えてしまう。
終わると、トイレットペーパーで股間をふき取り、ショーツを戻す。
周囲を囲うのはピンク色のタイル。それを見るたびに自分の心までピンク色に塗りつぶされそうな気分になる。

トイレ、風呂、着替え。すべてで見続けることになる自分の体。それが今目の前にあった。
浴室の更衣室においていた全身鏡。そこに映っていたのは俺ではなかった。
大きな瞳とすべすべの肌を持つ小さな顔とさらさらの髪。
その顔の下にこれでもかと存在を主張する大きなメロンのような胸。
くびれたウエストとその下の丸いお尻。
そこには数日前に由美子を犯し貫いた男のシンボルはなく、うっすらとした茂みと、まろやかな丘だった。
その丘の向こうに、女の神秘がある。

ゴクリ

周りを見回して自分しかいないのを確認する。
その場に座り込み、太腿を開いて自分のオンナの部分を鏡に映し出す。
「これが……俺の……アソコなんだ」
茂みの奥にとろりと潤いを持ったクレバスが刻まれている。
そこにそっと指を近づける。
「んっ……」
電気が走ったような衝撃。声が出ないようにするのが精一杯だった。
指が離れると、刺激も消える。股間にわずかな滓の様な疼きと透明の液が滴る。
「もう、少しだけ」
そう思って再び指で自分の神秘をなぞりながら、刺激を与える。
「ふぁ、ぁ……ん……」
片手で口をふさぎながらあえぐ。自分の股間が快楽の坩堝になったような刺激に、つい漏れ出る声を必死にこらえる。
「ぁ……ん……ん、ふぅ」
もう、こらえることができない。口を閉ざしていた手をそのまま胸に移し、片手に収まらない乳房をまさぐる
「あぁ……あん……あぁぁぁっ」
ビクビクッと全身が痙攣し、秘裂からは惜しげもない乙女の雫があふれ出す。

気がついた俺は、自らの痴態を思い出し、激しい自己嫌悪に陥った。
「俺、いったいどうなるんだろう」

俺の体が「初潮」を迎えたのはその翌日のことだった。

  ◇◆◇

俺は退院し、自分の家に向かった。
いまだに女装しているという感覚のある俺は、家までの道での周囲の視線が気になって仕方なかった。
とくに胸に注がれるそれに絶えられないものを感じ、途中からタクシーをつかって帰る。
こんなことで、これから女としてやっていけるのか不安になりながら家のドアを開ける。
由美子はすでに帰ってきていた。長かった髪をすっきり短くさせた由美子はどこから見ても男だった。
「おかえり」
それでも帰ってきた俺を出迎える由美子の動きは、まだどこかに女だった頃のものが残っていた。
その日は一日性別が入れ替わった俺たちの生活の対応で追われて終わった。

その夜。

「やって……みる?」
由美子が言った。何を、というのは改めて聞くまでもなかった。
「うん。いつかはしなくちゃいけないし。それに、お前のそれ……」
由美子の股間を指差す。そこには隠しようもないほどの男のシンボルがそそり立っていた。
「あはは、やっぱり男の子って難しいね」
照れ隠しの笑いを浮かべる由美子をみながら、俺の心のなかにいい知れない不安がよぎり始めた。
二人でお互いに変わってしまった体を眺めながら風呂に入り、そのままベッドに移る。
お互い顔を近づけてキスをする。直前に目の前に『男』の顔が飛び込んでくるのを目をつぶってやり過ごす。
相手が見知った由美子だとわかっていても、男とのキスというのに妙な違和感がこみ上げたのだ。
そのまま俺を押し倒し、俺の体を愛撫する。
男の体に慣れてないせいかどこかぎこちないものはあったが、乳房や秘部をまさぐるその動きは元女だけに的確に俺の『オンナ』をめざめさせる。
「ぁ、はぁっ……」
思わずこぼれる喘ぎ声。その声はまるで自分のものでないくらい甘くて淫靡なメスのそれだった。
指がクリトリスに届き、まるで気持ちいいところを知り尽くしているように刺激する。
「ふ……ふぅっ」
蜜壷に走る刺激に体をよがらせながら甘い吐息を吐く。

「もう、大丈夫かな」
由美子はやおら体勢を変えて、俺に向けてペニスを突きつける
「ぅ……」
初めての性感に朦朧としていた俺の意識が急に覚醒した。
目の前にいる男の分厚い胸板とごつい腰、そして、その中心にそびえる男のモノ
自分を犯そうとするそれにはっきりと恐怖を感じていた。感じてしまったのだ。
反射的に足を閉じ、手を股間に持っていく。
「え?」
由美子は一瞬どきまぎしたままその場に立ち尽くす。
「ご、ごめん……なんか、俺、まだ……その、心構えっていうのか……そんなのが、まだできてないみたいで……」
由美子の股間を指差して必死に言葉をつむごうとする。
しかし、言葉がうまく出ない。由美子を傷つけてしまいそうで、うまく言葉になってくれないのだ。
「……そっか。じゃ、しかたないよね」
おびえた俺の顔から何かを察したらしい由美子はそのまま俺の横に寝そべった。
「女の子になってまだ、間がないんだし、無理もないよ。あたしも元女の子だから、そういうのわかってるつもりだし」
俺を傷つけないようにという由美子の気持ちが切なかった。
「今度は、ちゃんとできるように心の準備しといてね」
うなずく俺。しかし、はたして『準備』なんかできるだろうか。
心の隅に頑固に残る男の心ははっきりと由美子のペニスを拒否したのに。
そう思うと、どこか罪悪感がこみあげてきた。
そそり立ったままの由美子のペニス。それにそっと手を触れる。
「手で、だったら……なんとかできそうだから。今日は、これで我慢して……」
そのまま由美子のペニスを手にとってしごいてやる。
自分が男だったときのことを思い出しながら。
「ぁ……」
由美子は驚きの表情でそれを見つめながら声を漏らす。
男だったときのことを思い出しながら由美子のモノを慰めてやる。
そうしていると自分が男に戻ったような感じが、ほんの少し、してきた。
それがうれしくて、いっそう刺激を加えてやる。
ビュ、ビュゥゥッ
由美子のペニスから精液が飛び出してくる。何の前触れもなしに飛び出したそれは俺の上半身、顔面に飛び散った。

  ◇◆◇

そして、それから数日間。
俺はいまだにあの『恐怖感』と『嫌悪感』を克服することが出来なかった。
どうしても最後の一線を超えることが出来なかったのだ。
むしろ由美子の──男のペニスに対する恐怖心は増す一方で、ついに我慢しきれなくなったのか、しゃにむに俺を犯そうとし始めた由美子の前で、
盛大に泣き出してしまったことすらあった。
女として過ごしているうちに、いつのまにか心のどこかに少女の片鱗が育ち始めたのか、まるで強姦されかけた女の子のように泣き喚いてしまったのだ。

いつのまにかブラジャーやショーツ、スカートを穿くことにも慣れ、丈も膝下までのロングスカートからミニスカートをはきこなすまでになり、
女子トイレに入るのにも躊躇がなくなったが、それでもいまだに『オンナ』になりきることが出来ない。
夜、由美子の前で『オンナ』として由美子の『オトコ』を受け入れる決意が出来ない。

その日の夜も、結局俺は由美子を満足させられないまま眠りについた。

  ◇◆◇

ぴちゃ…
股間から聞こえる水音。そこにいたのは由美子だった。
由美子が俺の股間に顔をつけて嘗め回していた。
「ぁ……あぁ……」
思わず声が漏れる。
体が動かない。手足がしっかりと縛り付けられて、動かないようになっていたのだ。
俺が目を覚ましたのに気づいたのか由美子はそのままいきりたつモノを見せ付けるように俺の前に立った。
「ゆ…ゆみ、こ?」
その目は、どこか女の子の面影を残していた由美子のそれではなく、獣性に目を光らせたオスのそれだった。
「ゴメン、男の子になってから、必死にこらえてたんだけど。もう、限界」
それだけいうと、俺の太腿を無理やり開き、その間に腰を割り込ませる。
「ひっ……」
必死に逃げようと腰をにじらせる俺だが、それは両手足が縛られ、体を開かされている体勢では何の意味もなく、むしろ由美子の男の欲望を刺激しただけだっ た。
「もう、ここまできたら覚悟しなさいよ」
目をぎらつかせる由美子はそのまま俺の股間に無理やり肉棒を割り込ませる。
もう、避けられない。俺は反射的に目をそらした。

ズンッ

「ひ、ぎいっ……」
股間が引き裂けそうな痛み。下腹部の異物感に声も出ない。由美子はそのまま俺の中へ乱暴に自分の欲望を押し込める。
そのうち、気持ちよくなる。それだけを支えに必死で痛みをこらえる。
自分の胎内をえぐられる感覚と疼く痛みに悶える。

「う……うぅ……」
いつの間にかすすり泣きをしている自分に気がつく。
男に組み敷かれ、自分の体を乱暴に開かされ、犯される。その屈辱感と、処女喪失の痛みに、涙がこぼれてしまっていた。
それを構わず、由美子は根元まで入った自分のペニスがもたらす快感に恍惚としながら、俺の膣の中でそれを乱暴にグラインドさせる。
自分の内臓をかき回されるような痛みに必死で首を振り乱し泣き叫ぶが、由美子はそれをまったく意に介することなく腰を打ち付ける。

「んっ、ふっ、あっ……」

自分の体の中に固くて熱い男のものがはまり込んでいる圧迫感。
それが自分の膣をかき回している感覚。突き上げられることでいやがうえにも感じる女の子の器官の存在。
何度も何度もたたきつけられる由美子の腰と肉杭にいつしか軽い吐息が漏れ始めた。
「あ、はぁん……」
いつしかあがる女の子としての嬌声。
自分のものとは思えないそれに、つい力が抜けてしまう。
それが自分を犯し続ける肉棒をうまくくわえ込む形になり、ますます快感を増幅させる。
いつしか痛みが圧迫感に、圧迫感が快感に変わり、わずかな痛みの残滓すら快楽を増幅させるスパイスになっていた。

「ぁぁっ、はぁ……ぅぅん」
徐々にとろけて流れていく男の自我を感じつつも、それにいつしか違和感を感じなくなっていた。
これだけ気持ちいいんだから、もう、オンナノコでも、いいや。
そう思った頃、俺の目の前に大きなペニスがあらわれた。
女の快感に脳を占拠された俺はなかば本能的にそれを咥えこんだ。
伸びる手が俺の頭を押さえつけ、何度も何度もピストン運動をさせる。
膣に感じる快感によがりながら必死でフェラチオをしている自分。

必死で目線を上にやる。そこには由美子がもう一人いた。

なぜ、由美子が二人もいるのか。そんなことを考える余裕はもうなかった。
ただただ、目の前にあるペニスをくわえ込み、快楽におぼれたい。それだけしか考えられなかった。

由美子に犯されながらもう一人の由美子のペニスを咥え、よがり狂う自分。
その異常な世界を俺は自然に受け入れていた。
下腹部に感じる由美子の突き上げがひときわ強くなったと思うと、そのまま自分の子宮に熱いものが注ぎ込まれるのを感じた。
そしてほぼ同時に俺の視界が真っ白になる。
股間が由美子のペニスを締め付け、より一層の快感へと俺を登りつめさせる。
同時に口内のペニスからものすごい量の熱い液体が注ぎこまれる。
すっかり女の意識に染まった俺はその液体を飲み干そうとした。

口内に注ぎこまれた液体には何の味もなかった。

「?」

視界が開ける。真っ暗な寝室。となりで由美子が寝息を立てている。
俺はパジャマを着込んだままだった。
「夢? だったのか?」
確かに感じていた生々しい感覚。股間からは不自然なくらいの熱い感覚が伝わっている。
パジャマの下をおろし、ショーツを確かめる。
洪水さながらに濡れた股間とべとべとになったショーツがそこにあった。
「夢……」
どうしてもそうとは思えないくらいの生々しさと実感を伴った夢だった。
その内容を思い出し、再び下腹部に疼きを覚えだす。
「ん? なに?どうしたの?」
起きてきた由美子。その股間は欲求不満を覚えるように屹立していた。朝立ちというヤツだろうか。
それを見た俺の心に、今までなかったものが芽生えていた。

心のどこかにピンク色の炎がともっていた。
まったく自然に。まるで、自分があるべき姿に戻ろうとしているかのように。

思わず由美子に抱きつき、由美子の股間をまさぐる。
「なんか、変な気持ちなんだ。その……女の子として……してみたくなったっていうか……」
真っ赤になりながら話しだす俺に由美子は口をふさぐようにキスを浴びせる。
そのまま雪崩れるように俺を押し倒す由美子。


いつも以上に情念のこもった動きで俺の乳房にむしゃぶりつき、股間を刺激する。
すでにビショビショになっている俺の股間に驚きながらも、赤く充血している俺のクリトリスを刺激する。
「……きて」
俺は太腿を開き、由美子を迎え入れる体勢をとる。そこに腰を割り込ませる由美子。
「いいの……ね?」
念を押す由美子、首を縦に振る俺。
「俺をオンナに……して」
「あたしも……オトコになる!」
そういって俺の中に自分のペニスの存在を確かめるようにじわじわと俺の中へ挿入する。
「……んっ」
痛みはあった。が、思ったほど痛くなかった。
夢の中で十分な準備の出来ていた膣は由美子のペニスをたやすく受け入れていたのだ。
由美子のペニスが入り込んでゆく。やがて、俺と由美子の腰が密着する。
「痛い?」
由美子が聞く。こうなってもなお俺を気遣ってくれるのが嬉しかった。
だから、俺は鮮烈な痛みをこらえながらそれに応える。
「だ、大丈夫、だと、思う」
それをきいて、由美子はじわじわと俺の中に入っているモノを動かしてゆく。
ズリュ、ズリ。
「あ、はぁん……ん……」
喘ぎ声が漏れる、いや、むしろ積極的に女として快感を受け入れようと、一所懸命オンナを演じながらかわいく喘ごうとする。
それが自分の中の被虐的な快感、さっきの夢で芽生えたそれを刺激する。

徐々に由美子も男の快感に目覚めたのか腰を振る動きが乱暴になってゆく。
膣が変形しながらかき回される感覚を悦楽に変換して俺に伝える。俺はそれを全身で受け止めながら喘ぎ、よがる。
もう、俺の中の男は完全に溶かされていた。
あの夢でヒビの入った男としてのプライドは、由美子のペニスを受け入れた現実と、全身に広がる快楽の前に完全に姿を消し、
今、男となった由美子に組み敷かれて腰を振ることに、まったく違和感を感じないメスがそこにいた。
「あん、あん……はぁっ……」
喘ぎ声とともに腰を突き上げられて俺の細い体はベッドの上を泳ぎまわる。
「あうっ! 出る!」
由美子が突然そういったと思うと、俺への突き上げを一層激しくしはじめた。
それとともに、俺の意識にもやがかかり始める。
「あんっ、あああっ!」
 ビクッ、ビュルッ! ビュッ!
俺の子宮に本物の熱い液体が注ぎこまれた。体の奥底の『オンナ』の器官に染み渡る熱い感覚に俺は恍惚とする。
それと入れ替わりに、俺の膣の中に感じていた由美子のモノの異物感が小さくなり始めるが、
俺の女陰は由美子のモノを締め上げ、少しでも多く精液を搾り取ろうとしている。
そのまま俺は絶頂を迎えた。

  ◇◆◇

ぐぼっ、ぐぼっ
「ん、んふ……」
『あたし』は一所懸命口の中のペニスをねぶりながら、しゃぶってゆく。
それとともに、ビクビクいいながら大きくなっていくのがわかる。
やがて、あたしの口内にねっとりとした熱い精液が注ぎ込まれる。
最初はなれなかった生臭い味も、もう慣れて、むしろ愛しささえ感じてしまう。
「すっかり女の子になっちゃったな。文緒」
それはあたしの新しい名前だった。
あれからすっかり女の快感に目覚めたあたしは、かつて自分の妻だった男とのセックスが何よりの楽しみになっていた。
フェラチオも、最初は抵抗があったけど、いつしかそれなしではいられないほどになっていた。
淫乱な女に堕ちてゆく快楽にめざめたのだ。

さっきたっぷり出したにもかかわらず再び元気を取り戻したペニスをいとおしげになで上げ、あたしの中へいざなう。

その中では、新しい命が芽生えつつあった。


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