私は男が嫌い。
男って乱暴で怖い。
貴女の気持ちを汲み取らない。
貴女の話す事なんかぜんぜん聞いてない。
気に掛けてもいない。
すぐ貴女と寝たがるくせに、終わればさっさと逃げ出す。
貴女の頭の中身よりも、おっぱいの大きさの方が重要。
子育ての手伝いなんてありえない、彼らはどこかへ遊びに行ってしまう。
結局、出て行ってしまって、貴女が仕事を背負い込む。
あいつらはゾウリムシ以下の生命体。
男って最低!
私が理想とする世界のビジョン?
それは女性が唯一の人類って事。
僅かな男は精液供給の奴隷として残しておいてあげる。
他にどんな使い道があるの?
私達の仲間のグロリアは、
「女性に男はいらない。魚に自転車が要らないように……」
と言ってる。
言っとくけど彼女は本気。
自転車が魚にとって何の役に立たないように、私達にとっても男はそれ。
彼らが必要とされているのは、男の代用品がなかったからにすぎないの。
だから女性を愛する女性は社会に恐れられる。
それで私達に「ビアン」、最低のレッテルを貼る。
でもね二人の女性が一緒にいる事より自然な事がある?
女性以外に誰が女性の感情、必需品、求める物が理解できるの?
誰が理想のパートナーになれるの?
レズビアンに反対する女性は、それをやらなかった人、男によって洗脳された人。
もちろん弱い女性がいる。彼女達も根絶しなければならない。
でも一度、私達が導けばきっと快く協調してくれると思うの。
彼女達って生来に風潮に流される傾向があるからね。
私は二週間に1回、同志が集う組織のミーティングに出席していた。
そこで私達は目的を定めて運動を前進させる為に
様々な見解を検討をしてきた。
しかし1年前まで、組織に大きな飛躍はなかった。
「男に関する問題は……」
私は続けた。
「多すぎる!」
鳴り響く拍手の後にスーザンが繋ぐ。
「この問題について私達はどうすればいい? 私達は女性。彼らを狩り集めて殺す事は出来ない。たとえ彼らが家畜以下の存在としても」
「少なくとも家畜には感情があるわ」
ローラが言うと皆が笑った。
「暴力に頼らない方法があったら? 暴力は男のやる事。より優れた女性らしいアプローチがあったとしたら?」
「どんな風?」
「私達女性は、福祉や養育をします。出産して子育てをします。私達が男を生まれ変わらせる事が出来たらどうしますか?」
「彼らを素直で従順にする事?」
キムニーは尋ねた。
「いいえ、彼らを女性にする事です」
私達はその能力や才能を計画実現に向けて注ぎ込んだ。
仮に可能だとしても、速く効果が出なければ意味が無い。
というのも、男一人に何年もの時間や何百万ドルものお金をかけていられないのだ。
遅すぎて、時間もコストも掛かるようでは、彼らを改造するよりも早く世の中に男が増えていってしまう。
医学の分野は仲間の姉妹が研究を重ねていった。
心理学の分野からも仲間の姉妹達は協議を繰り返した。
それ以外の分野に関しても、私達は男を女性へ変身させるというあらゆる方面に目を向けた。
そしてついに研究の成果を収穫する時が来た。
メンバーの多くは男と結婚していた。
一部のメンバーには男の友達がいた。
私にはガールフレンドがいた。
彼女も私と同様、まだ結婚していなかったし、男の友達もいなかった。
そして私と同様、熱心な信望者だった。
今回は限定テストとなった。
既婚女性はパートナーの男を、残りは男を誘惑して彼を改造する事になった。
テストが終了したら私達はそのデータを収集し評価して、さらに大規模に実行する方法を計算する予定である。
来るべき将来に備えて……
これから私とケリーは男を探しに出かけなければならなかった。
男は簡単に操れる。
私達はクラブで男を誘う事にした。
地元のダンスクラブへ出かける。
店内に入るとテーブルに付いてドリンクを注文する。
暫らくの間、椅子に座って周りを男を物色する。
彼女に声を掛ける。席を立ってホールの中央に移動する。
私達は踊りながら声を掛けられるのを待つ事にした。
1時間後。
1ダース程の男から声を掛けられた。
バカそうな男からダンスや、サイテーな要求ばかり、鼻で笑って全て断る。
私達は少しでも賢そうで、女性に生まれ変わる資格がある男を待っているの。
そしてついに私達はぴったりの男から声を掛けられた。
男を操るなんて簡単、だってあいつらの考えてる事はみんな同じ……
私達は男と踊った、彼は私達にドリンクを奢ってくれた。
10分ほど彼と話しをする。彼に私達はルームメートだと説明した。
「ねぇ、あたし達さ、3Pに興味あるの……」
ケリーの誘い文句に彼は動揺しているのが見て取れる。
彼のズボンが張り詰めていった。
ホント解り易い。
5分後。
彼は私達の勘定も払って店を出る。
私達は彼と一緒に私達のアパートへ向かって歩いて行った。
アパートに到着すると最初にワインを一本抜いた。
彼がもう少し酔っ払えば、扱いやすくなるからだ。
彼とおしゃべりしながらワインを空けて行く。
彼の気を引く為に、上着を一枚一枚服を脱いで行く。
時々彼にそっと抱きついて軽くキスをする。
彼の目の色が変って行く、深呼吸を繰り返し、落ち着かない態度を見せる。
ズボンが固く盛り上がっていた。
「そろそろベッドへ行かないか?」
彼は私達に囁いた。
私達が男といっしょに寝る? 冗談じゃない!
でもここで逃がしちゃいけないし……
あれこれ思案しながら彼と3人で寝室に入る。
「ねぇ無抵抗な貴方を二人で虐めてあげるから……」
なんとか彼を納得させて、トランクス以外の全ての衣類を剥ぎ取ると、ベッドの上で両手を広げた状態で縛り付ける。
ふぅ〜これで大丈夫。たっぷり焦らしてあげるね。
「女の子同士で愛し合う所を貴方に見て欲しいの」
私は彼女と彼の胸をさすりながら、甘い声で囁いた。
彼の目の前で私はケリーの腰に両腕を回すと、ぐいっと引き寄せて身体を密着させた。
数分後。
私はいつものように激しくケリーと愛しあっていた。
部屋の中に私と彼女の切ない喘ぎ声響き渡る。
ベッドの上で彼が情けない声を上げている。
彼は股間のモノは、軽く触っただけで噴火するほどにパンツを持ち上げていた。
ベッドが汚れちゃうじゃないの。
私はナイフを取り出して彼のトランクスを切り裂く。
ケリーはトランクスを剥ぎ取ると、端切れを彼の周りに敷き詰める。
焦らすのも、そろそろ限界かな?
「次は貴方、でもその前に強い所をみせて」
ケリーはボトルとグラスを部屋に運んできた。
グラスにボトルの中身を注ぐ。
私は彼に特別なグラスを差し出す。
そう特別な白い粉が混入されているグラス。
粉はアルコールに溶けるから絶対わからない。
彼の口元にグラスを当てると、「乾杯」と言って彼の口のグラスを傾ける。
同時に私も片手に持ったグラスを一気に飲み干した。
「はぁーき、くぅー」
ケリーは溜息をついた。
「もう一杯どう?」
「当然!」
デビットは強がって答えた。
私達に強い所を見せたいのだろうが、かなり無理をしているみたいだ。
彼は私から2杯目を受け取った。
もちろんそれにも粉が混ぜてある。
グラス彼の口に当てて、流し込む。
彼はそれも飲み干した。
それはデビットの体の中で効き始めたようだった。
15分後。
デビットはまだベッドに縛られている。
彼は酔い潰れて辛うじて意識が残っているような状態。
やがてそのまま眠ってしまった。
「さ、始めましょっか」
私は黒い医療器具をベッドの下から引っ張りだし、取り出した注射器に透明の液体を満たす。
この液体こそが医学研究の成果。
ケリーは消毒アルコールで脱脂綿を湿らせると、彼の股間の袋を持ち上げて付け根のあたりを消毒していく。
私はそこに注射針を突き刺すと中身を注入した。
2番目の触媒を注射器に充填すると、再度同じ場所に液体を注入した。
処置は終わった。
後は医療廃棄物の処分だけ。
ケリーは傷口をキレイにしていった。
明日が楽しみね……おやすみなさいデビット。
朝。
やっとデビットは目を覚ましたようだ。
「おはよう、彼女たち!」
彼は挨拶をした。
可笑しくて私達はクスクス笑ってしまった。
だって貴女も、もうすぐ女の子なのにね……
「おはよう」
私は言った。
「俺……二日酔いだよ」
彼は呻いた。
「そりゃ全部飲んじゃったからね。仕方ないよ」
ケリーは言った。
昨晩 結局彼は私達に指1本触れていなかった。
当然私達との記憶など無いのだが、彼はそれを二日酔いのせいと思っているようだった。
私は彼に一晩中激しいセックスをしたと話した。
もちろん彼に記憶は無い。
「だから思い出せないのかな? 私達に頼んだ事も?」
私は言った。
「あ、ああ……わからない……なんだったっけ」
彼は自信なく返事した。
「二人の女の子が激しく愛し合っているのを見ると興奮するって。それで自分も女の子だったらいいなぁって言ってたじゃない」
「ハァ? 俺が? まさか!」
「じゃ、なぜ足の毛を剃っちゃったの?」
彼が見下ろした先にある脚は絹のように滑らかになっていた。
本当は私達が彼の無駄毛処理をしたのだが、彼に、それは彼自身がやったと言った。
「なんでパンティーを穿いて寝る! なんて言い出したの?」
ケリーはイタズラっぽい調子で尋ねた。
彼は私のパンティとブラを付けていた。
男の体に不似合いなその姿は滑稽としか言い様がない。
彼は表情を強張らせると、自分が他にも何かされていないのか、慌てて体を確かめ始めた。
彼はブラジャーの下に手を通すと、無毛で滑らかになってしまった胸を撫でまわした。
彼は爪の先に気が付いた。
そこにはマニキュアが綺麗に仕上げられていた。
マニキュアは燃えるような赤い光沢を放っていた。
「俺……俺こんなの記憶に無い!」
パニックになりながら、ぶつぶつ呟く。
「でも、俺はやる!って言い張ってたのよ。
こっちに来て、女の子の服用意してあげるから。それに着替えて、買い物に行かないとね」
私は言った。
「俺、女の子の服なんて着れないよ!」
彼は不満を口にした。
「でも昨日、今日一日俺を女の子にして欲しいって、女の子になりたいって言ってたのよ。私達に……
さっ、こっち来てよ。ホラホラ可愛いお尻にスカート通して……そうそう、新しいブラ買いに行くから、いっしょに付いて来てね。
貴方のサイズ合わせなきゃいけないでしょ?」
「オイオイ……冗談じゃないよ……」
彼は哀れな声を出して嘆いた。
しかし彼にパンストとAラインのドレスを着せる事が出来た。
嫌がる男に言う事を聞かせる方法は簡単。
私は彼にそっと仄めかしたの。
もし一日女の子として過ごせば、もう一晩ベッドで寝るってね。
男ってセックスの約束をしたら、なんでもやる。
ホント家畜並のバカだ。
ケリーが彼にメイキャップを施す。
私は彼の髪をなんとか整える。
外出するのに見苦しくない程度になるまで1時間かかった。
むろん今の彼は女性には見えないかもしれない。
しかし、誰も彼を彼だと見分けることはできないと思う。
「Ok 今からデビーよ」
私は言った。
「今日一日、女の子って事を忘れないでね」
「俺、女の子じゃないよ……」
「私をだましたの!」
私達はくすくす笑った。
イヤイヤの彼を駐車場まで引っ張っていった。
ショッピング・モールは『デビー』にとってつらい試練に見えた。
『彼女』はブラジャーを買うという簡単な事すら困惑しているようだった。
でも『彼女』はもうすぐ本当の女性になる、必ず1つは必要になる。
その為にも『彼女』はこの試練を克服しなければならない。
さらに『彼女』にブラとお揃いのパンティも買わせた。
1時間後。
デビーは度重なる緊張で気の毒な程に消耗していた。
ちょっと可哀想なので、家に帰る事にした。
軽いランチと 少々のマルガリータ。──彼女の長引いている二日酔いの為だ。
ランチの後は一緒に映画を見た。
どこかに寄り道する度に『彼女』は激しく嫌がった。
その都度『彼女』の耳元で囁きつづけた。
「夕食の後に……またいい事しようね」
すると『彼女』は自発的に動き始める。
『彼女』はHする為に苦難の一日を過ごしきったのだ。
ホント男ってやつは……
『女の子の一日』が終わろうとしている。
いよいよデビーに衝撃の事実を打ち明ける時が来た。
実は今日一日『彼女』は女装していたのではない。
『彼女』は既に女性になっていたのだ。
私達と同じ女性の一人に。
私達は全員リビングで座って、
ワインを飲みながら、デザートのフルーツ摘んでいた。
「それでね、女の子になって、どうだった?」
私が尋ねた。
「ケリーはね、女の子好きだよ」
「あんたに聞いてないって、私はデビーに聞いてるの」
みんなが笑っていた。
「うーん、面白かったよ。そう言っておきましょう」
デビーが答えた。
「それって、男よりもいいって言ってるの?」
ケリーが尋ねる。
「さあね」
「私ね、貴女に、このまま女の子になりたいって言って欲しいの」
「なぜ?」
「なぜって、貴女は残りの人生を女の子で過ごさなければならないからよ」
「ああ! なんだって! おい、フザケンナヨ、俺、帰る!」
「どうぞ……でもその婦人服は持っていってくださいね。きっと必要になるから」
デビーはドアを飛び出すと、私達に「クソアマ」と叫んで半マイル先のバーへ歩いて行った。
彼女は私達をナンパして、そこに車を残したままだった。
デビーは女の子の服にヒール姿のままだったが、まるでそれを気にかけないで歩いて行った。
デビーは去った。
ケリーと私はお互い顔を見合わせてお腹を抱えて笑った。
彼女は数日でここに戻ってくる。
私はソファーに移動するとケリーの隣に座る。
腕を首に巻きつけて、そっと引き寄せてキスをした。
デビーは私達を驚かした。
彼女か戻ってきたのは、あれから、たったの2日。
私達の計算では、実験から1週間はかかる予定だった。
しかし 彼女は たったの2日で戻ってきた。
彼女は激しくドアをノックした。
私がドアを開けると中へ飛び込んできた。
彼女は涙を浮かべていた。
「あんた達、雌犬! あんた達……いったい俺に何をした!」
彼女は甲高く荒々しい口調で金切り声を上げた。
彼女は男の服を着ていた。
でも明らかに彼女のシャツは胸で膨らんでいるし、丸みを帯びて大きくなったお尻はズボンの中で窮屈そうに見えた。
皮膚はより柔軟で滑らかに見えた。
メイキャップしていなくても 彼女の顔はより可愛らしく見えた。
爪のマニキュアは無くなっていたが、彼女の手は以前よりも小さく見えた。
彼女は全体的に以前より少し小さくなったようだ。
男の服を着ているのだが、はっきりと女性らしい外観を持っていた。
「デビー、また会えて光栄です。座っていただけませんか?」
私は慇懃に言った。
「qwせdrftgyふじこlp;$%YOU!」
彼女は叫ぶと、わっと泣き出した。
ケリーは彼女の手を引いてソファーへ案内する。
お茶を薦めたが 彼女それをは拒絶した。
デビーはソファーの上で嗚咽を洩らしていた。
ホント女の子みたい。
彼女の顔は涙と鼻水でくしゃくしゃになっていた。
私は彼女の目の涙を拭いて、彼女に鼻をかむようにとティッシュを渡した。
「落ち着いて……落ち着いて……なにか問題あったの?」
ケリーは何も知らなかった素振りで尋ねた。
「あんた達は、俺を女っぽく女装させた」
「そう……あれは楽しかったね、そうでしょ?」
私は言った。
「で今、俺、こんな風になってる! あんた達俺に何をした?」
「さぁ……何も……」
私は言った。
「貴女が自分でそうなったんじゃないの。実際のところ……」
彼女は怒って私を睨みつけた。
「だって、知ってるでしょ?」私は言った
「女の子は年頃になれば自然に身体つきが変わる事くらい知ってるでしょ、お嬢ちゃん。
体には少女から女性になる為の遺伝子があって、それは貴女の染色体にも絶対にあるの。
だから年頃の女の子はみんな自然に女性の体に変わる事は納得しなければしょうがないでしょ」
「でも、俺、女の子じゃない」
彼女は叫んだ。
「貴女の体が、そう思ったんじゃないの。女の子の体験したでしょ?
あれが切っ掛けでホルモンの分泌が始まったんじゃないの
それで体の変化が始まって、女の子の体になちゃったんじゃないの。それって おっぱいでしょ、ブラジャーつけてる?」
「生理まだぁ?」
ケリーは10代の女の子同士がするように尋ねた。
「あるわけないだろ!」
「俺を女の子扱いしないでくれ」
「ふふ〜ん デビー冗談言わないでよ〜ほらここ、シャツをめくってごらんよ」
ケリーは彼女のグレーのTシャツの裾を掴むと捲りあげた。
勢い良くおっぱいが飛び出す。
見たところBカップはありそうだ。彼女の胸はまだまだ膨らむだろう。
「これは俺んじゃない」
彼女は真っ赤な顔でシャツを掴むと下へ引き戻した。
私達はお腹を抱えて笑った。
彼女はどうしても認めたくないみたいだ。
「じゃー貴女は卵巣も子宮も無いと信じてるの?」
「俺に卵巣があるわけないだろ」
彼女は反抗的に言った。
「ホント? 最近婦人科に行った事あるの? 貴女、女の子特有の器官を全部もってるでしょ。
そのうち生理になるから、赤ちゃん作れるようになるよ。子供が産めるようになるの。すごくない?」
私は言った。
「あのな! 俺にはチンチンがある」
彼女は言った
「もう長くは無いわ」
私は言った。
「最近、そのあたり疼かなかった? まだ落ちてないの?」
「いいや」
「じゃ お姉さんが調べようか。パンツをおろしてよ、いい娘だから」
「い・や・だ!」
「ねえ、何かオカシイ事でもあるの? どう見ても女の子じゃないの?
貴女は違うって言い張るけど、女の子みたいに感情的に振舞ってるし」
「俺が言ってるのは、あんた達が俺に何かしたって事だ!」
「それに、私達もそれを乗り越えて女になったのよ。貴女自身でそれを乗り越えるの。
デビー、事実を受け入れるしかないの。受け入れて、女になって」
彼女は怒りに燃えた瞳で私を睨み付け、唇を噛み締めた。
これ以上何を言っても無駄と思ったのか
諦めたように何も言わなくなった。
「トイレ……貸りるよ……」
彼女は言った。
彼女は洗面所へホールを横切って歩いて行った。
予想以上の展開にケリーと私はお互いにほくそえんだ。
デビーは私達が予想したよりも短期間に、見事に変身したのだ。
女の子になってしまった彼女が未知の体験に困惑している姿を想像すると、私はゾクゾクした。
突然、血も凍るような悲鳴が洗面所から上がる。
私達は様子を見に走った。
デビーはトイレの傍らで涙を浮かべて立っている。
彼女の視線の先の便器の中、そこは汚物で血まみれになっていた。
良く見ると何やらプカプカと浮かんでいる。
「あーあ、とれちゃったの?…そうなるって貴女に言ったでしょ」
「俺のペニス……とれちゃった」
彼女は哀れな声で静かに泣いていた。
「それはだけじゃないんでしょ。ほら、あれ便器の中に浮かんでいる……よく見てよ、小さい奴。どう?」
「う……うっ……俺の……玉」
「ねぇ、いつまでも見てないで、流したらぁ?」
ケリーは容赦なくレバーを捻った。
ふとデビーを見ると、彼女は下水管に流されていく男の器官を魂が抜けたようにぼんやりと見ていた。
「デビー少し垂れてるよ。タンポンいる?」
ケリーは彼女を心配するように尋ねた。
彼女はぼんやりしていた。
それで、私達はまず彼女を座らせなければならなかった。
彼女をキレイに拭くと、タンポンを挿入する方法を彼女に説明してみせた。
どんな女の子でも出来る事だが、彼女には困難な作業のようだった。
「俺……女なんだ……」
彼女は弱々しく言った。
「最初から、そう言ってるでしょ」
ケリーが言った。
「女の子なんだ……」
彼女は再び言った。
私達はデビーを可愛らしい衣装で着飾った。
ようやく彼女はブラジャーを着ける事を同意してくれた。
女性である事を受け入れたからには、彼女は出来るだけ可愛らしい女の子になるつもりだった。
心理的に、彼女が新しい現実を受け入れる事は
非常に困難に違いなかった。
だが彼女はゆっくりだが受け入れて行った。
それと同時に、より女性らしくなった。
彼女の生理が終了するのに3日かかった。
もちろんこの間すべての女性がそうであるように彼女は気難しく、情緒的だった。
当然、生理の経験は彼女にとって初めてのものだった。
彼女の体はそれまで経験した事の無いホルモンの攻撃に晒されていた。
生理が止まると彼女は少し理性的になった。
私達は彼女に女性同士で寝るよう提案した。
彼女に女性のエクスタシーがどれだけ素晴しい快感なのか知って欲しかった。
そして一度彼女がそれを知れば、必ず自ら進んで女性である新しい現実を受け入れると私は信じていた。
さらに彼女が私と同じ、何度でもオーガスムに登りつめる事が出来る体質である事を望んだ。
その夜、私は彼女を寝室に誘った。
私とケリーは服を脱ぐと、ベッドに腰を下ろしてお互いの体を愛撫し始めた。
ケリーの口に重ねた唇は、やがて舌を絡ませる激しいキスになった。
私達の姿を見てもデビーはかって男だった時のような反応をしなかった。
彼女は女性としての処理の仕方に戸惑っていた。
「おいで……あたし達といっしょに……」
ケリーは熱い声で誘う。
「お嬢ちゃん、パンツを下ろして、こっちに来なさいよ」
可愛らしく、おどおどと立ち尽くす彼女に左右両方から近づくと、二人で彼女の服を剥ぎ取ってゆく。
私達は女の子はどこを触られる事が好きか、女の子のどこを刺激すれば興奮するかタップリ心得ている。
腕を彼女の体に絡ませと唇を奪う。
彼女は自然に呼吸が激しくなり、上気し始めた。
ケリーが彼女の首にキスをすると 私は彼女の乳首を舌の先で弾く。
彼女の太股の内側を雫がつたう。
激しい呼吸に甘い喘ぎ声を漏らし始める。
私は彼女に耳元に囁きかける。息を吹きかける。
彼女をベッドに押し倒すと、唇を塞いで舌を絡ませる。
二人掛りで彼女に襲い掛かる。
喘ぎ声は激しくなっていく。
やがて彼女は大きな嬌声と共にブルッと震えると体を硬直させた。
まだまだ、もっと女性の体を感じて欲しい。
私は彼女の股間に顔を埋めると、花弁に口づけをする。唇でクリトリスを刺激しながら時々舌の先でそっとなぞる。
求めるように腰を突き上げる彼女を焦らしつつ、肉襞を丹念に舐めていく。
内側から溢れる蜜を舌でキレイにすくい取る。
彼女が私の頭を押し返すまで私はそれを続けた。
「ケリーにも、して……」
ケリーは上気した顔で、彼女の顔を鋏むように膝立ちになった。
デビーはケリーの股間に顔を埋める。
彼女は私達の手で『女』になった。
さらに私は彼女をレズビアンに変えていくつもりだった。
彼女を私の手で仲間に変える悦びと興奮で私は何度もオーガスムを迎えた。
それから数日間、私達はデビーと何度も真剣なセッションを行った。
それはベッドの中の話だけじゃない。
彼女が学習すべき事は沢山ある。
女性らしい立ち振る舞い、女の子の服について、メイキャップのやりかた。
彼女は女性のオーガスムを体験してから、女性の生き方をより自然に受け入れるようになっていた。
1週間後。
彼女は夢中になって女性に成りきろうとしていた。
今の彼女なら もう男に戻りたいなんて考えないと確信した私は、女性に変身させた事実を素直に認めた。
彼女は驚いた表情を見せたが、非難する樣子も無く私に質問した。
「なぜ、あたしに?」
「この新テクノロジーを完成させる必要があったの。いずれ、これを大量生産して、男の女性化を世界中で始める予定なの」
「それをどうやって進めて行くの?」
デビーはさらに質問した。
「世界中の女性は私達の活動を見れば、きっと私達に協力してくれると思うの。
貧しくて戦争で混乱した国を想像してみて、女性ならば……きっと喜んで全ての男を女性化すると思うの。
そうすれば戦争は無くなって、子供達は死ななくて済むでしょ。
女性の抑圧されている国を想像してみて。
そこの男が女性に変われば、もう抑圧はなくなるでしょ。その時、私達が世界を引き継ぐのよ」
「どういう仕組みであたしを女の子にしたの?」
「貴女自身の遺伝子が貴女を女性に変えたの。私達は変身する状況を作っただけよ」
「どうやって? あたしは以前、卵巣が無かった。膣も無かった。そんな事できるの?」
「私達は貴女の体は若い女性の体だと思い込ませる処置をしたの。始めに、貴女にあるホルモンを注入したの。
それは貴女の体の女性器を形成する遺伝子のスイッチをいれる。最後に、成長促進の触媒を注入したのよ。
実験室では それが完了するのに1週間必要だったけれどね。それが最新の調合で数日になったの」
「じゃあたしの体は、最初の朝で女の子として既に変わり始めていたの? 私にドレスを着せていた時に?」
「そう、そしてそれは貴女が帰った後に加速したの。貴女が私達の所へ戻ってきた時は第二次性徴が進んでいたのよ。
あなたの胸が膨らんだようにね。興奮したでしょ?」
「はい、あたしはこの体を愛しています。言葉で表現する事が出来ないのですが。感じています……そう解放……されたの。
あたしは自分の人生の中で初めてのように感じるの。私は本来どうあるべきかって。伝わりました?」
「もちろんよ」
ケリーはデビーに近づいて抱きしめた。
私達はお互いに抱きあいながら寝室に向かった。
そこで私達は繰り返し愛し合った。
2週間後。
デビーの巣立ちの日が来た。
私達の手を離れてを一人の女性として世に出て行く日が来たのだ。
私は彼女に新しい使命を与えた。
男を連れてここへ戻ってくる事。
そして私達が彼を変身させる時に手伝う事。
さらに、もし男に抱かれてみたらどんな感じが知りたいなら
彼とセックス出来ると付け加えると彼女は露骨に嫌な顔をして見せた。
それは彼女の中にまだ男であり続ける存在的な雄性が残っている為か、
それとも私達が彼女を男に全く興味を示さない程のレズビアンに調教した為か理由は定かではない。
なんであれ、彼女は私達にとって都合のよい、男に全く興味を持たない女性なのだ。
私達が次の男を変身させた後、彼女はデビーとカップルになった。
そう、私達と同じ女性同士のカップルが2つになったのだ。
計画実現速度が倍になった。
1ヶ月あれば4つのカップルが出来るだろう。
2ヶ月で8……16……
年末には、私達と同じ女性同士のカップルは4000以上になる。
この計算は生まれながらの女性を加えていないので、その時街の男の数は100人未満まで減っている事になる。
その後は国中でこの計画を実行する。
我々の時代は、この手に……。
End