--1--

俺は21歳童貞男の体重100kgのデブなひきこもりだ。
小学校では友達が出来ず家でゲームばっかりやっていた。
中学校でも同じようなものだ。高校は入ったが行かなくなりやめてしまった。
そして家ではテレビ・ゲーム・ネットの掲示板ばかり見ている。
なんでこんな人生になってしまったのだろうか……

くそ、親の教育が良ければ……放任主義じゃなければ、こんな人生には……
もう、中学校ぐらいで女と付き合っていれば、こんな人生には……
ふう、決意しても三日坊主だけど、ちゃんとやっていれば、こんな人生には……
ああ、女に生まれていれば、こんな人生には……

あーあ。でも全部手遅れもうだめだ。人生終わったな。
なんて思ったこともある。

そんなおり、うちの両親が交通事故で氏んでしまった。
ひきこもりの俺は行き場をなくしてしまったが、
父方のおじいちゃんだけは生きていて、あてのない僕は行くことにした。

「おおう、来たか! うわっはっは! ひきこもりとは時代の最先端をいっておるのう!」
このじいちゃんは発明家だ。豪快なのはいいが、何を考えているやら。
家はやたら広いのはいいのだが、発明品?やら、がらくた?やら……まあいいや。
「お久しぶり……相変わらずだね」
「わっはっは、まあワシ財産はあるから、一生ひきこもれ! なんてな」
「いやー、それはまずいと思いますけど」
まずいことはわかっている。けど、どうしようもない。まず何をしていいかすら……
それにどうも前向きにはなれない。どうせやっても失敗して終わりだしさ。
「とりあえず研究室……じゃなかった、ひきこもりルームを作ったから、そこに住め」
「研究?」
「いや、なんでもないぞ! 設備はだな、高速ネット回線、大画面テレビ、それから──」
早いパソコンやCSやケーブルテレビやらテレビゲームやらマンガやら小説やら、暇つぶしグッズいっぱい。
ある意味快適だが……このままじゃダメ人間なんだよな。


--2--

一ヶ月が過ぎたころ。
「変化がない。変化がないぞ〜」
「じいちゃん、どうしたんだ?」
「なんか変わりがないのだ。研究しても成果がないぞ〜!
だいたい高速回線があっても2ちゃなんとかいう掲示板、テレビもお笑いとアニメ、早いパソコンでもCPUフル活用しておらん。
CSやケーブルテレビでもアニメ、マンガはテレビアニメになったやつ、小説だってライトノベルしか読まないではないか」
「そんなこと言われても」
「最先端だから何か変わってると思ったのに。残念じゃのう」
「といわれてもなぁ……はぁ。」
「どうしてヒキコモリになったと思うんじゃ? 言うてみい」
「実は──」
じいちゃんには、いろいろ話した。じいちゃんは何も言わず聞いてくれた。
全てをさらけだして、泣いてしまった。でも、どうにもならなくて……
「そうか……わかった。ワシが発明で何とかしてやろう!」
そういってじいちゃんは研究所にこもっていった。


--3--

それから、数ヶ月が経過した。また何も変化がない日々を送っている。
昼ごろ起きてパソコンとテレビの電源を入れて、お気に入りのスレを見たり、録画したアニメを見て、テレビゲームをやり、
用意された飯を食い、ゲーム・アニメ・小説などの新作情報をチェックし……

これじゃあだめだな……でも……はぁ。

「でーきーたーぞー!」
じ、じいちゃん!? どうしたんだろう? 研究所に行ってみると、
「おぉ、きたか! できたぞ! これじゃ! さあ入れ!」
何かのマシーンに無理やり押し込められた!
「スイッチどーん!」
ウィイイイイイン!
何かの液体が出てきてって、うわっおぼれる!?
「大丈夫じゃ! 呼吸できるから安心せい!」
「ちょ、ちょっとまてえええええええ!!! ゴボゴボゴボ」
……
……
……
暗いところだ。何も見えない。何も聞こえない。何も匂わない。
両手や両足を伸ばしても何も触れられない。
なんか、体が溶けていく感じ。なんか不思議な感覚。
でもいいや……どうせやる事・やりたい事・やらなければならないこともないし。
これで人生が終わったとしても、誰も悲しまないだろうし。まあいいや……

……ふぅ、パソコンのエロ画像消しておくんだった。

ウイーン、がちゃ!

ま、まぶしい! な、なんだ!?
なんか液体が肺に残ってゲホッゲホッゲホッ うー。
「あ、あれ? 俺、氏んだんじゃないの???」
「わーっはっは! 実験は成功じゃ! さすがわしじゃの!」
「じ、じいちゃん。なにをしたのさ?」
「己の体を、よく見てみい!」
ん? 何か変か? 手が長くて細くてやわらかくて……
あれ?太 っていたのにやせている。腰も細い。足も長い。
って……お、お、おっぱい!?
股間に手をやると……ない!? アレがない!!!!!
「あー、あー、あれ!?」
声が高い感じがする。

な、なんだこりゃあああああ!!!!!

そう、俺、じゃなくて私は、女になっていたのだ。
しかもアイドルとかグラビアとかそういう感じのいい女。
それに体が軽い。運動神経抜群そうだし。
でもいきなり女になったと言われてもなぁ……

「じいちゃん、これ……」
「成功したな! ラッキー、じゃなくて当然じゃ! 天才発明家だからのう!
体を細胞レベルで分解し再構築したのじゃ。DNAなどは少々いじっておるがのう」
「これでどうしろと?」
「いや、これでかわいい孫もひきこもり脱出じゃ! どうだ!」
「そ、そんなぁ」
「それに、実は娘が欲しかったのじゃ〜。男ばっかりだと華がなくてのう。
それにこうすれば、もう大丈夫じゃ。しかも知識もいっぱい脳にあるはずじゃ!」
そういえば頭が良くなった感じはあるなぁ。
「ワシの研究を引き継いでくれればと思ったのじゃ」
「でも……」
「とりあえず女になれるまではヒキコモリルームにいるのじゃ」
「……うん、わかった」

……とりあえず戻ってみた。
なんか戦隊モノとか冒険モノより、恋愛モノとか少女漫画が読みたい感じがする。
やっぱり脳の構造まで変化があるのだろうか。
でもとりあえず女になったらやるってことは……オナニーだろうなぁ。
女のほうが数倍感じるとか長く感じるとかいろいろあるしなぁ〜。
すぐに女性用オナニーグッズを取り寄せてみた。

鏡の前で股を開いてみる。体がやわらかくなっているようで180度ぐらい開く。
こ、これが女の子なのか……
確かにネットでは見ていたけど、こんななんだぁ〜。ちょっとグロイが感動かも。
これがクリトリス……ローターで刺激してみよう。
ぶいいいいぃぃぃん
う、うわあぁびっくりした。き、気持ちいい。もっと、もっとしよう……
男みたいに出したら終わりじゃない、ずーっと気持ちいい。
あぁ、いいよう、ああああ。
もっと、もっとぉ、そうだ、バイブだ、バイブ入れてみよう。
初バイブというか初セックスか!? バイブだけどまあいいや。
コンドームをつけて、ぬるぬると入れてみる。……なんか広げられている感じ。
でもいいよぉ、一番奥と手前がいい、刺激がくるとくすぐったいような気持ちいい感じ。
もっと動かしたい、こすりつけたい、もっと、もっとぉ、うん、うああぁあぁ。
乳首にバイブをスポーツテープで固定してみよう。ああぁ、気持ちいい、乳首もいいよぉもっとしたいよう。
あぁ、もっとぉ、もっとおおおおおおお……


--4--

「体変換ましーんの開発は成功だが、ひきこもり脱出はできんかったか……」
あのあとは、ずーーーっとオナニーしまくり、エロ本よみまくり、ヤオイ本も……考え方その他もろもろ全部女になってしまった。
そう、結局はオタク女になってしまったのだ。コスプレ衣装もよく似合う。
かっこいい男性キャラなどなどと妄想しまくりでオナニーしまくりになった。

「もうだめじゃのう、こいつは。わしには財産もあるし、一生面倒見てやるとするか」
息子夫婦の教育のヘマじゃ、情けない、と独り言をいいながら、
自分の好みのスタイルのかわいい孫との生活を意外と楽しんでいるのかもしれない。
おじいちゃんの知識を受け継いだからいろいろ一緒に発明していくことだろう。

「ふぅ、オナニーにも疲れたわ〜」
すっかり女言葉も板についたころ、リビングに出てみると。
「じ、じいちゃん、それは……」
「うわーはっはっは! わしも女になってみたのじゃ! どうじゃ? うふん!」
「や、やめてくれ〜」
「レストランで女性メニューが食いたいのじゃ! いいじゃろう!」
まったく、じいちゃん、いや、ばあちゃんときたら。
「……そうだね、ご飯、食べに行こう!」

そして人生を楽しくすごしたそうな〜

〜おわり〜












「うわーはっは、なあ、両性具有になるように改造できたのだが」
「じいちゃん、そりゃいらん! ……でもいいかも!」


〜本当に終わり〜


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