呪われた日は確実に存在する。そんな日は何をやっても失敗するもんだ。
俺にとって今日が、まさにその日だったのだ。
腹立たしい一日の最後を居酒屋で締めくくり、俺はフラフラと自宅に戻るところだった。
気づいた時には『ドンッ』と鈍い音がした。
俺はゴミ溜めの中に、頭からダイブしていた。
「ごめんなさいねぇ;;」
チリンチリンという自転車が過ぎ去っていく音、少し離れた所から若い女性の声が聞こえた。
「ざけんなー(`д´#)」
俺はゴミ溜めの中にしゃがみ込み、ゴミでもぶつけてやろうと、
ガラクタの中にゴソゴソと手を突っ込みながら、逃げていく女性に大声で怒鳴った。
女性は猛ダッシュで逃げていくところだった。
「はー、ついてねーやー」
俺はゴミの中から手を抜くと、握り締めていた物を眺めながら溜め息をついた。
それは小さな白い格闘魔法少女の人形だった。
「今日の俺、何かに呪われてるよ、ほ○かちゃん、プリ○ュアになって俺を守ってよ」
ゴミの中で立ち上がると、俺はその人形をなんとなく捨てる気になれず、ポケットの中に突っ込んだ。
身体中にイヤな匂いが付いている。俺は袖で体の汚れを拭うと、トボトボと自宅に戻っていった。
家に帰り、人形と一緒にお風呂に入る。
ベットの枕元に人形を飾ると、……俺を導いてくれ……、パンパンと手を叩いて布団に潜り込む。
俺は深い眠りについた。
夢を見る。真っ暗闇の中
『闇の力のしもべ達よ』
白い格闘魔法少女が叫ぶ。
『とっととおうちに帰りなさい』
俺は少女のような声で叫んだ。
……ええ!?……
そこで目が覚めた。
ガバッとベットから上半身を起き上がらせる。
知らない間に朝になっていた。ペタっと自分の額に手を当てると慣れない感触があった。
……髪……?
見慣れぬ髪。茶色く、眉の上にかかっている。
皮膚の感触も、すべすべとした、柔らかい感じに変わっている。
やけに肩が重い。俺は目線を落とした。
「な、何だコレ」
見慣れぬ、いや良く知っている、黒いゴスロリのような衣装と胸の大きなリボン。
非常識にもブーツまで履いている。
白いリボンを押し上げる、見慣れぬふくらみが俺の胸に張り付いていた。
体を揺すってみると、肩のフリルがヒラリと二の腕を撫でて、胸が連動して左右に移動する。
その度にわずかな痛みを感じ、それが俺の身体の一部であるという事を認識する。
「……ありえない……」
そのまま数秒あっけにとられる。
……俺の身体に何が起こった?!……
ふと思いつき、ベッドから立ち上がるとカツカツとブーツの音を立てながら廊下にある姿見の前に走った。
「なんてこった……」
俺の身体は女子中学生のものに変わっていた。
ショートヘアーの茶色い髪。色は浅黒いが端正な顔。
日本人女子中学生にしては小さめの胸。
剥き出しの腰はたしかにキュッとくびれている。
(む、旧タイプか?)
黒いスパッツのゴムはぴちぴちに張って、大きな尻を隠しきれていない。
むっちりとした太腿から伸びる足は、すらっと長い。
そしてその身体は昨日拾った人形の相方のものだった。むろん俺は良く知っている、確かにそうだ。
「呪い…なのか…ありえない」
自分でも馬鹿げたことを呟いたと思う。しかしその状況は、そうとしか説明がつかなかった。
「あ、っ」
気づかないうちに俺の右手は自分の左胸を衣装の上から弄っていた。
「なっ、んだこれ」
好奇心に身体が負けたのか、俺の身体は勝手に胸を強く揉みしだいていく。
「っ、はあっ」
すぐに甘い息があがる。胸に痛みと、感じた事のない快感が走る。
先端が隆起して、ポッチが黒い衣装の内側を押し上げている。
「んっ……」
じれったくなり、黒い衣装を捲り上げて鏡を見ると、ミカンのような小ぶり肉の房が俺の胸に盛り上がっていた。
「ああっ、はあっ」
力を込めて揉むごとに胸はしこりを増して、張りつめる。先端が切なく疼き始める。
俺は右胸を掌で支えると、指先で乳首を弄ぶ。
最早理性で押さえきれなかった。
左腕は自然に下半身に伸び、スカートベルトの隙間から手を差し込んで、股間の中をまさぐり始める。
男のモノはなく、亀裂ができていた。
もうぐちょぐちょに濡れているそれに、俺は迷う事なく指を入れる。
「あああっ!? はあっ」
がくがくと身体が震えるほどの快感。立っていられなくなり、地面に膝をつく。
「うあっ、ああっ、ああああっ…ありえない…」
俺はあられもない声を上げて喘ぎ狂っていた。身体を別の何かが動かしているみたいだった。
「ひっ、ひいっ」
自分が自分で無くなっていく恐怖を感じる。
しかしそれ以上に快感のことしか考えられない。
俺は右胸の乳首を抓る。
「――っ!!!」
びくびくっと身体に電撃が走る。
「ああっ、気持ち、いいっ。コレぇ……」
右手では夢中になって胸をこね回す。
黒いスパッツが手の形に膨らんで動き回っている。
その先端に浮き出た黒い染みが大きく広がっていく。
さわさわと左手は秘芽を探り当て、すっと手を添える。
「そ、それっ、駄目っ、駄目ぇ……」
俺は懇願の言葉を口にする。…それをされたら俺じゃなくなってしまう…そんな気がした。
「ダメッ、駄目だっ、ああっ」
しかし左手は俺の言う事を聴かなかった。秘芽に添えた手で、それを、ちゅっとつまんだ。
「い、嫌だっ。嫌、嫌、嫌!」
そしてじわっと力がこもる。瞬間、視界がブラックアウト。
「ああああああああああああっ!?」
物事の意味が分からなくなる。自分と世界の境目が解らない。
がくがくと身体は震え、そのまま背筋をピンと張りつめさせて、光の園へと達した。
気を失っていたらしい。起き上がると鏡を見る。
ブラックの身体。そして『あたし』はにやりと笑う。
「とっとと、おうちに帰らなきゃ。ねぇホワイト…」
ベットの方を振り返った。