目がさめると、メイアが俺のチンポをしゃぶっていた。
長い髪の毛が俺の腿にかかって、メイアが動くとかなりくすぐったい。
 そういや寝る前はサンタの服を着せて、バックからアナルセックスまでしたんだよな。
痛がっていたけど、最後には大きな声を上げて失神しちまった。他の部屋に人がいなくて良かったぜ。
 この日、このアパートの中には俺一人(メイアもいるけどな)。
他は空家か、泣けなしの金で予約したホテルで女とよろしくやってるか、彼女の所にしけこんでいるかのどれかだった。
 一人身の空しいクリスマスイブだったが、エロサンタの登場でそれも報われた。
ビバ、クリスマス! こんな素晴らしいクリスマスは、まだ何も知らなかったガキの頃以来だ。
 外はまだ真っ暗だ。時計を見ると、まだ4時を回った所だった。
 実は、何発メイアとハメまくったかおぼえてない。本当に疲れた。
俺もメイアも、二人の体液で、特にへそのあたりから足首までべとべとだ。それなのに不潔な感じは少しもしない。
メイアの匂いがいいからかもしれないな。
 俺のチンポを、鼻を鳴らしながらしゃぶっているメイアは、なかなか勃起しないのに熱心に舐め回している。
何回も発射しているので、さすがにもう限界だ。一発目の前だったら、これだけで口の中にぶちまけてたな。
 そうこうしているうちに、射精感だけがこみあげてきて、チンポが震えた。
メイアはちゅうちゅうと音を立ててすすったが、何も出てこないようだった。
しばらく舌で尿道をつついていたが、そのうちあきらめたのかやっとチンポを離してくれた。
「ふー。満足満足ぅ……」
 メイアは名残惜しそうにチンポを見ていたが、俺は立ち上がって箱の底に残ったティッシュで後始末を始めた。
本当は風呂に入りたいところだが、あいにくなことに俺の部屋には風呂はない。
銭湯もこの時間は閉まっているし、コインシャワーなんてものもこの近くにはない。
 それでも俺は満足だった。チンポの先から赤玉が出たって不思議じゃないな。
今の口での一発なんか、もう先走りの汁すら出なかったくらいだ。
 そんな俺を見ながら、メイアが妙なことを言った。
「満足して――いただけました?」
「ん? おう。すっげえ良かったぜ。お前、サンタを首になっても、これで喰っていけるよ。満足満足!」
 最初は何日でも犯しぬいてやりたいと思っていたけど、さすがにこれだけやりまくると腰にくる。
それに一週間、いや一月くらいはオナニーしなくてもいいんじゃないかと思うくらい極上のセックスだった。
 もう二度と風俗なんかにゃ行けないな、とにやにや笑いながら俺はメイアの方を見た。
 メイアも笑っていた。でもそれは、いやーな笑い方だった。
 背中がぞくっとした。
 冷えたかな、と思ったが部屋は暖房が効いていて汗が出るほどだ。
「では、”契約”は成立ですね」
 なんかとんでもなくヤバそうな感じだ。
「契約?」
 俺に返事もしないで、メイアは裸のまま、指をパチンと鳴らした。
それと同時に俺はばったりと床に倒れてしまった。まるきり体の自由がきかない。
「なにしやがんだ、おい!」
 股からザーメンを垂れ流しながら、メイアが倒れた俺に近づいて言った。
「何のために体中を舐めてあげたとおもうの? あんたの体に印をつけて、魔力を導入するためよ」
「お前、何者だ! サンタなんかじゃないだろ」
「あら、今頃気がついたの?
サンタクロースの格好をした女の子とセックスしたいだなんて、ずいぶんとお手軽な願いだったこと。どう、楽しかった?」
「……もしかしてお前、悪魔とか言ったりして?」
「ピンポーン♪」
 にっこりと笑って、かかとで一回転すると、メイアは肌も露なレザーボンデージルックへと変身した。
 浅黒い肌に、背中には黒い、コウモリのような羽もある。
さっきまでのほわほわとした雰囲気はどこへやら。髪の毛も金髪へと変っている。
妖艶なお姉様なのに、微妙に幼さも感じられる。
 実にイイ女だが、そんなことを考えている余裕なんかなかった。
 メイアは、スリットから丸見えになっている股間から俺のザーメンを指ですくって、
どこかから取り出した紙に、それをなすりつける。
 すると、紙はボンッ! と音を立て、煙になって消えてしまった。
「契約完了! ま、ちょっと詐欺っぽいやり方はしたけど、望みはかなったでしょ」
「もしかして、それって……」
「ピンポンピンポーン♪」
 転がっている俺に、メイアも寝転んで顔を近づけてきた。
「あなたの願いをあたしが感じ取って、ここにきたってわけ。ここんところ暇だったからね。
正式な要請じゃなかったけど、いちおう契約としての形は整ったわけだし、あなたの魂は頂くわよ」
 熱い吐息を吹きかけながら、メイアは嬉しそうに言った。これが本当に嬉しそうなんだよな、くそっ。
「ちょっと待てぇ! たかがセックスをしただけで殺されるなんて割に合わねえだろうがっ!」
 顔だけは動くので、俺は頭を左右にぶんぶんと振った。
「たかがぁ?」
 メイアの目が釣り上がった。そして膝立ちになって俺の顔をまたいで、股間を俺の鼻と口に押しつけた。
「人間じゃ一生味わえないくらいのセックスをさせてあげたんだよ?
このままだとあんた、どんな人間の女でも満足できなくって、そのうち性犯罪に走って人を殺して、死刑間違いなしだよ。
どっちにしても地獄行き決定なんだからさ。あははっ!」
 笑いながら、金色のヘアーに包まれたオマンコをぐいぐいとなすりつける。
苦しいのに、興奮してしまうのが男の悲しいサガだ。俺は夢中になって、メイアのあそこを舌で舐め始めた。
何度も味わったオマンコだが、悪魔の姿ではまた味わい……ってのも変だけど、感じがまた違う。
「どう? いいでしょ。あたしは第一級限定解除魔族……」
 続けて言った言葉は、台風の中でさえずる小鳥のような、奇妙な響きを持った、
心地いいのにどこか凶凶しい雰囲気の不思議な音だった。
「人間の言語でわかりやすく発音すると、メイア・エツェルガット・ユヒァオローグ・レーネンってとこかな。
自由にこの世界を動きまわっている悪魔ってわけ」
「限定解除とかって、どっかで聞いたような話だな。マンガかなんかだったか
な? 悪魔ってのもずいぶん、俗なもんなんだな」
 舌を止めて俺がそう言うと、俺の全身が締め上げられるようにきしんだ。
痛いなんて生易しいもんじゃない。死ぬんじゃないかとマジで思った。
「うぎゃあああっ!!」
「あたしを怒らせたね? 魔族をからかった罪は重いよ。覚悟するんだね」
 股間を押しつけるのをやめて、メイアは言う。美人なのに、えらく怖い。いや、美人だから怖いのか。
 メイアが俺にふっと息を吹きかけると、体がぼこぼこ泡立つように膨らんでゆく。
巨大な水ぼうそうができたような感じだ。でも、痛みはない。
「わああっ! 体が、体がっ!!」
 身動きできない俺を、メイアは楽しそうに見ている。本当にこいつ、性格悪いな。
悪魔と言うだけのことはあるわ。俺の体はみるみるうちに縮んでゆく。
 なんか、胸が膨らんできたような気がするんだけど。
 メイアの方を見ると、にやっと笑っている。
 こいつ、まさか……!?
「今度はあたしが、いーっぱいかわいがってあげるからね。
最後に女としての快感を経験してから地獄行きってのも悪くないでしょ?」
「地獄行きも、女になるのもごめんだ!」
「抵抗したってムダムダ〜♪」
 すっかり女の体になってしまった俺の胸を、メイアは尖った舌でぺろぺろと舐めた。
「ふ、ふえっ!」
「どう? 感じるでしょ」
 頭の天辺からつま先まで、ずきーんと痺れたね。
男としてメイアに俺の乳首を舐められた時も意外に感じたけど、今度は全然違う。
 濡れた……と思う。体が疼くってのはこんな感じなのか?
 メイアは俺の胸を揉みながら、乳首を赤ん坊みたいに吸っている。
「はんっ! あはぁん! い、いやあんっ!
か、感じちゃうよ……って、何で女みたいな言葉を……んっ、すげっ! 胸の奥が、熱い……」
 爪の先で乳首をほじるようにされると、痛痒い。
それなのに、何かを突き刺されたような刺激が背中の方に向かってずーんと走る。
初めての感覚に戸惑う俺の胸を、メイアはいいようにいじくりまわす。
「やめっ……痛いからやめてくれよ!」
 悲鳴を上げると、声がどうしても甲高くなってしまう。
「痛いんじゃなくて、気持ちいいの間違いでしょ?」
「だから、やめろって!」
 痛いのも確かだったが、半分は嘘だ。
 俺はマゾじゃないから痛いのが気持ちいいなんて思ってないが、
これはそんな概念を軽くぶっ飛ばしてしまうほど気持ちがいい。
「おっぱいはだめなんだ。ふーん。じゃあ、お尻はどうかなっ♪」
 ごろんと横にして、メイアは俺のケツに手を伸ばしてきた。
「こら、やめろって!」
 体が動かないので抵抗できないが、せめて言葉だけでも抵抗する。
「さっきはお尻だけは後のお楽しみにとっておいたんだよね。どう? 恥かしいでしょ。
抵抗できないのに恥かしいところをいじられるのって、いいと思わない?」
「思わねえよー!」
 抵抗しようとする俺を見て、メイアは満面の笑みを浮かべながら俺の背後に回った。やっぱりこいつ、悪魔だわ。
「わあ、かわいいお尻っ。おいしそうな初物ねえ。ごちそうになりまーす!」
「ごちそうって、おい!」
 俺の抗議を軽く聞き流して、尻に手をかける。うつ伏せにされて何も見えなくなってしまった。
それだけに全部の神経が、メイアに触られている尻に集中してしまったように感じた。
 空気でひやっとしたかと思った次の瞬間、熱い衝撃がへその方に向かってズーン! と走った。
「あひゃああああっ!」
 俺は情けない悲鳴を上げた。むずがゆい何かが、俺のケツの中でぐにょぐにょと動いている。
たぶんメイアの舌だ。ウ○コをがまんする時のように、尻にぎゅっと力をこめようとするが、まったく体は動こうとしない。
「なかなかの名器じゃない。こりゃ掘り出し物だったわね〜♪」
「名器って……あのなあ!」
 本来は出ていくところなのに、そこに異物が入り込む感覚はなんとも異様なものだった。
それが徐々にくすぐったい感触、そして気持ちいいと思うようになるまでそんなに時間はかからなかった。
「あら、お尻をひくひくさせちゃって! そんなに気持ちいい?」
 中に舌を差し込んでいるはずなのに、メイアははっきりとした言葉を口にした。
「な、中に入っているのは舌なんだろ?」
「そうよ」
「じゃあ、なんでしゃべれるんだよお……」
 メイアは俺のお尻を撫でながら平然と答えた。
「だって悪魔だもん」
 なるほど、納得だ。
 ……じゃねえって!
 ますます巧妙になるメイアの舌の動きに、俺はアナルでイッちまうんじゃないかと気が気じゃなかった。
舌が抜き差しされるだけで、俺は息も絶え絶えになってしまっている。
こんなのばっかされたら、俺は変態になっちまうんじゃないだろうか。
 太腿がぴくぴく震え始めて、ようやくメイアは舌を抜いてくれた。
舌が抜かれる感覚だけで、下半身全体がじわーっと痺れるようだった。
「うん、いい具合に蕩けてきたね。じゃあ、ちょっと今の姿でも見せておこうかな」
 メイアはちょっと思案して、パチンと指を鳴らした。
「鏡よ!」
 呟くが早いか、鈍い銀色の縁取りのある年代物っぽい大きな鏡が俺達の前に突然現れた。
メイアは俺の体を起こし、あごを軽くつかんで鏡の方に向けた。
「ほーら、かわいいでしょ」
 おそるおそる目を開いた。
 俺のあそこは、つるつるだった。もちろんそこには、女のソレがくっついているわけなんだが。
メイアがあそこにあてた指をVの字に開いて、中を見せつける。
 思わず唾を飲み込んじまったよ。男だったら絶対勃起しちまうくらい、いやらしく男を誘っているのがわかるんだ。
メイアの指を伝って、透明な液体がつつーっと流れ落ちた。
 でもそれ以上に俺の目を引いたのは、鏡に映った俺の顔だった。
 昨日までの俺だったら、絶対に自分の女にして毎日セックスしたいって感じるような、メチャクチャかわいい子がそこにいた。
細身で、胸は俺の好みからはだいぶ小さいが、形良く盛り上がっておいしそうだ。なぜか俺は、あんまんを連想しちまった。
 肌はサンタを装ってた時のメイアのように、真っ白だった。さわったら溶けてしまいそうな雪のようだ。
髪は黒のベリーショート。まるで男みたいだ。というか、俺は男だけど。
フケだらけのぼさぼさだった面影なんかはどこにもなくて、体が少し動くだけで髪がさらさらと左右に揺れる。
「ふふっ、見とれちゃってかーわいいんだあ」
「見とれてなんかいねえって!」
「ダメ、ダメ。隠したってあたしにはちゃーんとわかるんだから」
 背中にメイアの胸が押しつけられている。
 なんか、変な感じだ。
 肌の感覚がいつもとは全然違うみたいだ。産毛をなでる空気の流れまで読めそうだ。
「女の子の体って、いっぱい感じる所があるでしょ」
 俺の考えを読み取ったように、メイアが言った。同時に、俺の全身の自由が戻ったのがわかった。
「放せっ!」
「だーめっ♪」
 メイアは嬉しそうに、暴れる俺を押し倒した。
「暴れてもいいけど、すぐ抵抗できなくなっちゃうわよ」
「いいから、どけよ!」
 殴ろうと振りかぶった手を軽く払いのけ、メイアは俺の二の腕に軽く指を走らせた。
「ひゃんっ!」
 思わず変な声が出ちまった。手がびりびりと痺れる。
「どーお? こんなのでも感じちゃうでしょ。さあ、次行くわよ」
 そう言うとメイアは、まるで楽器を演奏するような指さばきで俺の体に指を這わせた。
 尾骨からきゅーんっ! と無数の虫が頭に向かって走り抜けたようだ。俺の体がぴーんと弓反ってしまう。
くすぐったいなんてもんじゃない。気持ちいいとか、そういうレベルでもない。
表面を撫でられているだけなのに、体の奥底まで熱くなる。
「んひゃうっ! あふうっ! あう、あうーんっ!! ひゃあんっ!」
 俺の口を突いて出るのは、男とは思えない女の声。それも、快感に溺れてきっている甘えた声だ。
恥かしいと思えば思うほど、体はどんどん熱くなる。
 こうして俺は、メイアが両足の間に顔を埋めるまで何もすることができなかった。
サンタ姿の時の愛撫は、これに比べりゃお遊びもいいところだ。
「なに……するんだよ」
「そろそろ、あんたの女の子……ま、はっきり言や、オマンコね。そこを味わせてもらおうかなーと思って」
「俺は、男だ……ってば」
「でも今は女の子だもんね」
 メイアは股間から顔を上げて、俺と視線を絡ませあう。
「あたしの舌は子宮まで届くよ? 一度味わったら二度と人間の男なんかに抱かれたくなくなっちゃうんだから」
 言われなくても、俺はホモじゃないから男なんかに抱かれたくはない。
肉体的には女でも、俺の心は男のままだ。絶対に女なんかじゃない。
「大丈夫。処女膜は傷つけないから。舌でバージンなくしちゃうのももったいないからねっ♪」
「もったいないじゃなくて! あ、やめっひやぁぁっ!!」
 びらびらの表面をべろっと大きく舐めてから、指でスリットに沿って撫でたみたいだ。
見たくない。俺は目をきつくつぶった。だが、それはかえって想像をかきたてて、興奮を増す材料にしかならなかった。
「ぎひぃっ! や、あ、やめ、やめてっ!」
「どう? すっごくいいでしょ」
 メイアが舌を伸ばしたまま器用にしゃべる。
「お、お前……っ! 絶対に、なんか変なことしてる……だろっ!」
 途切れ途切れに声を出すのがやっとだ。
「そうよ〜。媚薬を流しこんであげてるの。あんたみたいな生意気な男を女にして犯(や)っちゃうなんて久し振りだしね。
全部の穴がぐちょぐちょになるまで犯し尽くして、もう死んじゃうって時になったら、魂を刈ってあげるから」
 しゃべりながら舌を噛まないかと願っていたが、相手は悪魔だ。
 ドリルのようにねじ込まれる舌が、俺の体の中を蹂躪する。
男には決して無い器官の初めての感覚は、メイアのテクニックのせいもあるんだろうが、信じられないくらい良かった。
 それでも俺は、耐えた。
メイアが子宮口から子宮へと媚薬をにじませながら舌をこじ入れても、俺は絶対にイクもんかとガマンした。
腰ががくがく震えて、乳首が痛いくらいに膨らんでも、堪えた。
 あそこから熱いものがだらだら溢れているのはわかっていたが、無視することにした。
そうでもしなければ正気なんか保てっこなかった。
 30分ほどかけて俺を舌で犯し尽くしたメイアは、ついに顔を上げて、俺に向かって呆れたように言った。
「簡単に堕ちると思ったけど、意外に強情なのね」
「あ……ったり、まえ…だ。お、俺はおとこ、だからな」
 そうは言ったが、体には力なんかほとんど入らない。
「じゃあ、こうしよっか。私が今から言うことにガマンできたら、あんたを元に戻してあげる。
魂もいらない。契約破棄ってことにするわ」
「本当か?」
「もちろんよ」
 俺は度重なる限度を越えた快感によっての、正常な思考能力を失っていた。
悪魔がそう簡単に魂を手放すわけがない。これはやつらにとってのゲームなんだ。
 だが、俺はメイアの誘いにふらふらとのってしまった。
「じゃあねえ……私の上にのっかって」
「それで、どうするんだよ」
 腰に力が入らないが、気力を振り絞って床に腰を下ろす。カーペットのざらざらした感触がくすぐったかった。
「それでね、この上にあなたのあそこをあてて、10分ガマンできたら許してあげる」
 メイアの股間に突如としてピンク色の塊が出現した。
まるでソーセージみたいだが、それはまぎれもなく、男のチンポそのものだった。
 ごくっという音がした。
 その音に驚いて周りを見渡してから、それが自分が飲み込んだ唾の音だと気がついた。
 俺はついに、『濡れる』という感覚を本当に悟った。
 男としてのプライドとか、そういうものが音を立てて崩れそうだった。俺は女の本能に目覚めてしまったのだ。体が疼く。
 チンポが――欲しい。
 頭を軽く小突いてその考えを振り落とし、俺はよろよろと横たわったメイアの体の上にのしかかった。
「ほらほら。ちゃんと狙いを定めておいた方がいいわよ。じゃないと、お尻のバージンを先に無くしちゃうから」
「じょ、冗談じゃないぜ。俺は、絶対に……お前に、負けないからな」
「ふふーん、上等上等♪ そうでなくちゃゲームの意味がないもん」
「ゲーム?」
 曇った俺の思考に、何かが引っかった。
「ほらほら。はーい、オマンコを開きますよ〜」
「やめろって! 自分で……自分でできるからさ」
 メイアのなすがままにされるのを嫌って、俺は自分でメイアのチンポを自分のあそこにあてがった。
(これで突かれたら、どんなに気持ちがいいだろう?)
 一瞬、とんでもない考えが脳裏を横切った。
「今から10分間ガマンしてね。はい、スタート!」
 チン! と、どこかで音がした。
 俺はその音で我に返って、目をつぶった。
 10分だ。たった10分がまんすれば、俺は元に戻れるんだ。
 それなのに、もう俺の腰はがくがくと震え始めていた。
力が入らないというのもあるが、それ以上に入口にあてがわれている物を、俺自身が求めているのがはっきりとわかった。
 オマンコがじゅくじゅくと濡れている。
メイアのチンポはちっとも動いちゃいないのに、俺の意思に反してオマンコはチンポが欲しいとよだれを垂れ流していた。
 たった10分が、無限にも感じられた。
「メイアぁ……本当に、まだ3分しかたってないのか?」
「嘘はついてないわ。ほらほら、腰が落ちてきてるけどだいじょうぶ?」
 俺は慌てて足に力を入れた。でもすぐに腰が落ちてくる。
その動作が何度も繰り返されると、それだけで気持ちがよくなってしまう。
 よく考えられたゲームだ。俺に勝ち目なんか最初から無かったんだ。
 俺が全てを悟った目でメイアの方を見ると、あいつはにやっと笑った。
やっぱり、俺を逃がすつもりなんかなかったってわけだ。
 もう、いいやぁ……。
 ふっと気が抜けた瞬間、すとんと俺の腰が下に落ちた。そして下腹を突き抜けるような衝撃が俺を襲った。
「う、うわあああっ! 痛い、痛いっ!!」
 真っ赤な筋が、俺の白い股を伝って流れ落ちる。ほっぺたにも熱い物が伝うのがわかった。
 涙だった。俺はぽろぽろと涙を流していた。そう意識すると、もう涙は止まらなかった。
「あははっ! 自分でバージン失っちゃうなんて、エッチなんだあ♪」
 メイアが腰を突き上げる。
「勝負は私の勝ちね。それじゃあなたを、今度こそ好きにさせてもらうわ」
「あひぃっ! メ、メイア、痛いってば!」
「だーいじょうぶだって。すぐよくなるからね〜」
 メイアは床に手を突いて、ブリッジをするように腰を浮かせる。当然、俺は深く挿入されてしまうことになる。
 あんだけ長いチンポだ。半分も入らない。ところが、メイアに突かれているうちに、それがどんどん見えなくなってゆく。
「なんか、おかしなこと……してないか?」
 メイアは蕩けるような笑顔で答えた。
「あんたの子宮の中に入ってってるのよ。いいわぁ……人間の女の子の中って久し振りだけど、やっぱりいいわ〜」
「俺は……男だってば!」
「誰が見たって、かわいい女の子よ」
 メイアは鏡を指差した。俺はつられて、つい、鏡を見てしまった。
 そこにいたのはまぎれもない、女が快楽にふける淫らな姿だった。
「やめろ! こんなの、嘘だっ!」
「嘘じゃないわよ。こんなにチンポで突かれて、それでも男だって言い張る気かしら?
男が聞いて呆れるわ。あなたは女の子よ」
「違う……違う」
 だんだん頭が朦朧としてくる。
 男だって? そんなの、どうでもいいじゃないか。だって、今は、こんなに気持ちいいんだから。
「ああん、いいっ! オマンコがいいよぉ!」
 自分で言って、自分で驚いた。
 女言葉でしゃべると、それだけで感じちまう。
「メイアぁ……あ、あたしのオマンコ、もっと激しく突いてぇ!」
 いつの間にか、メイアが俺の上になっていた。
「ふふっ。かーいいんだからぁ」
 大きな胸を俺の小ぶりなバストにぐりぐりと押しつける。
 メイアのチンポが俺の中で暴れまわる。人間には絶対できないマネだ。
 堕ちてしまえば、後は楽だった。
 そして俺とメイアは、時間を忘れてお互いを求め合った。
男の時にメイアにしたプレイをそっくり真似され、俺は何度も恥かしいと言いながら、それでも拒否できなかった。
 頭の中までメイアに犯されちまったようだった。
 気がつくと俺は、メイアの上で腰を振っていた。自分で胸を持ち上げて乳首を吸おうと舌を伸ばして、喘いでいた。
 どこか、夢のような光景だった。
 目がさめたら、またいつもの暮らしが戻ってくるのかもしれない。
 そう考えると心がやすらいだ。
 そんな俺を休ませるほどメイアは優しくなかった。ぐいぐいと腰を突き上げ、アナルに挿入した悪魔のシッポも回転させた。
 もう何十回目かの、天井知らずの快感が爆発しそうだった。
「イク、イクぅ!! イッちゃいますぅぅっっ!」
 叫ぶと同時に、俺は恥ずかしくもションベンを漏らしてしまった。
あそこから、ぴゅーっと噴水のように出てくる光景は、他人事ならもしかしたら興奮したかもしれない。
「あら、あんた潮吹いてるじゃない」
「え?」
「やっぱ、あたしとの相性バツグンなんだね♪ こんなに感じちゃって、いやらしい人!」
 メイアはとどめに、俺のクリトリスをぐりっと指でひねった。
「あぎ、ひいぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!!」
 頭が爆発した。
 それから先、俺はしばらく記憶がない。

***********************************

 目がさめると、メイアが俺の上にのっかって腰を振っていた。
ボンデージスーツはどっかに脱ぎ捨てたのか、すっぽんぽんだ。
「おはよ、お姫様♪」
 メイアは上機嫌で俺にキスを求めてきた。はねのける気力なんかなかったので、そのまま唇と舌を受け入れる。
ねちょねちょと唾と舌が絡みあう。メイアの唾は、少し苦かった。
サンタの姿の時は甘く感じたのに、と俺はぼんやりとした頭の隅で考えた。
 だるい……というか、ヤリまくり過ぎで体が動かねえ。
 それなのに、俺の体はメイアの動きに敏感に反応している。これって、二日酔いの迎え酒に似てるかもしれないな。
 最初に犯された時よりも倍くらいに膨らんだメイアのチンポが、俺の中をえぐっている。
こいつの中に入れた時もそうだったけど、入れられるのもたまんなく良かった。一杯に広がっているのに、きつくない。
奥の方、たぶん子宮の方までまんべんなく、細胞の一個一個まで数千万の舌でしゃぶられているような気持ちよさだ。
「……どいてくれよ。重いから」
「んまっ! そんな事言っちゃって。抜いてもいいのかな?」
 そう言ってメイアは素直に腰を引いた。
 ぐぽぽっとすごい音がして、俺は思わずそっちの方を見た。
 俺のアソコから、メイアのぶっといチンポが引き抜かれてゆく。
色がピンクなのが少し笑っちまうけど、俺の中から出てきたヒダも負けないくらいきれいなピンク色だった。
 頭がくらくらする。
 たぶん、メイアは俺が気を失っている間にも何発か俺の中に出したんだろう。
へそから下はべとべとだった。そのせいか、今まで触れ合っていた部分が空気に触れてすーすーする。
「あはっ♪ あんたのおまんこがイヤイヤしてるよ? あたしのチンポと離れたくなぁいって言ってる」
「そんなわけないだろ……バーカ」
 バカと言ってから、俺は慌てて口を手で押さえた。こいつを怒らせたら、次はマジでメス犬にでも変えられかねない。
「うん、素直でよろしい」
 メイアは怒らなかった。
「あたしとあんたの相性はぴったりなんだ。珍しいね。あんたはラッキーだよ。普通はこんなことないんだから」
「はあ、そうですか」
 うきうきしているメイアとは対照的に、俺は力無く答えた。
 腰はもう、がくがくだった。男と女の両方で腰を使いまくったので、全身に力がまるで入らない。
だけど気持ちいい。まだメイアの手や舌の感触が俺の全身にまとわりついているようだ。
 メイア、お前、絶倫すぎるぞ。さすがは悪魔だな。
「本当は魂だけ刈り取って行こうかと思ったんだけど……」
 俺の顔を鋭い爪でなぞりながらメイアが言った。
「あんまりにカワイイんでさ、ペットにして永遠にかわいがってあげることにしたの。
地獄のあたしの住み家でさ、毎日セックスしようよ。ね?」
「遠慮します」
「おや? ここはそんなこと言ってないよ」
 奴は親指と中指を巨大化させて、俺のあそこ……オマンコとアナルに突き立てた。
「いひぃぃぃっ!!」
「おやおや。さっきまで処女だったのに、もうこんなにおいしそうに咥えこんでいるじゃないの」
 やめてくれ。指を動かさないでくれ、と俺は叫びたかったが、声にならない。
気持ちいいなんて生易しいもんじゃなかった。
限界なんかとっくにきちまったはずなのに、それを突き抜けてまだ、気持ちいいのがどこまでも突っ走ってゆく。
俺は恥も何もかも忘れて悶えた。
「いい……いいよぉ……。メイアの指がいいんだよぉ!」
 メイアは俺の股間で指を動かしながら耳元で囁いた。
「地獄はもっといいよ。他のやつらにあんたの体を任せるのはシャクだけど、絶対イイんだから。
ね? 嫌だって言っても連れて行くからね」
「嫌だ……」
「素直じゃない人って好きだよ」
 メイアが俺のまぶたを舐める。知らないうちに涙が出ていた。メイアは俺の涙を音を立てて吸い取った。
指を引き抜かれて、俺はなぜか残念に思っていることに気づいて、ゾッとした。
 もう俺は、こいつ無しでは生きていけないんじゃないだろうか?
 俺の不安そうな顔を見て、メイアはこう言った。
「こんなにいい相性の奴なんて地獄でもそうそうお目にかかれないから、
本当は二度と離したくないんだけど、涙を見てたらかわいそうになっちゃった。
あんたの体に飽きたら、帰してあげよっか?」
「ど、どれくらいで帰してくれるのかな……」
 俺は恐る恐る聞いた。
 メイアはにっこり笑った。
「まあ、2万年くらいかな? もっとも、その頃に人間が存在しているかどうかまでは保証しないけど」
 悪魔みたいな奴だ。いや、本当に悪魔なんだけど。
「助けてくれーーーー!」
「ムダ、ムダ! ほら行くわよ」
 突然、畳にぽっかりと穴が開いた。黒く、底が見えない穴だ。というか、まるでブラックホールだ。
メイアは、じたばたと逃げようとする俺の首筋をつかみ、軽々と持ち上げて穴に放り込んだ。
「わ〜〜〜〜〜〜っ! 助けてくれぇぇぇぇぇっっ!!!」
「地獄に着いたら、さっそくかわいがってあげるからねー♪」
 上の方から楽しそうなメイアの声が聞こえる。そして俺は、どこまでもどこまでも落ちていった……。


 おしまい


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