爆発的な快楽がマーヤを襲った。
「んん!ひぃぃぃあああ!!!」
前戯時の絶頂。あれを少し超える感覚。間違いなくイッたと確信した。
「あ、あれ? イッたのか? まだ先っぽなんだけど…?」
(そ、そのようだ…)
伝えたいけれどあらぶる呼吸が整えられず、必死で首を縦にブンブンと振った。
「は、ははは。そりゃすごい感度だな。そら、もっと奥まで」
ズ、ズニュゥゥゥゥゥ!
さらなる侵入感。
また訪れる絶頂感。
「んひ!んんんあああ!」
今度は動きを止めることなく、そのままどんどん雄介が入ってきた。
「んんんんん! ひぃ、ああ、あん! はぁぁぁ!」
さっきまで感じていた「恐怖」なんて最初に挿入(い)れられた時点で霧散していた。
少し挿入(い)れられたときから、そしてそのまま身体の内側をひっかくように侵入される時、すべてを支配していたのは「快楽」だ。
そう、「女の快楽」。揺るぎようのない「最高の快楽」。
「ああ、お前の中すげえ気持ちいい。ああ、まだ入る」
「おお!おおおお!ま、まだああ!んんひぃ…」
ズドン!
最奥に到達したとはいえ実際はそれほどの衝撃でもないだろう。
しかし突き立てられる側にしてはとてつもない圧迫を感じた。
「すげえよ…。全部入って…ぬるぬる動いて…ああ」
一時的にしろ挿入による内壁の愛撫が止まったせいでマーヤ自身も落ち着きを取り戻した。
男が絶頂時頭が真っ白になるように、すでにこの状態でマーヤの頭は真っ白であった。意識が断続的になる。
自分が絶頂を迎えているのか否か、それさえも判断できない。
ただ男であれば……そう、男であればとっくの昔に盛大な射精をむかえていたことだろう。
もちろん女である今のマーヤが射精を行えるはずがない。
「イ…イッて…??」
全力で喉から搾り出すように放ったそれだけの言葉。疑問。自分はイッているのか?
「さぁ、俺に聞くなよ。まぁ、まだ入れただけだし別にイッてはいないんじゃないのか?」
であれば、雄介の言うことが本当だとすれば…
(こ、これが普通の状態…ってことか…!?)
ピク、ピクと痙攣するような身体の動きが止められない。落ち着きを取り戻したとはいえ、あくまで一時的なものだ。
少し気を緩めればおそらく自分の口からはあえぎ声しか出てこないであろう。あられもない、女のような…。
身をよじり耐え切ろうとしたところで串刺しにされたこの身体をどうにかできるとは思えない。
この拷問のような快楽から逃れることなど到底無理難題であると早々にマーヤは悟った。
だが…身をよじらずにはいられない。ほとんど無意識にこの快楽から逃れようとしているのだ。
それは自分の女の身体がこれから襲いくるであろう快楽に耐えられない、ということを示しているに他ならないのだろう。
意識が白濁しきった頭でイメージできたことはただ「深い」ということであった。
深い、あまりにも深すぎる。深い女だけの快楽。
「は…は…はは。ほんとう…にわ、私に…くふぅ!…入って…る……よ」
呼吸が落ち着かない。精神力が保てない。この状態でどうしてイッていないといえるのか理解できない。
「じゃ、動くぞ」
「ま、待って!」
まだあえぎ声以外を発することができたことが驚きだった。
マーヤは思いきり腹部のつねって痛みによる快楽の分散を試みながらも、上半身を起こして雄介に顔を近づける。
「待てって…お、おお!あ、頭がおかしく…なりそうなんだ…。こ、これ以上動くなんてマネしたら」
「いや、まだ入れただけじゃん。これからだろ、普通」
「もう、普通じゃない…はおおっ!胸はぁ…!」
ムニュゥっと絞り込むように乳房を揉みしだかれる。
「気、気が狂う…うああっ!!」
「じゃあ、狂ってもいいよ…」
悶えつづけ、それに必死で抵抗しようとするマーヤの姿に雄介自身も我慢の限界寸前である。
「ばか!…恥ずかしいこと言いそうだ…だからぁぁ!」
「いいじゃん。恥ずかしいことなんていまさら何もないでしょ」
「お前…んぐぅぅ!」
なおも抗議しようとするマーヤの口を雄介の口がそっと塞ぎ、すぐに離れた。
(!?…お、男にキスされ……)
事態を理解したマーヤは一瞬激怒したかと思うと、今度は蒼白になった。
「貴様、自分のしたことが、あああああああ!!!」
おかまいなしに雄介が律動を開始した。脳をかき回されるような圧倒的な快楽が全身をくまなく襲撃した。
気持ちよさの固まりであるような怒張が身体の内側をえぐりとる。
引き抜かれるたびにペニスのほぼすべてを外界にさらすため、再挿入のたびにはじめて入れられたような感覚が駆け巡った。
「ああああ! あああああああ! んんんんんん! んはぁぁあ! おおおお!」
マーヤは何かの獣のように遠吠えを繰り返すのみであった。
なにしろ膣で動かれるたびに男の射精を超える快楽が発生するのである。
しかも浮かんでは消える男の快楽とは違い、女の快楽は持続し粘るような性質をもつ。
一度発狂するほどの感覚が得られればなかなか消えない。それなのに休む間もなく股間で暴れられるのだ。
すさまじい性感。これが止まらない。登ればけっして降りられない。
10分なら10分、30分なら30分、男が射精しつづければどうなる?
ガクンと上半身の力が抜け、背後に倒れこむ。
「おっと…」
あわてて雄介が支えた。マーヤの目はすでに雄介を捉えてはいない。
「これまた、すげえ乱れっぷり」
体位が安定し、本格的に雄介も律動を開始する。
一回一回すべてを引き抜くように動かしていたが、今度は膣内でうごめくようにされた。
マーヤは膣のどの部分でもすさまじい快楽を得ることができるようだ。
子宮口近くまで突っ込んで円を描くようにぐりぐりと圧迫された。まったく気が狂う。
「あひぃい!ひいぃ!ひもちいいいいぃぃ!!」
「おいおい。これまた恥ずかしいセリフだな…」
涙にあふれた視界を覆う自分の頂を力まかせにわし掴んだ。
「んんん! おおおおっぱいぃ! んはぁ! 気持ちよすぎるぅぅ! な、なんで!?…くぅぅぅ!」
「な、なんでっていわれてもなぁ。自分の感覚なんだからそんなの」
自分の股間部分だけがすべてのような気がした。自分が股間以外の何者でもないような感覚さえする。
それほどまでに内部を蹂躙する肉圧は圧倒的であり、絶望的であり、官能的だった。
膣内でペニスに暴れられることがこれほどまでに気持ちいいものだとはまったく想像していなかった。
奇妙な形の肉槍は下腹部のどの位置にこすれても狂おしいほど気持ちいいのだ。
男のペニスというものはなんと攻撃的で、切ないほど愛しいのだろう。
驚くほど素直にそう思うことができた。もはやこの快楽を前に「男に犯される」ことなど小さなことに思えて仕方がない。
「はぁぁぁ!お、おま○こに力はいんない…」
「ん? まだそんな元気あるのか? ほれほれ」
「ああああ! おま○こ気持ちいい!!」
「ほらほらほら。まだまだだぞ!」
これまでの動き自体がまるで前戯であったように猛り狂った雄が蜜の溢れる穴に突き立てられる。
「あ! あああ! それ、すごい!」
(ああ! こんな敏感なとこで…)
「おらおら! どこがいい? どこでも突いてやるぞ!」
「すごい! すごい! すごい! すごい!!!」
(そんなものに暴れられるなんて…!!)
「ああああ!! だめっっ! もう、お、『女』でいいから! 私は『女』でいい!」
何かが弾けた。認めなかった自分の一面がはじけ、全身を覆い尽くす。
「なにいってんだ? そりゃそうだ」
「なにか!! なにか、きそう!!」
(… た ま ら な い ! !)
背骨が折れるほど弓なりにそらす。喉がつぶれるほど絶頂の叫びを放った。
「おお!おおおお!おおおっ!いくぅぅぅぅぅぅうううううううおおおおおお!!!!」
(女とは…サイコーだ!!)
全身から力の抜けてしまったマーヤを見て、ニヤニヤしながら雄介はいった。
「あらあら。イッちゃったみたいだな、ほんとうに。でもまだなんだよあ。俺は!」
あおむけのまま、動くことのできないマーヤに全身を重ねる。
「すべすべした肌触り。もうイッちゃいそうだ」
そして雄介は恐ろしいことをした。
興奮まだ冷めやらぬマーヤの肉体。
左の乳房をもみしだきもう片方の乳首を口に含む。深々と挿したペニスはそのままに自由な手をクリトリスにそえた。
ヴァギナ付近に感じる手。その意を悟ったマーヤの意識が恐怖のあまり目覚めた。
「お前、何をやって!」
「4点攻め、だな。」
次の瞬間…
「いくぅぅぅぅぅぅうう!」
最初の一突きで絶頂に達してしまった。
ズルルルルルウゥ…
ペニスが引き抜かれる。再度挿入…。
ずにゅうう!
「い、いく! ふああああ!」
ズルルルルルウゥ…
ペニスが引き抜かれる。再度挿入…。
ずにゅうう!
「がっ!!」
連続絶頂。
確か魔法士として性転換する前、「女とは気持ちよければ何度でもイクことができる」となにかで読んだことがある。
ズルルルルルウゥ…
ペニスが引き抜かれる。再度挿入…。
ずにゅうう!
「がはっ!!」
実際に今それを経験している。自分が女になって…
ズルルルルルウゥ…
ペニスが引き抜かれる。再度挿入…。
ずにゅうう!
「ひぐぅ!!!!」
男からすればそんな楽しいことはないと感じるだろう。マーヤもその一人だ。
ズルルルルルウゥ…
ペニスが引き抜かれる。再度挿入…。
ずにゅうう!
「がっ!!」
実際に経験すればそれらがすべてただの妄想だったと知るだろう。
苦しい。苦しすぎる。快楽が強すぎて。達するのが早すぎて苦しい。
ただのセックス時の挿入とは違う。フィニッシュとしての最後の一突きが今断続的に股間の内部で繰り返されている。
逃げたい。ただ一心にそう思った。だがそれが不可能なことはとっくにわかっている。
どうやってもこの快楽から逃げられない。やめてくれ、そういいたくても声にする間もなく絶頂が訪れる。
一度くらいの挿入は耐えられるだろうからそのタイミングで、と考えたりもした。
だめだった。理不尽なほど自分の女の身体は素直に受け入れる。
意識も限界だった。もう前が見えない。真っ白じゃない……真っ黒に……すべてが…
「おいおい。しっかりしろって。イきまくってるな。すげえ締め付け」
ペチンと頬をたたかれて視界に色がよみがえる。
「お前なあ。いくらなんでもイきすぎだって。この1分の間に何回イッてんだよ」
「でも…き、気持ちよすぎて…」
「いくらそうでも、ったく女ってのは…」
「はぅ、う、うるさ…いな。こんな感覚味わったことも…ううぅ、ないくせに」
「ったりめーだって。さ、ラストだ!」
「えっ! ひぃぃ! ぐっ!」
3回イッた。
「がっ! ぐぅ! がひっ!!」
また3回も…。
(イ、イクのが止められない…!!)
魔法士になるために女になった。でも…今はもうひとつのことしか考えられなかった。
「よおし! 膣に出すぜえええ!!!! おおおおおおお!!!」
「また、またいくぅぅぅぅうl!!!!!」
今度こそ異界のエリートは脳内が暗転した。薄れゆく混濁の意識の中、思った。
(女になってよかった……!!)

雄介は壊れるほどにマーヤに突き入れたまま大量のスペルマを放出した。
出し切るとそのまま眼下の胸の谷間にダイブする。
「はぁはぁ!よかった…。しかしすげえ乱れっぷりだった…。またからかってやろう」
久しぶりの心地よさを堪能しながらやがて訪れた眠気に身を任せた。
(女ってのもいいかもな)
次に目が覚めたのは翌朝だ。


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