「ん・・・あむ・・ん・・ちゅ・・・」
あの夜・・・初めて貫かれた夜から1ヶ月が経った。私はいまだ草川とベッドを共にしていた。
毎夜のように繰り返される陵辱は私から男としての意識を削り取っていった。
そしていつしか自分のことを"俺"ではなく"私"と呼ぶようになっていた。
草川は私を慰み者にはしたが傷つけることはしなかった。それどころか部屋を与え、食事や衣類も何一つ不自由することが無かった。
もちろん逃げ出そうとし、実際に逃げ出したこともあったが戸籍すらない私は仕事に就くことすら出来ず結局、自ら草川の下へと戻るしかなかった。
「ん・・・あ・・いい・・・・あん・・あっ・・いい・・もっと・・」
今日もまた昼間は読書をし、夜になれば草川に抱かれる。まるでペットのような・・・いや、ペットそのものの暮らしをしていた。
口からこぼれる喘ぎ声も始めて貫かれたあの日とはちがい、女そのものの歓喜を含んだものになっていて、
自分がかつて男だったことがまるで夢のように思える。だが頭に僅かに残る傷跡が夢ではないことを物語っていた。
「だいぶ従順になったね・・・大塚君。安心したまえ君は私が飼って上げるから・・・飽きるまではね」
いつまでこの関係は続くのだろう・・・私には判らない。ただ私はその日1日を生き抜く為に今日も草川にその身を捧げる。
The END