ぐっとご主人様の体が動いて、オレにのしかかる。
「っひゃ!」
ぬるっとオレの入り口をペニスがさわる。
「んんぅ!」
今度は上から下へ。
「は・・・はやくぅ・・・挿れてよ」
「そうは言っても・・・見えないしなぁ。腕解いてくれないと」
「や、やだっ!」
「どうしろ、と」
「んにゃっ!」
下から上になぞられた。
「は、離せない。腕。怖いんだよぅ」
「んー・・・よっ!」
じゅぷっ
「ひうぅっ!! ・・・は、入って、きたぁ」
「処女・・・なのかな? 一気に行くよ?」
疑問形だったけどオレが答える前に、ご主人様は体重をかけてくる。
体の中から ぶつっ と音がしたように感じた。
「にゃうううううっ!!!」
痛い。痛くて、壊れるかもしれない。
不安になってご主人様を抱く腕に力を込める。
「やば・・・鈴のナカ、キモチいい」
「んっ、んっ、んふっ」
ナカに入ってきたご主人様のペニスがビクビクするのにあわせて、浅い呼吸を
して震えることしかできない。
「鈴? どんな感じ?」
「っは、 お腹ん中、びくっってぇ、動いて、はぁんっ! 熱い、よぅ」
「痛くない?」
「ん、っは、もう、ちょっと・・・待って」
「それ、結構難しいぜ」
「うぅ、あと、・・・1分」
「あー、無理。1分は無理だ」
ご主人様がオレの首筋にちゅ、と軽くキスして、
「鈴、もう動くよ」
「ちょ、まっ! ひゃああんっ!」
じゅぶっ ぬりゅ じゅぼっ くちゃ
―――すご、キモチいっ。
ペニスが一番奥に当たるたびに背中・首筋を通って、ぞわぞわしたものが走り抜ける。
最初から2、3突きはゆっくり確かめるように。
次第にご主人様のスピードが上がってくる。
すでにオレの発する声は形になっていない。目も映像を写していない。
「んあはっ! うあっ! はんっっ! ふぇぅ!」
オレが喘ぐたびに頭のベルがちりちりと鳴る。
ぐじゅっ ちりん じゅぶっ ちりん じゅぼっ ちりり
「んーっ! でる、鈴んナカに! うくっ!!」
「んにゃぁああああああああっっ!!」
体中に稲妻が走って、脚がビクビクと震える。
視界の全部が白になって、深い眠りに落ちた。
―――寒い。
しょぼしょぼする目をこすりながら、ベッドから半身を起き上がらせる。
布団の中ではリョウタがこっちを向いて寝ていた。
・・・なんで、リョウタがここにいるかな?
「んー・・・ん、おはよう。鈴」
「んにゅ・・・おはようございまふ。リョウタ」
「朝乳・・・いいねぇ・・・」
リョウタの視線を追うように、目線を落とす。
ちりんと、ベルがなる。
覚醒する。頭が冴えてくる。
「ぅわああっ!!!」
慌てて布団を胸元に掻き抱く。その際、肘が硬いものにあたったけど、気にしない。
「っつー・・・朝エルボーもまた、よきかな。がくり」
「効果音つけて倒れてる場合じゃないっ!ぅわっ、うわー!!!」
どんどん昨日の夜の光景を思い出す。
「女になっても朝は弱いのなぁ・・・。って・・・あれ?」
「うぅぅ・・・あんなこと設定されたとはいえ、リョウタと、寝るなんて、信じられん・・・」
布団に顔を埋めてぶつぶつつぶやくオレを尻目に、リョウタは起き上がった。
「鈴? 今オマエ、オレのことなんて呼んだ?」
「・・・リョウタ?」
「「ああーっ!!!」」
元に戻ってる!や、体は女だけど、ご主人様とか呼んでない!
「なんてこった・・・。設定って・・・時間がたてば消えるもんなのか?」
「そうなのか? あ、でも、違う気が、する・・・」
「んー、鈴、朝食の用意を」
「かしこまりました。リョウタ様。
・・・メイドの設定は残ってる」
「残る設定と、消える設定があるってことか」
いそいそと、朝食の支度をするべく起きだすオレ。自分の股間を見て、昨夜のことを実感する。
「・・・朝ご飯の前に、風呂、入る」
「ぉ、オレも一緒にぶるがっ!」
鉄拳の冴えは今日もよさそうだ。