体にピッタリと張り付くこの衣装が、こんなにも恥かしい物だとは思わなかった。
「あ、あの…」
 僕は、羞恥に体を震わせながら声を上げた。
「なに?」
 分かっているくせに、姉はわざとらしく聞き返してくる。
「も、もうやめようよ、姉さんっ」
「あら、せっかく買ってきたんだし、それに、こんな格好できるのも女の子でいられる今のうちでしょ?」
「だ、だからって、何もこんな格好……っ!」
 僕は、身を包む“スクール水着・ゼッケン付き”の生地をつまんで、言い募った。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 あのあと、結局姉は僕に対して手を出してこなかった。
色々な服(というか、コスプレ衣装みたいなモノも多かった)を買い込むのに夢中になっていた。
 その表情は、鬼気迫るものがあって怖かった。
 それでさんざん買い込んで家に帰って、姉は言った。
「さ、着せ替えごっこしましょ」
 ………。
 こうなると分かっていたのに、抵抗できない自分が悲しい。
「い、いやだよっ!」
 それでも、一応の抵抗は試みた。すると、姉は意外な提案をして来た。
「そうねぇ……じゃあ、着せ替えごっこが終わったら“女の子から男の子へ戻れる薬”を作ってあげる。どう?」
 信じていいのかどうか迷ったけれども、結局僕はそれを信じる以外に道はなかった。

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 それで、今の状況になったという訳だった。
「そう? スク水は気にいらないのね。じゃあ、次はコレね」
 姉は、デジカメのシャッターを切りながら、次の衣装を取り出した。
 “体操着・もちろんブルマ・当然ゼッケン付き”だった。
「………ぁぅ」
 交換条件を明確に提示され、了承してしまった僕には、それを拒絶することは出来ない。
 姉は、それをカメラに収めていく。当然のように、着替えている最中の格好も、撮られた。
「んっ……」
 するりと、スクール水着が足元に落ちる。
 当然、その下は何も着ていない。
 体を隠しながら、急いで体操着を取って、下着をつけるのももどかしく、着替える。
 ぱしゃりぱしゃりと、連続してシャッター音が響き、そのたびごとに体が熱くなっていく。
「可愛いわぁ、祐ちゃん」
 姉に冷かされながら、白のオーバーニーソックス(姉のこだわりらしい)を履いて、着替え終わった。
 上着はまだマシだけど、下のブルマーはスク水と同様なレベルで恥かしい。
急いで着替えた所為で下着を着けていないため、ほとんど下着を晒しているような気分だ。
 上着を下に引き伸ばして、少しでもそれを隠そうと試みる。
「ああ、いいわね、その羞恥に染まった表情に仕種」
 露骨な煽りだと分かっていても、頬が熱くなって、それが全身に伝染するのを止められない。
 その熱が、下腹部のあたりに集中してくるのを感じた時には、僕の頭はぼうっとしてきて、まともに思考できなくなっていた。
「体が燃えてきちゃったかしら? ふふ、今日一日さんざん可愛がってあげたものね」
 姉が、いつの間にか傍らに寄っていて、太ももに手を這わせてくる。
「ぁ………っ」
 それだけで、僕の体から力が抜けて、がくりと膝をついてしまった。
 同時に、じわりと、体の奥からにじみ出てくる何か。
「あらあら、ブルマにいやらしいシミがついちゃったわね。ホント、可愛いんだから」
 ブルマを撫でながら、姉が言う。
「い、言わないでよ……っ」
 自覚していただけになおさら恥かしかった。
「褒めてあげたんじゃない」
「ひゃ、ぁぁぁっ!」
 ブルマのすそをつまんで、一気に引き上げられた。
 股間に布地が食い込んで、背筋から頭まで電撃のような感覚が走る。
 背筋が反り返って、一瞬意識が跳んだ。
 気付いた時には姉の顔が目の前にあって、口をふさがれていた。
「ン……」
 姉の唇は、何故か、痺れるように甘かった。
 思考が快楽に流されていく。
「んむぅ……ん」
 上着が、胸の上まで捲り上げらる。
 もう、抵抗はしなかった。姉になら、されてもいいと思った。思って、しまった。
 その様子を感じ取ったらしい姉は、僕の胸をいじりながら、舌を侵入させてきた。
 その舌が口の中で蠢くたびに甘い痺れが走って、胸から生じる痺れと合わさって、体の奥を刺激する。
 太ももを、何かが伝っていく。
「っ……ふぅ」
 姉の唇が唾液の糸を引いて離れて行く。
「ふふふ、そんな残念そうな顔しないの。これからもっと気持ちよくしてあげるから」
「ぁ…っ」
 姉は一息置いて、首筋に舌を這わせる。
 ぬめりとした感触も心地良い痺れに変わって、体を流れていく。
「ぁっ…あぁ………ぃっ!」
 胸をいじっていた手が、いつの間にか下に移動してブルマの中に入り込んで蠢いていた。
「床までたらすほど感じちゃってるのね、祐ちゃん」
「ぁっ、だ、だって、それは姉さんが……っ」
 中に進入した指が動くたびに、僕はおかしくなっていく。
  こんな快楽を味わってしまって、男に戻れるんだろうか。
一瞬だけ、疑問が頭をよぎったけれども、すぐに白濁した思考に飲み込まれてしまう。
「ダメよ、人のせいにしちゃ。祐ちゃんがこんないやらしいのが悪いんだから」
「ひぁぁぁっ!」
 胸の先端を歯で甘噛みされ、同時に秘芯を転がされ、体が反り返った。
「……そろそろいいかしら?」
 そう言って姉は、僕を床に寝かせると、服を脱いでいく。
 今の僕とは違って立派な胸を持ち、そして同時に、男のモノを備えた異形が現れる。
「凄いでしょ。祐ちゃんがいやらしいから、こんなになっちゃった」
 昨日まで僕が持っていたモノよりも、かなり大きい。
 姉はソレをつかんで、僕に擦りつける。
 熱い。ソレが触れただけで、痺れた。
「いいわよね、祐ちゃん」
 姉が、求めてくる。
「ぁ…く……ぅん」
 嫌だ。嫌だというのに、何故か、僕の首は立てに動いてしまった。
 怖いのに、体がソレを求めて、言う事を聞かなかった。
「じゃあ、いくわよ」
「………っ!!」
 股間の布地を脇ずらされ、そこにモノをあてがわれ、じっくりと侵入されて、一気に貫かれた。
「あ゛ぁぁぁぁっ!」
 ぶつんと、何かが切れるような感じがして、体が引き裂かれるような痛みが生じた。
 体の奥底が貫かれた痛みに、僕はただ叫ぶ事しか出来なかった。
「我慢しなさい、男の子…じゃないわね。まあいいわ、いやらしい祐ちゃんのことだから、すぐによくなるわよ」
 ………。
 ………。
 ………。
「ぁん…っ」
 痛みに翻弄されて、姉に蹂躙されて、どれほどの時間がたったんだろう。
 気がつくと、僕は甘い声を上げて姉を受け入れていた。
「ほら、良くなってきたでしょ? ひょっとしたら、初めてでいっちゃうかもしれないわね」
「ぁぁっ、ぁっ…っ、くぅんっ」
 姉の動きは、次第に激しくなっていく。
「ぁぁ、ぁぁっん、ぅん」
 その一突きごとに、大事な何かを失いながら、僕は、高みへ押し上げられていく。
「んっ。そろそろ、私もいくわよ……中に出してあげる」
 姉が、とんでもないことを言いながらさらに激しく僕を突き上げる。
 頭の中でちりちりと火花が散り、目の前が白濁していく。
「ひっ…あっ、ぁんっ」
「んんっ!」
 姉が硬直し、そして、僕の中に精が吐き出された。
「んっ…っ!…ーっ!」
 同時に、僕の意識も真っ白になって、そこで途切れた。


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