俺の名前は砂川薫(すなかわかおる)。
15歳の高校1年生だ。
高校受験で名門の公立高校になんとか入学でき、最初のうちは通学に2時間近くかかり苦労していたものの、
今では友人も増え高校生活をエンジョイしている。
俺は身長が160cmにギリギリ届かない程度しかなく、周りの人たちからはよく童顔だと言われる。
言われるたびにムカッとしてついつい暴言を吐いたり手を出しちまうけど。
あと、俺はパソコン-とくにインターネット関係-に詳しく、童顔だとか言ってきた奴の携帯にメールボムを送りつけたり、
なんとなしに大型掲示板サイトの2ちゃんねるに連続スクリプト爆撃をしかけたりするなど、裏では結構な悪事を働いていた。
その事を知ってる奴は友人の鈴木隆(すずきたかし)以外いないはずなんだが、
いつの間にか俺がそういう悪事を働いてるっていう噂が広がっているようだった。
まあどうせ隆が洩らしたんだろう。アイツ口軽いしな…。
アイツに俺が2ちゃんねらーだってついつい口を滑らしちまったせいで…。
おかげで俺のことを影で嫌ってる奴もいるみたいだが、
そういう奴は中学県大会で5位まで行った俺の空手でボコボコにされるわけだ。
背は低いけど俺すごいんだぜ。
今日もちょうどさっき昼休みに一人を体育館裏でボコボコにしちまった。
ま、俺につっかかってくる奴が悪いんだけど。
半泣きになりながら「ちくしょー、覚えてろよ!」とか叫んで逃げてったのがなんとも滑稽。
俺ってサド気質だな、絶対。
・・・・・・
「おーい、薫!! お前昼休みに田村をボコったってホントかよ? 今度は何があったんだ?」
隆が呆れ半分に笑いながら尋ねてきた。
「ん? ああ…。あいつ、2ちゃんねるの『強制女性化小説スレ』とかいうところに、
俺が女にされてあいつにめちゃめちゃに犯されるっていう小説書きこみやがったんだ」
「プッ…!! なんだそれ?!」
「知らねぇよ、んなこと。とりあえずムカついたからボコっといた」
俺はそういってノートパソコンを取り出して携帯と繋いでネットに接続した。
「薫?何するつもりだ?」
「今からそのスレを荒らしてくる。
テキトーに『変態ども逝ってよし( ´,_ゝ`) プッ』って100レスくらいつけてくるわ」
「はあ…。ホントお前ってバカっつうか単純っつうか。何やってんだか」
カチャカチャカチャ。カチッ。
「よしっ。いっちょ出来上がり。住民の反応が楽しみだなぁ」
「はいはい。そういうのは家で一人で楽しんでくれ。もうそろそろ帰ろうぜ。
今日テレビでバレーボールの試合あるから早く帰りたいし」
「おう、すまねえ。俺もそれ見ようと思ってたとこ。じゃ、帰るとするか」
俺はカバンにノートパソコンをしまい、隆と2ちゃんねるについて語りながら帰った。
・・・・・・
「かおるー? いつまでテレビ見てるの? もうバレー終わったでしょ?」
「はいはい、わかってるよ。勉強してくればいいんだろ。母さんイチイチうるさすぎ」
「もう!」と呆れた顔をして母さんはテレビのあるリビングから出ていった。
それから俺も自分の部屋に戻りすぐにパソコンをつけた。
もちろん昼の書き込みの反響が楽しみだったからだ。そこには憎悪の念が渦巻いていた。
「なになに…?『お前みたいな奴はティンティン切断されちまえ』『神様、>>245を犯していいですか?』
『とりあえず>>245の女性化きぼんぬ』だって? ハハハ、なんだ? これ? 低脳ばっかだな」
俺はあまりのおかしさと馬鹿らしさに笑ってしまった。
さらには意味不明な長文まで貼られていた。
『あなたは重大な過ちをおかしました。よって女性化の刑に処せられます。これは天罰です。天罰なので〜(中略)』
俺はそいつらを相手にするのも面倒くさくなり、とっとと回線を切って寝ることにした。
薫は夢を見た。
その夢の中で何が起こっているかはよくわからなかった。
ただとにかく身体が熱い。身体がウネウネと動いているような不気味な感覚さえする。
そして最後に下腹部に激痛がはしり、薫はハッと目を覚ました。
(ふぅ…。夢か…。イヤな夢見たなぁ…)
ふと時計を見ると朝の6時30分だった。
(やっべ!急いで準備しないと遅刻しちまうじゃねえか)
急いで起き上がり準備をしようとしたがどこか違和感を覚えた。
(なんか身体がダルいし歩きづらいぞ…。それに髪の毛も肩まで伸び…。ん? 髪の毛…?)
「うわあぁぁっ!!!!」
甲高い声が部屋にこだまする。
(へっ?! なんだ?! 今の声は?? まさか…?)
「あー。あー。あー」
口から可愛らしい女の子の声が漏れる。
「あー、あー。も、もしかして、こ、声変わりってやつか…?」
薫はわけもわからずパニック状態になっていた。
なんとか気を落ち着け、他に何か変わった点はないかと自分の身体を見た。
なんとパジャマの胸の部分にふっくらとした2つの膨らみがあった。
「な、な、な、な、なんだこれ!!!?」
薫はすぐにハッとし、即座に股間に手を伸ばした。
(な、な、無い!! 俺のチ○コが無くなってる!!)
「薫? 上で何かあったのー? 変な声が聞こえたけどー?」
下から母の声が聞こえた。
(げっ、マズイ! こんな姿を母さんに見られたら!)
「ちょ、ちょっと気分が悪いから今日は学校休むよ。か、母さんは仕事に行ってて」
なんとか低い声を出して薫は答えた。
「あら? そう。じゃあお母さんはもう家出るわよー? 風邪には気をつけなさいよ」
ガチャンと玄関の閉まる音がした。
「フゥ…。助かった…。一体どうなっちまったんだよ!! まさか俺の身体は…」
その先は言えなかった。口にするだけで何かを失うような恐怖感を感じた。
(とりあえず鏡だ。鏡でちゃんと確認しないと…)
ふらふらと鏡台がある母の部屋に向かおうとした。
「あれ? お兄ちゃん大丈夫? 具合悪いんだったら休んどかなきゃ」
下の玄関の方から突如妹の加奈の声がしてぎょっとした。
(フゥ…。幸い後ろ姿を少し見られただけで済んだみたいだ)
「あ…ああ。すぐベッドに戻る。お前も早く学校行かないと遅刻するぞ」
壁に身を隠しながらまたもや低い声を無理やり出して対応した。
「あ、いけない。急がないと。けどホントに大丈夫なの?声がかすれてるよ?」
「大丈夫だから早く行け…」
「じゃあ行ってくるねー。絶対安静にしてなきゃ駄目だよ」
「…ああ」
(死ぬかと思った…)
・・・・・・
鏡に写った自分を見たとき唖然とした。
髪の毛は肩より下まで伸びており、顔は肌がツルツルになったということ以外はとくに変わっていなかったが、
もともと童顔だったためかどこからどう見ても中学生くらいの女の子にしか見えなかった。
さらにダボダボのパジャマにもかかわらず胸部が突起しており、ウェストはくびれ、ヒップもふっくらとしているようで、
鏡の向こうの女の子はまるで男を誘うようなポーズであった。
(か、可愛い…)
薫は鏡に写しだされた女の子に見とれていた。
(本当にこれが俺なのか…?)
3分くらい鏡の前でボーッとしていたが、そんなことをしていても埒があかないので、どうすれば戻れるのかを模索することにした。
しかし、それも無駄なことだった。
(クソ! なんで俺がこんな目に合わなきゃいけないんだよ! 俺がなんか悪いことでもしたか?!)
思い当たる節はいくらでもあった。
「はぁ…。天罰かなぁ…」
自分で天罰と言ってふと思い出した。
「そういや昨日の2ちゃんねるで天罰がどうとか言ってたな…。いや、まさかな…」
そんなわけないと思いつつも不安でしかたなかったので、とりあえずネットを繋げて強制女性化小説スレを開こうとした。しかし…
『このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
現在 通常のブラウザで読む事は出来ないです。
html化されれば読めるようになります。(通例、2〜3ヶ月ほどかかります)』
(まじかよ…。なんでDAT落ちしてるんだよ…。クソ!
仕方ねぇ。Part1から過去ログ見るか…。なにか手がかりがつかめるかもしれないし)
薫はしぶしぶと1スレ1レス毎調べていった。
(クソ! この長ったらしい小説も読まなきゃいけないのか…。面倒くせえ…。まあ仕方ないか…)
とりあえずカイト君シリーズという作品を読むことにした。
(へぇ…。かなり練りこまれてるなぁ。てっきりこういうところの投稿ってマトモなものないと思ってたけど)
いつの間にか薫はカイト君シリーズのSSを読むのに必死になっていた。
『こ、こんなものが俺の股間に・・・い、いやだ、俺は男だ!!』
(なんだか…小説読んでたら身体が熱くなってきた…。どうしちまったんだ…)
『あ、あついい、あついよおお』
「はあはあ…。なんだか…俺の身体…フワフワしてる…」
(ナニカ欲シイ…)
身体の奥で何かがジンジンしている。
小説を読み進め、官能的なシーンを読めば読むほどそのドス黒い何かが蓄積されていく。
「はぁはぁ…」
息苦しくなり、襲ってくる何かに耐え切れなくなり、なぜかはわからないが本能的に手を胸に伸ばしてしまった。
「あっ…、っん!」
手が胸に触れ鋭い感覚が薫を突き抜けた。だがそれが一体なんなのかは理解できなかった。
自分の口から出た女っぽい声が嫌だった。
(なんだ…? 今の感覚)
もう一度胸に触れてみる。
「っ!!」
なんともいえない感覚だった。
スプーンのような鉄類を舐めた時に全身が鳥肌立つのに似たような感覚だった。
ゾクゾクして気味が悪いのだが、なぜかもう一度触ってみたいと思わせる感覚だった。
(も、もう一度だけ…)
おそるおそるもう一度胸に手をあてた。
「んああっ!!」
下腹部から何かがジワっと込み上げてきた。
(よくわからない…。けどやめたくない…。けど…)
今まで経験したことのない不気味な感覚に戸惑ったが、ダボダボのパジャマが乳首と擦れ合い、触りたいという欲求は加速していった。
手で胸をゆっくりとこね回した。
「あ…、あはん…!!ああ…」
(気持ちいい…)
自分の男としてのプライドが女の声を発してしまうことに嫌悪感を示したが、
一度気持ちいいと認識してしまうともう駄目だった。
(もっと触りたい。もっと…!)
今度は激しく胸をこね回した。
(はぁはぁ…。たまらない…。けど…何かが…足…りない…)
下腹部から込み上げるモワモワとした感覚が気になって仕方なかった。
気がつくと薫はパジャマのスボンの下に右手を入れてアソコの周りを軽く撫でていた。
「あはんっ!! んくぅ…。やっぱチ○コが…ないよ…。ちくしょう…。はあぁん」
乳首を弄るときとはまた違う感覚だったが、一瞬で快感だと察知してしまった。
次第に手の動きが激しくなっていく。
(んっんっんっ! パ、パジャマが邪魔ぁ…)
自分が女になってしまった原因を調べるために2ちゃんねるを見ていたことさえ忘れ、
パジャマを脱ぎ捨てベッドに横になり快楽を貪ろうとした。
愛液が秘部から溢れ出てくるのがわかる。
「こ、これって女の…? 俺、ホントに女になっちまった…。っはああ!」
呼吸が乱れどんどん行為がエスカレートしていく。
昔エロビデオで見た女性がクリ○リスを弄る行為を思い出し、自分もその真似をしようとした。
「ふあぁん、ああ…いやぁ」
自然と声が漏れる。発せられる女の声さえも心地よかった。
クリ○リスに触れた瞬間凄まじい快感が走った。
「ああああああ!!!」
もはや止めようとしても身体がいう事を聞かない。
「ひゃぁ!! あああ…!!」
(どんどん何かが込み上げてくる…)
もっと! もっと! もっと!!
自分でも何が起こってるのかよくわからなくなっていた。
ただひたすら下腹部のモヤモヤした感覚が膨らみ迫ってくるのを本能が逃すまいとして行為に走らせていた。
(も、もう駄目ぇぇ…)
最後に左手で乳首を、右手でクリ○リスを強くつまんだ。
「いやっ!! あああああああああああ!!!!」
身体がビクンビクンと痙攣し反り返る。
そのまま薫はベッドに倒れこんでしまった。