昔々のそれは昔。
夜な夜な妖怪が都を闊歩し、人に迷惑をかけていたそうな。
一匹や二匹ならばいつもの事なのだがその数が尋常ではなく、都に住む者は皆、困り果ててしまっていた。
そこで各地から退魔師や陰陽師、術者が集められて、騒動を鎮めることとなった。
退魔師集団の一つ「烈真宗」
魑魅魍魎の討伐にかけて、なかなかに評判の良いこの集団からも、
腕利きの退魔師が一人、都の平穏と烈真宗の宣伝の為に、都へと送り込まれた。
名を神宮路 東摩(じんぐうじ とうま)
自らあみ出した必殺調伏術を持って、単身都へと向かった・・・
私の名前は神宮路 東摩。
一仕事終えて本山へ戻ったところ、この仕事が舞い込んできた。
疲れているので誰か他の人を──と、言ってみたら即座に却下された。
なんでも今回は烈真宗もメンツがかかっているらしく、失敗は出来ないとのこと。
仕事が終わったら休暇はいつもの倍──という条件で私は了承して、準備を整え都へ向かった。
ここまでは良かった。
目の前に広がる水平線。
なぜか今、私は海に来ていた。
ちなみに、都とは方向が逆である。
別にサボった訳ではない、ただ私は人より道に迷いやすいだけなのだ。
来てしまったものは仕方が無い。
人に道を尋ね、都へ行けばよいのだ。
そして都への近道を教えて貰った。それと何故かこの近辺に出没する妖怪を半ば強引に教えられた。
妖怪の名は「さざえ鬼」
この漁村の漁師が次々と襲われているという。
襲うといっても命を奪うのではなく、中身の無いさざえを投げつけてくるのだけという。
しかし、当たり所が悪ければ怪我をしかねない。
今のところ怪我人はいないそうなのだが。
それともここは都へ急いだほうが良いだろうか。
さざえ鬼もそれほどの相手ではないだろうし、都のほうが大物妖怪がいるだろう。
そのかわり、教えて貰った都の近道には「すねこすり」が出るそうだ。
足にまとわりつくだけでこちらも大した相手ではない。
さて、どうしたものか。
A・やはり早めに何とかしよう。「さざえ鬼」を相手する。
B・ここは都へ急ごう。「すねこすり」を相手する。