今、私は何をしている・・・・?

体が動かない・・・

もう、このまま死んじゃうのかな・・・・・???

それでもいい・・・・・・・



急に体が軽くなった気がした。














彼女思い 〜第3章〜















ここはどこ・・・・?
とうとう死んじゃったのかな・・・??
別にいいよね・・・・・



もう私に悲しんでくれる人は、いない。







かごめはうっすらと瞳を開けた。
そこには、見慣れぬ天井がある。
かごめがボーッとしていると、横から声がした。





「やっと目を覚ましましたね。」




かごめはハッとする。
そこでやっと今おかれている状況に気付く。
勢いよく体を起こしたので、体中に激痛が走る。


「・・・っつぅ!!!!!!!」
「大丈夫ですか!!!??どうか無理をなさらずに・・・。体中、擦り傷があるんですよ。」



かごめは隣で話しかけてくる、青年に目をやる。
青年はこちらの視線に気がつくと、たんたんと喋りだした。



「私の名前は、ひかるです。今の時代に合っていないでしょう?私の母が、『光に向かって
突き進んでいく』という意味を込めて付けたそうなんです。時にあなたの名前は・・・?」



かごめは少し微笑んだ。


「私の名前はかごめです。」
「かごめ・・・か・・・。いい名前ですね・・・。では、かごめさん。なぜあのような所に・・・?」

ひかるの言葉に下を向くかごめ。














数時間前・・・
かごめは、森の中で意識を失った。
そこをたまたま通りかかったひかるに助けられたのだ。







「・・・・・言いたくなかったらいいですよ。」

ひかるはかごめの頭をポンポンと叩くと、外に出て行った。


私何やってんだろう・・・・
いろんな人に迷惑かけて・・・・


まだ、体中の傷が痛む。






きっと歩いているときに、切ったんだよね・・・
あの時は何も感じなかったのに・・・



かごめは腕をまくる。
そこには、不器用に包帯が巻いてある。
おもわず笑いが出てしまった。





あの人、不器用なんだ・・・



重い体を起こし、外に出た。
空は綺麗な青。
かごめは決めた。
















ここにいる・・・!!!!!!!















後ろから先ほど聞いた声が聞こえた。

「何をしているんです!!!まだ寝ていないと!!!!!」



ひかるがこちらに走ってくるのが分かった。
かごめはクルッと後ろに向くと大声でこう言った。

「ひかるさん!!!!ここに住まわしてください!!!!!!!」


ひかるの足が止まる。
顔がとてもひどく驚いている。


「なっっっっ!!!!!!!何を言っているんです!!!!!!!!!」



ひかるは持っていた手ぬぐいを下に落としてしまった。




「いきなりで無理なお願いとは分かっています。なんでもします!!!どうかお願いします!!!!!!!!」






かごめは頭を下げた。
ひかるは戸惑っている。
それでも必死にお願いをしている。


「あなたには帰る所があるでしょう!!!そこに帰らないと!!!!!」

その言葉に泣きそうになる。







私には帰る場所がない・・・
愛しい人の腕の中には、別の人がいる。


「もう・・・もう・・・・・私の帰るところはないんです・・・・・・・・」

かごめは出そうになる涙を必死に止めた。



泣いたらだめ・・・・


その姿を見て、とうとうひかるは根負けした。



「・・・分かりました。いいでしょう。」

かごめの顔がパァ〜っと明るくなる。

「ありがとうございます!!!!」
「ですが!!!!!!!!!」



その声にかごめはびくっと体を震わした。


「まだその体は完治していません。せめて今日1日だけは寝ていてください。」


なんだそんなことか・・・


ほっと胸を撫で下ろす。

「はいっ!!!!!!!」

かごめは又小屋に戻った。

「やれやれ・・・」

ひかるはため息をこぼした。



























次の朝







「んん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」



かごめは目を覚ました。
昨日よりかは傷の痛みはない。
かごめは起き上がると、外に出た。
そして、辺りを見回した。
どうやらここは、小さな村の中の一軒の小屋。



「おはようございます。かごめさん。」
「おはようございます。ひかるさん。」



ひかりの手にはその時代に合った服があった。


「この服に着替えてください。かごめさんが着ている服は汚れがひどいですから。」
「でも・・・」


かごめは戸惑う。
それを見たひかるはふっと笑うと、



「遠慮なさらないでください。私がしたいと思ってしている事なんですから。」


そう言うなり、服をズイッと前に出した。
かごめはしぶしぶそれを受け取り、すぐ着替えてきますねっと小屋に入った。







着替えが終わり、かごめが外に出るとひかるは朝ご飯の準備をしていた。


「私も手伝います!!!」

かごめがひかるもとに行き、2人で朝ご飯の準備をした。




「では、この村の周りを案内しましょう。この辺りで迷子になったら大変なんで。」

朝ご飯を食べ終わり、一服しているときの言葉だった。

「そうですね・・・。じゃあ、お願いします。」

ひかるがドアのところに向かうと、思い出したかのような顔をしてこう言った。


「あっ!!!そうそう。かごめさんが持っていた荷物はそこに置いていますから。」


ひかるは小屋の隅を指差す。
そこには、黄色いリュックと開いたままの傘が置いてあった。
かごめは傘のもとに行き、傘を閉じた




ひかるさんって優しいなぁ〜・・・


「では、行きましょうか。」

かごめとひかるは共に小屋を出る。
































「面白かった〜!!!!!!!」
「それは何よりです。」



2人が帰って来たときは、もう辺りは暗かった。
かごめとひかるは、散歩中にたまたま出会った人のお宅に晩御飯をお呼ばれしてしまっていたのだ。


「では、もうそろそろ寝ましょうか。」
「そうですね。」


2人は布団を引き始めた。
男の人と布団を並べて寝るのは抵抗があったかごめだが、もうそんな事はどうでもいい。

「おやすみなさい。かごめさん。」
「おやすみなさい。」



何分が経ったであろうか。
隣の青年からは、寝息が聞こえる。
かごめは寝たのを確認して、外に出た。








星が出ているせいか、夜なのに明るい。

夜風が気持ちいい。

かごめはそっと瞳を閉じた。
閉じても思い出す、あの仲間、あの人。






最後に一言話したかった。

今まで何度も迷惑をかけたね。

どうか、私を忘れて。

どうか、幸せになって。

どうか、私の分まで笑って。





今、何をしているの・・・・?

私の心配をしてくれているの・・・・??

貴方に会いたいよ。

会って抱きしめて欲しいよ。

でも、それはもう叶わない・・・









さようなら  愛しき仲間
さようなら  愛しき人








かごめの目からは光り輝く雫が落ちていく。

その光景を見ているものはいない。

この少女は何を求めるのか

それは少女しか知らない





















しぴの戯れ言
3作目!!!!!!!!
かごやん主人公。
仲間達出てねぇ!!!
初登場のひかるはお人好しだと思ってください。
「ひかる」を「ひかり」と間違って打ってたら、
ご一報ください。
早急に直しますんで。 (汗