「お願いします10代目!!」


とある日曜日、ツナの部屋で獄寺は床に頭をこすりつけていた。
今日はツナの母親も、リボーンも、いつもの邪魔なやつらもいない。
獄寺にとっては史上最大のチャンスであった。


「そんなこと頼まれてもダメに決まってるだろー!」


一方ツナは全身に冷や汗をかき、顔は赤くなったり青くなったり。
同化してしまいそうなほど壁にぴったりとへばりついていた。


「そこをなんとか!一回だけ、いえ一瞬だけでいいですから!」
「ムリだってば!」
「10代目っ!!」
「だっ…お、男同士でキ…キス…なんて、やだよ〜!」






さっきまでツナと獄寺は普通に勉強をしていただけなのに、なんでこんなことになってしまったのだろうか。
ツナは突然のことにまったく訳が分からず泣きたくなってしまった。
しかし、獄寺にとっては突然でもなんでもなく、ツナを10代目と慕い始めてからずっと抱いてきた願望であった。
この絶好のチャンスを逃すと、いつまた次のチャンスに巡り合えるか分からない。
獄寺は必死だった。それこそ死ぬ気で土下座をしていた。
そのうちに床に釘でも打てるのではないかと思うくらいの勢いで頭を打ち付け始めた。


「お願いします!お願いします!!」
そのあまりの痛々しさに、とうとう押しに弱いツナの方がついに折れてしまった。
「分かったよ、していいからもうやめてー!」
「本当ですか!?」
すぐさま顔を上げた獄寺の額は真っ赤に腫れている。
しかし、本人は痛みを感じていないのか顔は喜びの笑みに満ちていて
それを見ているツナの方がよっぽど痛そうな顔をしていた。
「おでこ大丈夫なの?」
「こんな痛み、10代目に触れさせてもらえることに代えたらなんでもないっスよ!」
ああそうだ、つい承諾しちゃったんだ…と、ツナは今更ながら後悔したが
自分を傷みつける獄寺をこれ以上見ていられなかったのだから仕方ない。






「それじゃあ10代目、いいですか?」
獄寺はいつの間にかツナの目の前で正座をして準備万端でツナの返事を待ちわびていた。
「ううっ…」
ツナに向ける獄寺の顔は、いつもの崩れた笑顔ではなく真剣な眼差しでツナを見つめ続けている。
女の子であったら思わず見とれてしまうような端整な顔立ちであったが、
ツナは獄寺の迫力に押され恐怖しか感じなかった。
でも、ここで断ってしまったら獄寺は怒ってしまうだろう。怒った獄寺は何をするだろうか。
そんな想像をすると最悪の事態しか思い浮かばない。
ここは大人しく従った方が得策だと、とうとう堪忍して両目をぎゅっと瞑る。


「ちょっとだけだからね」
「はい!!ありがとうございます!!」
ツナにとってはファーストキスだった。
今でも心の中は後悔で渦巻いている。
でも、それを男だからノーカンだとなんとか必死に言い訳をする。
そしてツナは付き合ってもいない憧れの女の子に懺悔しながら時が過ぎるのを待った。
獄寺はごくりと喉を鳴らすとツナの顔に近付いていった。
そして―――






一瞬、触れ合った唇。
ツナはその意外な柔らかさに驚き、不覚にも少し余韻に浸ってしまった。
が、すぐに気を取り直して「これでいい?」と口を開こうとしたところ。
「10代目ーーーーーーーーーー!!!!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
突然獄寺がツナに抱きついてきて、勢いあまって押し倒されてしまった。
「なっ…」
何すんのー!?という叫びは獄寺の唇で塞がれて続けることは出来なかった。
さっきの触れるようなキスとはまったく違う深い口づけ。
ツナは口に侵入してきた異物が獄寺の舌だと気付くのにも時間がかかるくらい混乱していた。
「ふぅ…んっ」
ツナの鼻から漏れる熱い息が顔にかかると獄寺はますます興奮したようにツナの唇を貪ってきた。
口からは唾液が零れ、頭はぼーっとしてくる。






…だめだ!
このまま流されそうになるのをなんとか押し留めて頭を覚醒させ、獄寺の胸を渾身の力で押し返す。
「ちょ、い、いきなり…はっ、初めの約束とちがっ…」
息も絶え絶えに、口元は唾液で光り、目は涙目で怒りというより困惑の表情を浮かべるツナを見て
また昂ぶり始める興奮を何とか押さえると獄寺は口を開いた。
「申し訳ありません10代目。でも、もう自分を抑えきれないんです…!」


獄寺はずっとキスだけがしたかった訳ではなかった。
キスして、抱きしめて、それから―――出来ればその先の行為も、ずっとずっと熱望していたのだった。
でもそんな行為は許されるはずもなく、キスはもちろんツナに触れることさえもせず
欲望を内に秘めたまま今日まで過ごしてきた。
しかし、とうとうツナに触れてしまったが最後、欲望は獄寺の我慢の限界を簡単に超えてしまったのだった。


「10代目、直接肌に触れてもいいですか?」
「えええ!?いいわけないでしょ!!」
自分で尋ねておきながら、ツナの返答は耳に入らないのか、
それでは失礼しますと言ってトレーナーを一気に捲くり上げる。
「やだやだやだーーーー!!!」
脱がされてたまるかと獄寺の下で必死にもがく。
しかし、平常時の力の差は歴然であっさりトレーナーで腕を拘束されてしまった。
「すいません、少しの間だけですから」


白くて細い身体。
この身体のどこから、どんな危機的状況からも脱出できる力が湧いてくるのか。
獄寺はうっとりとした表情でツナの身体を撫で回す。
多分ツナが本気になったら自分なんか簡単に突き飛ばされてしまうだろう。
でも、口では嫌だと言いつつも結局は自分を受け入れてくれている。
ということは、もしかしてツナも自分を好きなのではないか。
「獄寺君お願い、もうやめて…」と震える声で訴えるのも、自分を煽っているのではないか。
獄寺はますますツナの身体に夢中になっていった。


「10代目…10代目、10代目…」
うわ言のように繰り返し、獄寺は今までの鬱憤を晴らすかのようにツナの胸や腹や背中の感触を味わう。
「〜〜も、もう!それだけ触ればじゅうぶ……ひぁっ!」
羞恥とくすぐったさに耐え切れずとうとう声を荒げようとしたところ
今までの手の感触とは違う、温かく湿ったものが身体に触れてきたことに思わず声がもれてしまった。
自分が出した声だとは思えない、とツナの顔が真っ赤に染まる。
「あ…ちが、今のは…」
「10代目は舐められる方がお好きですか?」
「なぁっ!?」
獄寺が顔を上げてにっこりと微笑む。
都合のいい解釈ばっかりしてー!というツナの怒りも他所に、獄寺がまたツナの胸に頭を沈める。






「んんっ…はぁ、ん…っ」
「10代目、まだ誰も帰って来ないようですから我慢しないで声出しても大丈夫ですよ」
また変なことばかりに気を遣って…ここまでくると呆れるというより感心してしまう。
ツナはやっと解放された腕を口に当てて、声が漏れないように必死に抑えていた。
自分の口から出た声が耳に入るたびに自分がされている状況が目に浮かぶのが嫌だったからだ。
そして、とうとう獄寺の手がツナの下半身に伸びた。
「下も脱がしますね」
「へ?」
言うが早いか、下着ごと取り去られてあっという間に全裸にされてしまった。


「ちょ、ちょっと」
「これが、10代目の…」
今まで何度か上半身は見てきているが、下半身を見るのは初めてで思わず凝視してしまう。
触れることはおろか見ることもできなかったものを前に感動さえしている。
獄寺が嫌悪など一切感じずに迷いなく口に含もうとするのを、さすがにツナは慌てて獄寺の頭を掴んで離す。
「やだっ!何してんの!?そんな…き、汚いよ!」
「10代目に汚いところなんてありません」
「んなっ」
ツナの目を見つめてきっぱりと言い切る獄寺に、ツナの方が照れてしまう。
「じゃあ続けますね」
「え、でも…」
獄寺はツナ自身を口に含むと、舌を這わせる。
今までと違う、直接的な刺激にツナの身体がびくりと跳ねる。
もう声を抑えることも出来ない。
「あっ…ふあっ、だ、だめ、獄寺く…!」
「出したくなったらいつでも出してくださいね。オレ全部飲みます」
「やあっ、そんなの…ああっ」






しかし、普段あまり自慰をしないツナは、あっという間に達してしまった。
宣言通り全て飲み干し、精を吐き出しぐったりとしているツナに
おいしかったです10代目などと言いながら満面の笑み向けている。
「気持ちよかったですか?10代目」
「そ、んな…わ、かんっな…」
射精した快感と疲労感とでうまく思考が働かない。
そんなツナを前に、獄寺の股間は膨れ上がってきつくて痛くてしょうがなくなっていた。


「あの、そろそろ…入れていいですか?」
「い、れる…?」
「はい。ちょっともうヤバいんで」
「…なにを、どこに?」
「これを、ここに」
張り詰めて今にも爆発しそうな陰茎をズボンから取り出すと、先端をツナの蕾に押し当てる。
はっきりしだす思考。


「だって、そこって…ええ!?それにそんな大きいの…!」
「大きいだなんて」
「いや、謙遜するところじゃ…って、そんなの入れるなんてありえないよ!」
「10代目なら大丈夫です!」
「どういう根拠だよ、それー!?」
「それに、ちゃんとゴムとローションも用意してあります!」
「なんでそんなの用意しちゃってんの!?」
「いつどこで10代目と結ばれる機会が訪れるか分からないですし…」
現に役に立ちましたねと微笑む獄寺に、そんな機会一生訪れなくてよかったよ!とつっこもうとしたところで言葉に詰まる。
ローションを纏わりつけた獄寺の指がツナに侵入してきたからだ。
「ひっ!ヌルヌルしてて気持ち悪い〜!」
「すいません、でもちゃんと塗っておかないと…」
獄寺もゴムの上からローションをたっぷりとつける。
「じゃあいきますね」






ツナの腰を持ち上げて先端を中へと押し込む。
他者の侵入を拒むように固く閉じられている蕾を、なんとかこじ開けていく。
それはもちろんツナにとって苦痛でしかなかった。
「い……ったぁぁい!!!もうやだ!!やめてーーーー!!」
「もう少しですから…!」
「だめぇぇ!!そんなのムリ…ッ!」
「くっ、なんとか…」
「も…獄寺君、なんかっ嫌い!!!」
「10代目…」


今まで散々な目にあっても決して口にしなかった「嫌い」の言葉に
挿入することで頭がいっぱいだった獄寺がようやく我に返った。
ツナを見ると、目から涙が溢れ、零れ落ちていた。
「うっ…ひぃっく…」
「も、申し訳ありません!オレ、自分のことでいっぱいで…。こんなんじゃ10代目のお相手なんて失格ですね…」
ツナの涙を舌で掬い取り、口づけを落とす。
「すみませんでした、10代目」
ちゅ、ちゅと繰り返してキスをする。
「オレ、本当に10代目のことが大好きで、10代目が欲しくて欲しくてしょうがなかったんです」
獄寺がツナの口内に舌を滑り込ませる。
でもさっきの貪るような口づけと違うとても優しいものだった。






ツナの涙もいつの間にか止まり、しだいに獄寺とのキスに夢中になっていく。
唇が痺れてきそうなところで一旦唇を離すと、獄寺が意を決して切り出した。
「10代目、今度はオレ絶対に自分勝手なことしませんから。だから、もう一度、お願いします」
いつもの人を睨みつける凶暴な顔でも、自分を見て作る笑顔でもない、初めて見る獄寺の表情。
なんだか泣きそうな情けない顔にいつもの恐怖は感じなかった。
むしろ可愛いとさえ感じてしまう。
そしてさっきは怒って何をしでかすか分からないと思ったけれど、
今度は泣いて何をしでかすか分からないな、ともふと思った。
ツナは少しの間悩んだ後、顔を縦に小さく振った。
「でも、あんまり痛くしないでよ。優しくして…」
「は、はい!」
獄寺は嬉しくて、ツナをぎゅっと抱きしめると舌を絡ませながら少しずつ、ゆっくりと腰を落としていった―――






目が覚めるとツナはベッドの中にいた。
腰に回った腕と背中に感じる温もりで、獄寺に抱きしめられたまま眠っていたことに気付き体温が少し上がる。
布団の隙間から見てみると裸のままらしく、とにかく服を着ようと
起き上がろうとしたところを抱きしめられてまたベッドに埋もれてしまう。


「じゅ・う・だ・い・め!」
「わっ、獄寺君起きてたんだ?」
「起きてましたよ、ずっと。だってこんな無防備な10代目をそのままにしてオレまで寝てしまうなんて危険なこと出来ないですから!」
「…じゃあ服着るから離して」
「もう少しこのままでいさせてください。いざとなったら、オレが守りますから」
腕に力を入れて肩口に顔を埋められる。
前までは嫌でしょうがなかったことだったろうに
なぜかしょうがないなと思ってしまう自分がいることにツナは戸惑ってしまう。
すると獄寺がツナの耳元で囁いた。
「10代目、今度はゴムなしでやってもいいですか?」
「はあ?今度!?またこんなことするの?」
「オレとしては毎日だってやりたいんですが…」
「それはムリムリムリムリ!」
「じゃあ、また二人きりになれた時に」
「そ、それだったら…」
「マジッスか!?嬉しいっス!」
獄寺がますます腕に力を込める。






…あれ?本当にこれでいいのか?なんかとんでもない約束をしてしまったような…。
でも、こんなに嬉しそうな獄寺を前にすると、まあいいか、なんて思ってしまう。
自分の押しに弱く流されやすい性分を少し恨みつつ、獄寺の腕の中にいることに心地よくなってきているツナだった。










おわり





後書きという名の言い訳


ツナと獄寺を両想いにさせるにはどうしたらいいのかなと考えてたらこんな話が出来上がりました。
ええ、初めての獄ツナ文がエロですが何か。
そしてこれを両想いになったと言い切りますよ!


目標としていかにキャラを崩さずに書くかと頑張ったのですがどうでしょう。
とにかくツナにはツッコミを頑張ってもらいました。
本当につっこまれてるのはお前だけどな!と思いつつ。


それから場面描写と心理描写を分かりやすく書こうと思ったら地の文がほぼ説明文になってました。
ニホンゴムヅカシイデス。





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