長嶋監督通算1,000勝に華を添える・・・
北の大地にてハイパー右腕復活!!
ストレートの最高速は今季最速149キロ。
9回表、ラストボールとなった119球目も147キロ。
直球の威力は最後まで衰えることなく、恐竜打線を相手に5安打の完封劇だった。
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5年の歳月をかけて建設された札幌ドーム。
野球ばかりではなくJリーグ・コンサドーレ札幌のホームスタジアムとなるほか、
陸上、コンサート、さらには来年の日韓W杯の試合場にも選ばれた、
文字通りの多目的ドーム・スタジアムである。
毎年恒例の読売ジャイアンツの北海道開催。TV放送でも触れていたが、
多分巨人ファンの占める割合は北海道が全国No.1であろう。
巨人と北海道で対戦する他球団のファンが、少々気の毒なくらいである。
札幌ドームのプロ野球初開催となった今回の巨人−中日3連戦。
圧倒的な大声援をバックに巨人が8回裏、嵐のような猛攻を見せ逆転勝利を収めた第一戦。
シーソーゲームから11回表、中日が前日のリベンジを果した第二戦。
そして向えた第三戦。長嶋監督の通算1,000勝がかかるこの試合、
巨人のマウンドに立ったのはエース・上原である
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打線が早々と川上を攻略。1回裏いきなり4点をもぎ取る。
3回表、ノーアウト1、3塁。上原がピンチを向えた。
しかしあの20勝したルーキー・イヤーのような、「向っていく姿勢」が
この日の上原にはあった。Gキラー・ゴメスを144キロでレフトフライに打ち取る。
結局ピンチらしいピンチはこの回だけだった。
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さらに自ら6点目を叩き出し、波に乗りまくる。
自身、通算3度目の完封で復活の6勝目。打線が援護し、エースが完封する、
これ以上ない理想の展開でナインは長嶋監督に1,000勝目をプレゼントするのであった。
前回登板の阪神戦で7回までを無安打に押さえながら、結局打線の援護なく敗れ去った。
だからこそ、この試合は是が日でも勝ちたかったのだろう。
本当あの1年目のように、闘志剥き出しだった。
フォークボールはここ一番でしか使わなかったのはその現れ。
三振こそ少なかったが、直球で押しまくり凡打に打ち取るその姿こそ、
あの”ハイパー右腕”の姿である。
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アト、高橋由伸にも触れておきたい。
今季、不振を極めていた天才スラッガーが、ここに来てようやく
本来の自分のバッティングを思い出したようだ。
そしてこの三連戦、素晴らしいポジショニングで中日のヒット性の当たりを
何度もセカンド・ゴロに変えてしまった仁志。
「予め最適なポジションを取り、難しい打球を簡単に捌くのが真のファインプレイだ」
という男の真骨頂。
最高の状態で巨人は「隠れ首位」ヤクルト・スワローズとの直接対決に挑む。