ジダンもいない、トレツゲもいない、アンリもいない、デュラムもいない、
プティもバルデスもいない・・・

なのにこの強さは一体なんだ!?

2001年FIFAコンフェデレーションズ杯決勝戦・
日本vsフランス
(6月10日・横浜国際陸上競技場)

このメンバーに主力が加わったら、一体どんな強さになるのか・・・。

食中毒もかなり回復し、久しぶりに渋谷の某サッカーカフェへ。
こっち(関東)に来てから知り合った、いわゆるサッカー仲間とコンフェデ杯の決勝を
観戦するためである。

2年に一度、FIFA(国際サッカー連盟)が主催するコンフェデレーションズ・カップ。
今回は来期W杯を共催する日本と韓国に各6大陸のチャンピオンチームを加えて
”プレW杯”として開催された。
とはいえ注目の”王者”フランスと”王国”ブラジルの陣容にはガッカリ。
予想はしていたが、両国とも1軍半といえる顔ぶれに早くも興味が削げる。
しかし、である。やはり”世界王者”フランスは強かった。
途中、豪州に不覚は取ったものの、気が付けばファイナルへ。
一方、日本代表も中田の活躍や鈴木の台頭、川口のファインセーブ等で
ファイナルへ駒を進める。
店内は代表のユニフォームをきたウルトラス(日本代表サポーターズクラブ)が
早くも興奮状態。ヘタな事をいえばぶっ殺されそうだ(笑)。

午後7時、キックオフ。
アネルカが強引に右サイドを突破、ヴィルトール、アネルカ、マルレが立て続けに
シュートを放つなどフランスは早くもエンジン全開。
世界王者らしいブ厚い攻めで日本ゴールに襲いかかる。
店内にはウルトラスの悲鳴に近い歓声が響き渡る。
前半30分。DFルブーフからの30m近いロングフィードを押し上げていたビエラが
ヘッドで合わせる。ボールは松田、そしてGK川口の横を抜け日本ゴールへ。
先制はやはりフランス!!
店内に「あ〜・・・」というタメ息混じりの声、声、声。
191cmという身長もさる事ながら、見事な空中での「反り」。
ヘディングの見本のようなフォームである。
このビエラが控えというんだから、いやはや・・・。
日本、今大会でついに失点。
日本もスグに反撃。小野がミドルシュート、さらに波戸からのパスを受けた西沢もヘッドで
フランスゴールを狙うが得点には至らず。

ルブーフと競り合う西沢

逆に37分、カランブーが日向小次郎もビックリの、30mロングシュートを放つ。
しかしこれは大きくワクを外れる。
前半終了。0−1というスコア以上に、徹底してフランスに押さえ込まれている印象を受けた。

後半戦開始。トルシエ監督は稲本を下げ、左WBに三浦淳を、そして左WBだった小野を
本来のトップ下へ。それも効果無しと見るや、
今度は小野を下げ久保を投入。森島をトップ下へ。事実上の3トップである。
興奮したウルトラスの一人が
「みんな声が出てねぇぞっ!!」
などと絶叫する。アホか。ならこんなサッカーカフェなんかに来ないで、
会場に行きゃいいものを(笑)。
後半20分。フランスは”ようやく”指令塔のカリエールを投入。(ナメられてるなー・・・)
おかげで日本はまったく流れを掴めない。
後半29分。西沢に変えて
ゴン中山登場!!!
店内に大歓声が巻き起こる。無論本日一番の盛り上がりだ!!
やはりこの男のプレイは熱い。体を張ったポストプレイで、懸命に起点となっていく。
とはいえ世界屈指のエースキラー、デサイーの守備はハンパではない。
ズバ抜けた身体能力で、次々にゴール前のピンチの火を消していく。
TVで解説が「フランスDF陣の足が止まっています。今がチャンスです!」などと言っても、
デサイーもルブーフもしっかりスペースを消す動きはしている。
逆に後半44分、カリエールが決定的なシュートを放つ。フランス2点目か!?
しかし川口が右手で懸命に防ぐ。
・・・試合終了。1−0。終ってみればフランスの”順当勝ち”である。

2月に0−5で負けた事を考えれば、大躍進ではないか。イヤ、ホントにマジで。
帰りの電車に向う途中、ウルトラスの一人が「中田と名波がいれば日本は勝っていた」なんて
言っていた。でも現戦力でここまでやったんだ。それを評価するべきだと思う。
「〜がいれば・・・」そう言っちゃえば
フランスはジダンもアンリもトレツゲもデュラムもプティもバルデスもいないのに
優勝したんだから。フランスのメンバー構成を考えず、
「誰々がいれば」の話しはおかしいって。
今回の大会ではあの”王国”ブラジルよりも、シドニー五輪金メダルチームのカメルーンよりも
上の順位だったんだから。
「良くやった」とは言えないが「お疲れ様」ぐらいの声は
かけてもいいと思う。

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