青ずきんちゃん
あるところに、「青ずきんちゃん」という
年頃のかわいい女の子がいました
青ずきんちゃんには
色白で、美人で、背が高くて、スラっとしてて、優しくて、黒髪のストレートで
おっちょこちょいで、ちょっぴりはにかみ屋さんなお姉さんがいました
そのお姉さんは昔から病弱で今日はお見舞いに行かなくてはなりません
青ずきんちゃんは森を抜け、
お姉さんが住んでいる家へと向かいました
しかし、時を同じにして
お姉さんはオオカミに襲われていました
「ぐはははは、喰ってやるぞ、喰ってやるぞ」
「きゃあぁぁぁ!!!」
+++++
―― 青ずきんちゃんは途中花を摘みながらお姉さんの家に到着しました
コンコン(ドアをノックする)
「お姉ちゃん、お見舞いに来たよ〜」
「どうぞ、上がりなさい」
ガチャ(ドアを開く音)
「よく来たねぇ、青ずきん」
「あれ?お姉ちゃんそんなに声低かったっけ?」
そうです、オオカミがお姉さんに変装しているのです
オオカミは念入りに下準備を済ませていました
もちろん
青ずきん一家の事は調査済み
かわいい姉妹がいることを
野蛮なオオカミの思惑でした
「じゃぁ、これがお薬と着替えと生活費だからね」
「すまないねぇ」
「・・・ねぇ、お姉ちゃん、なんでお姉ちゃんはそんなに耳が大きいの?」
「それはね、お前の声を良く聞けるようにさ」
「・・・ねぇ、お姉ちゃん、なんでお姉ちゃんはそんなに目が大きいの?」
「それはね、お前の顔が良く見えるようにさ」
「・・・ねぇ、お姉ちゃん、なんでハァハァ言ってるの?」
「・・・そ、それは、少し息苦しいからさ(汗」
「・・・ねぇ、お姉ちゃん、今日は一段と醜いね」
「ちょっと、待てこら!!!」
オオカミがその姿を現しました
「キャァ!」
「醜くて悪かったな!少しぐらい自分がかわいいからって
調子乗ってるんじゃねえぞワレ!喰うぞ、喰っちまうぞ!」
このオオカミ最悪です
「ハァハァ、もう逃げられんぞぉ」
「ィヤ、イヤァ・・・」
しかし、青ずきんが喰われそうになったその時でした
ガシャン(窓ガラスが割れる音)
「誰だァ!」
割れた窓の外には一人の男が立っていました
「よいしょ」
その男は手に木刀を持ちノロノロと家の中に入ってきました
「誰だ、お前は!ナメとんのか!」
「いやぁ、俺は通りすがりの学生ですよ」
「お願いします、助けてください!!」
「黙ってろ小娘が!」
そしていきり立った矛先をその男へ向けた
「こんなとこを見られた以上、生かしておけねぇな!」
「おい、着ぐるみ野郎!言ってくれるじゃねえか」
「着ぐるみじゃねぇよ!本皮だよ!!」
「ほざけ変態!!二本足で歩く犬がどこに居るんだよ!
ん?薬やってんのか?イカれ野郎が!」
「犬じゃねえよ!オオカミだよ!!殺すぞ!」
「かかってこいよ、コスプレマニアが!!」
怒り狂ったオオカミはその男に飛び掛かった!
「危ない!」
ドスッ(鈍い音)
「がはっ・・・」
オオカミの右脇腹に木刀がめり込んでいた
バタン(倒れる音)
「この程度か!コスプレマニアが」
「あ、ありがとうございます!ホントにホントにありがとうございます!!」
「礼には及ばないよ」
「もしよろしければお名前をお聞かせください!」
「・・・名乗る程のものじゃない」
「お願いします!」
「とりあえず『ぶるー』 とでも言っておこうか」
「ありがとうございます『ぶるー』様!是非お礼を・・・」
「いや、礼には及ばないって」
「是非私の家に来て下さい!お礼がしたいのです」
「気持ちだけ受け取っておくよ。俺も 忙しいもんでね」
「そうですか・・・では、別の日に私の家を訪ねてくれないでしょうか?」
「そう言うなら・・・わかったよ」
「ホントですか!ではその時には最高のおもてなし をします!」
ゴクッ(生唾を飲む音)
「あぁ、そんな無理はしないで」
―― そして・・・
「本当にありがとうございました!」
「あぁ、春は変なのが出没するから気を付けてね」
「さようなら!必ずまた来て下さいね!!」
―― そして、その出会いがきっかけで5年後
二人は結婚
その二人の間に一人の子供が産まれました
その名も
「赤ずきん」
以上、赤ずきんちゃん誕生秘話をお送りしました
懐かしい作品です。リメイクしてみました。
パロディ物語また書いてみたいです。
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