場所:サシン宅塀の脇

イリ    「こらこら、そこの糞馬鹿餓鬼、まぁーた、入るつもりなのか。」
元・侵入者 「人聞きの悪いコト言うな! コレ持って来ただけだ! 」
イリ    「ふーん、何? おまえが摘んだの? こんなに花摘むの大変だったろう。」
元・侵入者 「ちょうどいい。あげてくれる? 」
イリ    「おまえの親爺さんの死に場所なんか知らないぞ? 庭にまいとくか? それでいいか? 」
元・侵入者 「どうしてまくんだ。アギルさんに渡してくれればーー、渡してほしいんだ。」
イリ    (………………赤飯炊くか…。)
元・侵入者 「ーーありがとう、て言ってくれるか? 」
イリ    「おう、ぼうず、わかった。それとお駄賃だ。」

 ずいっと出した手に身体を強張らせるが、挑戦的な目で睨み付けて動かない。
 ぺたりと、ペグンを真似て瞼の上に手の平当てて、眼球にこの前の事を投影する。
 小さい背中だなと思った。このまま手の平に力を入れれば、頭を押し潰せるほど、弱い存在。

元・侵入者 「…ぅああああああああああああああああああああああああああああああッっああ!! 」
イリ    「うわッ! なんだよ! 」(読心能力者には見えないがなー。)
元・侵入者 「……っおとうさん! おとおさん! 」
イリ    「連呼すんな。周りに、おれが父親におもわれたらどーすんだ! ああくそ泣き止めよ、ぼうず、泣かせたくてしたんじゃないんだから泣くなよ。」
元・侵入者 「……っっぅ、ぅうっ。…ぼうじゅじゃにゃい。にゃにゃ・がにゃーじゃ。」
イリ    「ニャーニャ・ガニャージャ? あれ? 」
ナーナ   「ちがう。ナーナ・ガナー。」
イリ    「ふううん。」
ナーナ   「…なあ、なにいまの。あれ、嘘? 」
イリ    「勝手に嘘つきにすんな。視えたんだ。」
ナーナ   「そっか、じゃあ、お父さんはあたしと帰ったんだ。そうか。あたしと、いるんだ。」
イリ    「おい、ナーナ。自分のこと《あたし》なんていうんじゃない。」
ナーナ   「なんでよ。」
イリ    「女の子じゃあるまいし。」
ナーナ   「!!! あ、た、し、はッ! おんなだっっ!! 」

閑話

イリ  「アギル。」
アギル (どうしました、竜殿。そんなにやつれて。)
イリ  「ちょっと、こんこんと説教をーー、ああ、そんなことはいい。知ってたか、アギル。」
アギル (なんでしょう。)
イリ  「こないだの、不法侵入の餓鬼、おんなってことだ。」
アギル (? そんなわけないでしょう。剣を振るってあんなに勇ましい子が。)
イリ  「だよなー、だよなー。」
ペグン 「なにを言っとるんだ。子供だが、むすめごじゃないか。」
アギル (ーーそう…、だったんですか?)
イリ  「えーっ、なんで?! っていうか、アギル分かれよ!」
ペグン 「アギルはともかく、イリ、どうして分からないなんてことがある! 」
イリ  「なんで?! なんか不条理だっ!! 」

と、いうわけで、主人公キャラは揃って、ボケです。
っていうか、シカトのサシン、限定(アギル)以外はつっこみのササン、いないってのに。ペグンだけで大丈夫だろうか……。
って、違うじゃないか。この話の目標は、ほ・の・ぼ・の(強調)。
とか言いつつ、今回ほのぼのクリアーしていると信じてたりします。
スケルトン出つつ、剣で襲われつつ。
(どこか、間違っているような気が……。)

ナーナの花は、あの後、台所に飾ってあるそうですよ。

ペグン 「あとがきで、名前が出てきてもな。」

でてくるだけでもいいじゃないですか。(名前出さずに最後まで書けるか挑戦しただけだし。←あえなく失敗玉砕、というより 、名前出した方が滑らかになったんじゃないかと。)




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