……もう少しまともな話だと思ってました。それともう少し短いもんだろうと…………。
 ろくでもない思い込みでしたね…。

灰色の猫  「ジュダル。」
ジュダル  「あれ、父さんどうしたの。ふかふかになって。ひなたぼっこするなら、南門の所の塀が近所の猫の人気スポットだよ。」
ディーズム 「ひなたぼっこしに来たわけじゃない。…おはよう。」
ジュダル  「おはよう、父さん。抱っこしていいかな。ーーひなたのにおいがするね。」
ディーズム 「それより、ジュダル、小遣い稼ぎする気はないか。」
ジュダル  「なあに? いいけど、時間掛かる? 学校帰ってからでいいなら、父さんのとこまで出向くよ? 」
ディーズム 「“固定”を解呪してくれ。早い方がいい。休みは取ったがしたいことがあるんでな。」
ジュダル  「ーーなにこれ。複合してるよ。“固定”だけじゃ元に戻らないよ。母さん呼ぼうか? 」
ディーズム 「呼ぶな! それだけ解呪してくれればいい。後はそんなに時間は掛からない。」
ジュダル  「……いいけど、母さんの方が早いよ。大体この有様は何なんだよ。恨みでもかったの? 」
ディーズム 「いや。寝惚けた子供に掛けられた。」
ジュダル  「これを?! 信じらんないな。ああ、あったよ指輪。ちょっと待ってね。」
ディーズム 「ーーふむ。解けたな。今持ち合わせがない。今度会った時でいいか? 」
ジュダル  「…………父さん、赦汲牟に掛けられたんだろう。だから、母さんに頼めないんだね。」
ディーズム 「起因は合っているが、その後が違うな。赦汲牟に掛けられたまではいい。それをあいつに知られると、爆笑して自分が堪能するまで解呪しないだろうからな。」
ジュダル  「……。」
ディーズム 「オグドニも爆笑するだろうしな。あいつらなら大丈夫だろうが、ただどちらにしろあれの耳に入るだろうし。」
ジュダル  (父さん、もしかして、人望がないんじゃ…。)



赦汲牟  「そいえばさー。ディーズムってさー。獣人系だったんだねえ。」
研究員1 「えー、そおですかあ? でもサシンさんって、変化しませんよねえ。」
研究員2 「そういや、近頃変身する者も少なくなったらしいねぇ。昔は時たまそういう人がいたのにねぇ。」
研究員1 「どおしてサシンさんが獣人って、わかったんですかあ。」
赦汲牟  「目の前で変身され……。」
研究員1 「ええー、いいなあ。あたしも見たかったー。可愛かったでしょお、おおかみさん。」
赦汲牟  「……はあ? 」
研究員2 「人狼でも銀色は珍しいらしいねぇ。俺も見たかったねぇ。」
研究員3 「でもサシンさんじゃ、そうそう変身してもらえないでしょうね。あの身長だったら大きい狼でしょうね。」
研究員4 「赦汲牟、写真とか撮ってなかったのか。もったいないなあ。」
赦汲牟  「銀色のおおかみ。」
研究員2 「違ったかい? サシンさんならそうだと思ったけれど。」
赦汲牟  「いや? あははははは、そうか、おおかみね。うんうん、そーだね。(わざわざばらさなくてもいいよなあ。手札になるしね。)」
研究員2 (どうやら違ったみたいだねぇ。ジャッカルかねぇ。)
研究員4 (……他に何があるってんだ。コヨーテか? )



ジュダル  「寝惚けてってことは、父さん夜這い掛けて失敗したの。」
ディーズム 「そういうありえんことを確信込めて言うんじゃない。」




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