心模様空模様
どこまでも続く道の真ん中を、 俺は一人歩きつづけていた。 理由もわからない。 何故此処にいるのかもわからない。 だけど、疑問すらわかない脱力感。 空を見上げた。 視界に入る空の色。 青じゃない。黒でもない。 雲か・・・・ いや、違う。 途切れのない白。 空の白さか。 遠くに山の姿。 今、俺がいるところよりオレンジっぽい空の色。 見渡した景色は 広い広い荒野。 だけど、同じ風景ばかりで 目に付くものは何もない。 唯一、キレイに舗装された道路。 俺は歩き続ける。 地面に大きな水たまり。 雨など降った様子もないのに・・・・・。 視線をさげると、水たまりが鏡の役目をして 俺の姿を映し出した。 呆けた自分の顔。 思わず苦笑い。 水たまりに映った空は、 まっ黒で、ブラックホールみたいに、 俺を吸い込みそうだった。 ・・・・いや、吸い込まれていた。 気づけば、この世界も 暗く、どんよりした雲が空を覆っていたのだから。 雨が降ってきた。 傘も何ももっていない俺は、 雨に激しく打たれた。 あぁ、そっか。 これは俺の心。 いつも、 どしゃぶりなんだ ・・・・・・・―――― 次 モドル