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今日もまた立海テニス部の練習中に顔を出しているつぐみと彩夏。

「よし、終了!十分休憩!」

幸村のその号令を聞いて、彩夏はタオルとドリンクボトルを持って彼の元へと駆け寄った。

「お疲れ様でーっす!今のトレーニングすっごいハードでしたね!」
「うん、結構キツかったかな」
「精市さんがそんなこと言うなんでよっぽどなんですね〜…。十分間ゆっくり休んでくださいね!」
「ありがとう。じゃあゆっくり出来るように、君の膝を貸してもらえないかな」
「もちオッケーですよ、ドントコイです!」

そんな流れで、部員達の前で堂々と膝枕シチュを見せつける幸村と彩夏。

「あー精市………仲が良いのはいいことだが、皆の前だという事をもう少し考慮してだな…おい蓮二、お前からも何か言ってやってくれ」

真田が渋い顔でもう一人の三強へと振り返る。
するとそこには、ベンチに座った柳が膝の上につぐみを乗せて抱きしめているというこれまたラブラブシチュが繰り広げられていた。

「………蓮二、今は休憩中だぞ。解ってるのか?」
「勿論だ。だからこうして、英気を養っている」
「いや、そんな当たり前の様に言われてもだな………」

訳解らんといった面持ちで二人を睨む真田に、つぐみはたじろぐ。

「あ、あの、蓮二さん?やっぱりこれ、やめた方がいいんじゃ………」
「俺達は別にやましいことはしていないぞ」
「それはそうですけど、その、恥ずかしい、ですし………」

顔を真っ赤に染めたつぐみが、皆の視線から逃れるように柳の胸に顔を埋める。

「フッ…フフ…くっくっくっ……そうか、そうかそうか」

そんな彼女の反応を見て、楽しげに笑う柳。その様は、見ている者がぞっとするくらい愉快そうであった。

「滾っとるのう」
「漲ってますねえ」

少し離れたところからスポーツの実況解説者の如き淡々としたコメントを寄越す仁王と柳生。

「蓮二………お前、普段小日向を恫喝したりいたぶったりしてないだろうな?」
「愛しい恋人にそんなことをする訳がないだろう。何故そんなことを聞く?」

理解出来ない、とでも言わんばかりに困り顔になる柳。

「いや、してないというのならば別にいい。気にするな」
「だからそれはー、さっきの柳先輩がすっげードSっぽかったから……わぷっ!」
「恋愛の形ってヤツに深入りすんのは野暮ってモンだぜぃ」
「後は若い二人にお任せしとくもんだぜ、赤也」

真田が話を終わらせようとしているところに赤也が茶々を入れてきたが、ブン太とジャッカルに口を塞がれ、そのまま二人がかりで引き摺られていった。

「今、俺がドSだとか言っていたように聞こえたが」
「だから気にするな。赤也の言うことなど聞き流せ」
「ふむ………」

いまいち腑に落ちない柳は、つぐみの顔を覗き込んで問う。

「つぐみ、お前は俺がドSだと思うか?」
「あ、え、えっと………」
「小日向さーん、蓮二は君のことが好き過ぎるだけだからねー!」
「こんな体勢でも友達をフォローしてあげようとするなんて、流石精市さん!部長の鏡ー!!」

膝枕のまま煽ってくる幸村と、そんな彼にはしゃぐ彩夏。

「あの…私は、そういう蓮二さんも、好きですから………」
「そうか……ありがとうつぐみ。愛しているぞ」

「仲良きことは美しきかな。仲睦まじい男女の存在はとても微笑ましいものです」
「まさに平和って感じじゃのう」
「……………………………………………」

柳生と仁王によっていい話っぽく〆られたことに、どうにも納得がいかない真田だった。

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