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【その1】※8/1起こしイベントの勝手アレンジです



朝、彩夏からつぐみを起こしてほしいと頼まれた柳。
管理小屋の寝室に入ると、つぐみは未だベッドの中ですやすや安眠していた。

「ものの見事に熟睡しているな…。これから30分以内に自発的に目覚める可能性は20%以下だ」

揺さぶって起こそうと柳がつぐみの肩に手を置こうとしたその時、彼女の唇が動き出して寝言を紡いだ。

「…いっぱい作りましたから…どんどんおかわりしてくださいね、柳さん………」
「…………………………」

手を引っ込めて、自分の顎にあてる柳。

「今起こさなければ、朝食に遅れる可能性が80%を超える。しかし、今起こせば夢の中の俺の幸せが………!」


結局、決心してつぐみを起こすまで、5分ほどの苦悩を要したのであった。



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【その2】※匂い袋イベント(通常会話)の次の日の話。
仁王柳生赤也が誤解するだけのネタです



「柳さん、おはようございます!あ、今日は違う匂い袋なんですね」

朝の挨拶もそこそこに、柳のジャージに顔を近づけて香りを嗅ぐつぐみ。

「昨日のも良かったですけど、今日のもとてもいい香りです」
「気に入ったのか?良ければ貸すが」
「え?でもそれだと柳さんの分が…」
「他にも数種類持ってきているから問題はない」
「えーっと、じゃあお言葉に甘えさせてもらいますね」

という流れで、今日一日柳の匂い袋を借りることになった。


それから数時間後。
木陰でドリンクボトルの水を飲みながら、赤也と仁王と柳生が雑談をしていた。

「何か今日の小日向って、柳先輩っぽい匂いがするんスよね」
「確かに、言われてみれば…それってまさか………」
「女から男の匂いがするってことは、つまりそういうことじゃろ」
「えええええー!?そ、それじゃあ、柳先輩は小日向とや、やっ…」
「こら切原くん!そういうことは大声で言うものではありません!」
「やるのう柳」

そこに真田(会話の文脈は読めてない)が通りかかる。

「何を焦ってるのかは知らんが、そのことならば先程蓮二が小日向に匂い袋を貸しているのを見たぞ」

その言葉に胸を撫で下ろす赤也・柳生と、「つまらんのう」と舌打ちする仁王だった。


翌日、伊武の缶詰発見を受けて、船長達の手がかりを求めて花畑に行ってきた柳とつぐみ。
その直後の昼食で、赤也が近くの席になったつぐみに話しかけた。

「おっ、小日向お前、今日も柳先輩から匂い袋借りてんだな」
「え?今日は借りてないけど…」

彼女の返答を聞いて、反射的に顔を見合わせる赤也・仁王・柳生の三人。

「そういえば先程、二人だけでどこかへ出かけていたみたいでしたが、まさか…」
「こ、今度こそ本当に、柳先輩は小日向と!!!」
「ついにやりおったか、柳…」

ひそひそ声ながらも盛り上がっている様子の三人を見て、「あの、私何か変なことでも言ったんでしょうか…?」と不安がるつぐみ。
そんな彼女の肩に手を置いて「気にするな」と宥めつつ、地獄耳で三人の会話をキャッチする柳。
多分花畑で抱きしめている間に香りが移ったのだろうが、話の方向性としては間違っていないので特に否定はしないのであった。



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【その3】



初夏の、とある休日。
柳の家に遊びに来ていたつぐみがこんなことを言い出した。

「蓮二さん!今から私と将棋で勝負してください!」
「別に構わないが、唐突だな…どうしたというのだ、一体」
「今日こそは蓮二さんに勝てそうな気がするんです!自信ありますよ!もし負けたら、今日一日蓮二さんの言うことを聞いてもいいですよ!」
「ほう………そこまで言うのなら、いいだろう、受けて立つぞ」

そうして切られた将棋対決の激戦の火蓋!
………の筈だったのだが、つぐみは柳にあっさりと負けてしまう。

「あれ?おかしいなー、今日はツキというか、勝負の運気的なものが絶好調な気がしたんですけどね、残念…」

と言いつつも、とても嬉しそうな顔のつぐみ。

「でも約束ですからね。今日は蓮二さんの言うこと、全部聞きますよ!」
「…お前、最初から勝つ気などなかっただろう」
「えっ?な、何でですか?負けたって私にいいことなんかないじゃないですか」
「そうだな……俺への誕生日プレゼントのつもり、というのはどうだ?」

的を射たり、と言わんばかりの得意げな笑みを浮かべる柳に、つぐみはがっくりと肩を落とす。

「ああ……帰りにプレゼントを渡しながらネタばらしをするつもりだったのに………」
「随分回りくどい手を考えたものだな」
「だって真正面から『今日一日何でも言うこと聞きます』って言っても、多分蓮二さんのことだから断ると思って………」

小声で付け足された「でもそういう優しいところも好きですけど」というつぐみの言葉に、柳はほのかに頬を染めつつも「それは、まあ、そうだな…」とコメントする。

「だがしかし、先程お前自身が言っていた通り、約束は約束だ。今日一日、俺の言うことを聞いてもらうぞ」
「はっ、はい!喜んで!何でも言ってください!」
「よし、では今から帰るまでずっと、俺に甘えること」
「え?あ、甘え………?」
「ほら、早くこっちに来い」

そう言って強引につぐみを抱き寄せる柳。

「さて、どうしてほしいんだ?ちゃんとおねだりしてみせろ、お前の言うことは全部聞いてやるからな」
「あ、あれ?それって、えーっと………」

立場が逆転してるんですけど…と思いつつも蓮二さんが望んでいるのならそれでいいか、とそのまま夕方まで柳といちゃいちゃし続けたつぐみであった。

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