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柳×つぐみが前振りで、メインが幸村×彩夏の小話。
柳のEDマジやっべぇよぉー!!!と、ED見る限り幸村はん絶対進展させるのめちゃめちゃはえーよー!!という思いの丈をぶつけてみました。
なお柳自身は出てきませんのであしからず。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

学校での昼休み。
彩夏とつぐみは今日も親友同士、机を向かい合わせてのお弁当タイムを過ごしている。

「でさ、どうだったの?この間は」
「この間?」
「柳さんちでお茶立ててもらうんだ、とか言ってたじゃない。だから着物着る為に着付け覚えなきゃーって一生懸命和装の本読んだりしてさ」
「あ、うん。蓮二さんのお家、純和風で立派な家だったよ」

プチトマトを頬張りながら、つぐみは先日の出来事に思いを馳せる。

「本格的な茶道なんて初めてだったから凄い緊張しちゃったけど、蓮二さんが丁寧に教えてくれたから…」
「へー。和服の柳さん、カッコ良かった?」
「勿論!」

即答。
と同時に見るからに幸せそうな笑みを浮かべるつぐみ。

「でもさー、そういうお茶ってすっごい苦いってよく聞くけど、大丈夫だった?」
「苦いというより、上品な渋みって感じだったかな。私は美味しく頂けたけど。それに、蓮二さんが………」

そこまで言うと、つぐみの顔が瞬時に真っ赤に染まる。

「えっ、なになに!?何があったのよー!」
「べっ、別に何でも………」
「うそうそ!その様子は絶対何かあったでしょ!白状しなさいよー!!」
「だから何でもないってばー!!」

彩夏の追及に否定の叫び声を上げながら、つぐみは心の中でも叫んでいた。

(まさかあの蓮二さんがお茶菓子をあーんして食べさせてくれたなんて、言える訳ないじゃないのよー、もうー!!)




・・・・・





「ってつぐみは言ってたんですけどぉ!」
「へぇ」

その数日後。
ファーストフード店でバーガーセットのポテトをつまみつつ、彩夏はデート相手の幸村に白熱した様子で親友の話を説明していた。

「あの様子だと絶対何かありましたって!」
「そうだね。話の流れと小日向さんの態度から推測すると、蓮二のキスが甘かったからお茶の渋みも気にならなかった、とかそういうことかな。やるなあ蓮二」
「きゃー!精市さんったら昼間から恥ずかしげもなく堂々とそんなこと言っちゃうなんてー!そこに痺れる憧れるー!!」

頭を左右にぶんぶん振ってきゃーきゃー騒ぐ彩夏を、いつもの余裕ある笑みで眺める幸村。

「いや、それ以上のこともした可能性も捨てきれないよ」
「それってやっぱり………あ〜れ〜ってしたんですかね!?」
「いや、蓮二は一枚ずつじっくり脱がせていく方が好みだと思うよ」
「ああー、それ解ります!その感じ、すっごいよく想像できる〜!」

親友とその彼氏のラブシーンを妄想してうっとりする彩夏だったが、

「でも俺はキミだったらあ〜れ〜ってしてみたいなぁ。とても勢い良くくるくる回ってくれそう」
「……………へっ?」

話題の矛先を急に突きつけられ、一瞬で動きが凍りついた。

「着物かぁ…弦一郎や蓮二と違って、俺は滅多に着ないしなぁ…」
「あ、あの〜、精市さん?」
「あ、そうだ。今度の正月、一緒に初詣に行こうよ。折角の正月なんだし着物で来てほしいな。俺、キミの着物姿見てみたいんだ」
「え、え〜と、その………」
「でさ、その後はうちに寄ってきなよ。正月だからどこ行っても人いっぱいで疲れるだろうしね。ゆっくりしようよ」

正月なのだから他の家族も家にいるだろう、などという考えは彩夏にとって何の安心材料にもならなかった。この人のことだ、それ位何とかしてしまうのだろう、としか思えなかった。

「駄目?」
「いや、その、そういう訳じゃあないですケド………」
「じゃあ決まりだね。楽しみにしてるよ」

青い薔薇が似合いそうなほどの美男子の甘い笑みも、彩夏には底知れぬ威圧感が伝わってくるばかりである。

(楽しみにしてるって、一体何をですかぁー!!!)

彩夏は心の中で絶叫した。絶叫せずにはいられなかった。



・・・・・



それから年明けを迎えるまでの間、彩夏はつぐみから着物の着付けを習いつつ、"それ以上のこと"についての相談もすべきかどうか悩み続ける日々をおくる羽目になったのであった。

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