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柳×つぐみが前振りで、メインが幸村×彩夏の小話。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 学校での昼休み。 「でさ、どうだったの?この間は」 プチトマトを頬張りながら、つぐみは先日の出来事に思いを馳せる。 「本格的な茶道なんて初めてだったから凄い緊張しちゃったけど、蓮二さんが丁寧に教えてくれたから…」 即答。 「でもさー、そういうお茶ってすっごい苦いってよく聞くけど、大丈夫だった?」 そこまで言うと、つぐみの顔が瞬時に真っ赤に染まる。 「えっ、なになに!?何があったのよー!」 彩夏の追及に否定の叫び声を上げながら、つぐみは心の中でも叫んでいた。 (まさかあの蓮二さんがお茶菓子をあーんして食べさせてくれたなんて、言える訳ないじゃないのよー、もうー!!) ・・・・・ 「ってつぐみは言ってたんですけどぉ!」 その数日後。 「あの様子だと絶対何かありましたって!」 頭を左右にぶんぶん振ってきゃーきゃー騒ぐ彩夏を、いつもの余裕ある笑みで眺める幸村。 「いや、それ以上のこともした可能性も捨てきれないよ」 親友とその彼氏のラブシーンを妄想してうっとりする彩夏だったが、 「でも俺はキミだったらあ〜れ〜ってしてみたいなぁ。とても勢い良くくるくる回ってくれそう」 話題の矛先を急に突きつけられ、一瞬で動きが凍りついた。 「着物かぁ…弦一郎や蓮二と違って、俺は滅多に着ないしなぁ…」 正月なのだから他の家族も家にいるだろう、などという考えは彩夏にとって何の安心材料にもならなかった。この人のことだ、それ位何とかしてしまうのだろう、としか思えなかった。 「駄目?」 青い薔薇が似合いそうなほどの美男子の甘い笑みも、彩夏には底知れぬ威圧感が伝わってくるばかりである。 (楽しみにしてるって、一体何をですかぁー!!!) 彩夏は心の中で絶叫した。絶叫せずにはいられなかった。 ・・・・・ それから年明けを迎えるまでの間、彩夏はつぐみから着物の着付けを習いつつ、"それ以上のこと"についての相談もすべきかどうか悩み続ける日々をおくる羽目になったのであった。 |
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