part A_a
「お前、ちょっとおかしいぞ今日」
「良いじゃん、今日位」
「それとこれとは別」
「減るもんじゃなし」
肩にかけた手を押さえられて。そのまま片足を持ち上げられる。ころんとひっくり返されて、思わず目を見開いた。
すぐ前にある竜太の顔には鬼気迫る様なものは一切無くて、ただ表情が読めなかった。元からずり下がっていたズボンを膝下までゆっくりと抜き取られて、不様な格好になる。
「おい、待てこら」
「ちょっとだけ」
「ちょっとって、よせよ」
「先生のここ、入れて良い?」
「やめ、はいらねェって、おいこら!」
「ローション塗ったげるから」
「無理だって!」
さっきまで竜太が使っていたオイルを身体に広げられる。静電気でも起きたら、と思い当たって、思わず抵抗を忘れた。
露出した襞を押す指の感触が、内部に滑り込んだ。
「うぁ、やだ、って!」
胸を摘まれて息が詰まる。拒絶する腕の力は左程強くならない。
「興味あるんだろ?教えてやるって」
「無理だっ、」
下半身を露にしているから、戸惑った顔が無闇に生々しいものに見える。
逃げようとする腰が何か粘ついてるのを感じて、大して俺が教える様な事も無いと解っていたけれども。
異物感に服従してしまえば、残るのは習慣性のある感覚。
三本の指に馴れたのを見届けて、音を派手に立てて弄り回す。
「やっ、…めて…っ」
「先んとこトロトロ、垂れて来てるよほら」
「ん、」
「もっとしていい?」
「あ、…厭、だ、」
それでもつい先ほど『痛くても良い』と口走ったのを覚えていたので。
抵抗を腕の下に丸め込んで、俺のを徐々に身体にくわえこませた。
詰まりそうになる息を必死で飲込もうとしながら、赤い顔で丸め込まれて。
「痛い」とは言わず、ただ激しく上下する肩。上がる顎。
痛みを拒絶してる癖、涙目で俺のを受け入れようとする先生。注意深くしたせいもあるのだろうが、やっぱり初めてだとは思えなかった。
「、、おい」
「行く所見せて」
「ばっ、バカ!」
つっぱねる肘は結構本気で厭がっているようだったが、今日位はわがままを言ってやっても良いだろう。
折り曲げさせた変に白い腿を掴んで。
「ねぇ、行きそう?先生、行きそう?」
「やめっ、見んな馬鹿…っ!」
恋人の様に汗で滑る背を抱き合って、その上腰を大きく回したりして。
「ァあ、あっ、ぁう、んぅ…」
犬の様な、弾む息に、くねる背。ぎゅっと瞑った薄赤い目蓋。それは泣いているような、頼り無い声と息遣いで。震える身体の内に、数回に渡る収縮を感じ取って。
挙句、弘のものはひくひくと揺れながら、数回に渡って先端から半透明の体液を噴いた。腿の辺りに、生暖かいものがぽつぽつと落ちる感触。
「飲みこんで」
間際の圧迫に促されて、自分も弘の腸に体液を送り込んだ。
弘自身も肛門も内部も体液にまみれてすっかり柔らかくなってしまって。それでも引き抜く時にぬめる腰が付いて来た。
思う存分、俺を感じてくれた様だった。
項垂れた口端から細く唾液の糸を床に引いて、息を荒げている弘。涙ぐんで、目も頬も鼻も赤い。
「そういう顔してんだ、いつも?」
耳まで赤くなった先生を見るのは初めてだった。
自業自得、と呟いて身体を拭こうとすると、手を押し退けられて。気怠そうな顔でのそのそとトイレに行ってしまった。
そのまま帰るのもどうかと思って、めぼしいビデオを付けて散らかったものを片付けいてたら、まだ居たのかと呆れられた。
そのゆるい笑顔に腹を立てるのも、良心を傷めるのも何だか面倒で。
本当に調子が狂う。