あなたの



あなたのものになりたい。

…手紙を書いた。
あなたのものになりたい。
なりたい。なりたい。
全部かなぐり捨てて、そう、家族も仕事も経歴も、全部捨ててしまいたい。
そしてあなたのものになりたい。
あなたのものだと証明できる首輪と、あなたに呼ばれる名前があればそれでいい。
あなたの思うが侭にされたい。

私は あなたのものだから あなたがやることにいちいち何か言うこともできないし、嫉妬もわがままもしません。
…心がけます。
なんでもします。
だからあなたのものにして。



そういう欲望はあるのだけれども、やはり私は家族も仕事も、経歴も大事なのだ。
だから二人でいる時間だけは、彼のものにしてもらう。
彼がしたい、といったことには逆らえない。
いつも一度は躊躇する、けれども結局は逆らえない。
そんな服従している自分が好きなのだろうと思う。
別に 彼は権力者でもないし 逆らったところで何が起こるわけでもない。
けれど、逆らう自分は、嫌。




今日、あの人から新しい首輪をもらった。
すごくすごく嬉しかった。
あの人の車に乗って、二人で話しているときにつけてもらった首輪。
赤い首輪をつけると私の肌がより白く見えて嬉しかった。
皮の首輪は、私の肌にぴたりとはりついたいた。
車の中で、あの人に服を脱がされる。
車を停めてあるのは、少し田舎の線路脇。
電車が通ったら、今の姿を見られてしまう。
そうでなくても、今夜は月が明るい。
あの人の視線を感じて、思わず太ももを摺り寄せてしまう。
あの人は完全に服を着ているのに、私だけが、首輪以外何も身に着けないようになる。
どうしていいのか、わからないけれども、
からだの中から熱いものが、こみあげてきている気がして、
目も開けていられなくなった。
あの人が私に触れる。
髪に触れてくれた、と思ったら、顔に布の感触が。
目隠しをされたのだ。
目隠しの中までもは月の光は届かないが、
少し間があって…隙間から、瞬間的に光が。
そしてシャッター音。
気づくと身体がぴくんとなって、その刺激に応えてしまう。
光とシャッター音が何度か聞こえ、私はとても熱くなってしまう。
そして、とろとろになっている自分を感じる。
あの人が、ぷつり、と私の中に指を入れた。
突然のことだったので身体は大きく反応した。
指を入れた隙間から、どくりと私が流れ出す。
あの人に少しなじられ、さらに溢れてしまう。
指を抜かれた。と思ったら、今度は口にその指を入れられる。
「おいしい?」
あの人の低く響く声に、私は指を咥えたままで「はい」と答える。
指を舌で追ってしまう。
たくさんよだれがでてきて、あの人の指にからまっていく。
指が口を離れたときにもたくさん糸を引いているのがわかった。
あの人が身体を起こしてくれて、「散歩しよ」と言った。
困惑する私を強引に車から引っ張り出す。
裸のまま。
もちろん靴なんて履いてない。
私が身につけているのは、首輪と目隠しだけ。
何も見えず、頼れるのはあの人の引いてくれる手だけ。
何かを踏まないか、何かにぶつからないか、それ以上に、
誰かに見られでもしたら…。
どんどんと息遣いがおかしくなってしまう。
見られるのは、怖い? それとも嬉しい?
怖いと思った一瞬後に、誰かに見られてる自分を想像する、
するとまた身体が芯から熱くなる。
ふと、あの人が立ち止まる。
「散歩、気持ちいいでしょ?」
優しく意地悪なあの人の声。
手を離される。
「あ…」
心配になって、声が出る。
「大丈夫、そばにいるから」
今度は限りなく優しく響く。
手を伸ばしてあの人の位置を確かめようとするが、届かない。
ああ、身体の中が熱い。
「どうしたの? すごく濡れちゃって」
言われて、改めて気づいた。
私の中から蜜が本当に溢れ出している。
「触ってみて」
あの人の言葉に促されて、指で触れると今までにないくらい、濡れそぼっていて。
それをまた、あの人になじられる。
さらに濡れていく自分がわかる。
「じゃあ一人でやってみせてよ、立ったまま」
言われて、顔を上げた私に、あの人はさらに言い放つ。
「見せてごらん、ちゃんと声も出して」
あの人に言われるまま、指を自分の中に入れていく。
指を増やし、のぼりつめていく。
自分が何を言っているのかもわからなくなり、
いくつか電車が近くを通り過ぎる音がして、
あの人にもいっぱい見てもらって、後から触ってももらえて、


でもそれは、夢の中。
私は本当は全然あなたのものじゃないから。
あなたが私に関わるのは、ほんの一瞬にしか過ぎないから。
全部あなたのものになれたら、この夢がかなうこともあるかもしれないけれど、
今はその夢を話すだけで留めておくね。
実際の私も、目隠しをされた夢の中の私と同じ。
あなたには届かないの。
お願い、だからせめて、私を見てて。






2004.8.21  2005.5.7後半加筆
凡田英二様にリンクバナーをいただきました。
そのテーマに沿って。
凡田英二様作





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